走って、跳んで、登って……結成14年のふぉ~ゆ~、新作舞台で華麗なアクション「躍動感をお客さんの脳裏に」
男性4人組アイドル・ふぉ~ゆ~が3月6日に東京・IMM THEATERで開幕する主演舞台『CRIMINAL FOUR ―愛しき大悪党―』(脚本・演出/山田能龍氏)で犯罪集団に扮する。独自の“美学”を貫いて活動する設定で、4人は新たな役に意欲満々。2011年の結成から14年。ENCOUNTでは、先輩・堂本光一主演の『Endless SHOCK』シリーズなど舞台を中心に活躍する福田悠太・辰巳雄大・越岡裕貴・松崎祐介の4人を直撃。それぞれの個性を発揮して取り組む新作舞台への思いなどを聞いた。

主演舞台『CRIMINAL FOUR ―愛しき大悪党―』が開幕
男性4人組アイドル・ふぉ~ゆ~が3月6日に東京・IMM THEATERで開幕する主演舞台『CRIMINAL FOUR ―愛しき大悪党―』(脚本・演出/山田能龍氏)で犯罪集団に扮する。独自の“美学”を貫いて活動する設定で、4人は新たな役に意欲満々。2011年の結成から14年。ENCOUNTでは、先輩・堂本光一主演の『Endless SHOCK』シリーズなど舞台を中心に活躍する福田悠太・辰巳雄大・越岡裕貴・松崎祐介の4人を直撃。それぞれの個性を発揮して取り組む新作舞台への思いなどを聞いた。(取材・文=大宮高史)
『CRIMINAL FOUR』は2024年の五輪から10年後のフランス・パリが舞台。警察や権力者を煙に巻き街で噂の犯罪集団「ル・ミラージュ」が、あるミッションを遂行しようとする姿を描く。福田は集団のリーダーながら警察官の身分をもつユーゴ、辰巳は詐欺師のライアン、越岡は天才的なIQを持つ参謀シモン、松崎は驚異的な身体能力で敵を翻弄するガスパールをそれぞれに演じる。脚本・演出を務める山田氏は劇団「山田ジャパン」を主宰し、近年はNetflixの『全裸監督』(2019年、21年)の脚本などを手掛けたことでも知られる。今回は山田氏がそれぞれの個性にちなんだクールな悪党たちを作り上げ、4人は新たな役に燃えている。
――まずはそれぞれの役への印象について教えてください。
福田「最初に『世間を騒がせる大悪党』という話を聞いて、男心をくすぐられました。男の子って子どものころ、フィクションの中のワルに憧れる時もあるじゃないですか。その気持ちがよみがえりました。それにユーゴのリーダー像は、ふぉ~ゆ~のリーダーをしている僕とちょっと違うので、台本を読みながら『リーダーとはこういうものか』と学ばせてもらっています」
松崎「身体能力がピカイチのガスパールは、絶対に僕にしかできない役だと確信しています。これまでも『何でそんな動きができるんだ!』ってメンバーを何度も驚かせてきましたから(笑)。舞台ではパルクール(走る、跳ぶ、登るなどの移動動作)にも挑戦しますし、パワー系かつ、考えるよりまず行動する“脳筋”タイプな役なので、僕らしく自然に演じたいです」
越岡「シモンの設定を見て、自分のパブリックイメージを見直しました。IQ高くてキザで美容にこだわりがあるって、『そんな風に見られていたんだ』って(笑)」
松崎「こっしー(越岡)は楽屋でヘアアイロンを2時間も使ってたりするし、2週間に一度は美容院に通っている。ふぉ~ゆ~における美のマスターだよね。それに僕が苦手な漢字もわかるし頭がいい。お金持ちキャラだし、僕にもよくおごってくれます」
辰巳「僕は話し好きなのと、ものまねが得意だから詐欺師の役になったんでしょうか(笑)。詐欺師もいろんな人物になりきるところは、ものまねに通じますね。ただ、人をだますのも聞き上手でないとできないこと。相手の話をよく聞いて懐に飛び込んでいくくらいでないと魅力的な詐欺師になれないし、僕自身、周りの人の話を聞きますし、周囲の反応にも敏感に対応できます。そんなところもライアンに活かせそうです」
――ほかに、メンバーから見て、それぞれの「こんなところが役に似ている」と思うところはありますか?
福田「松崎くんは、二面性があるところもガスパールらしいです。髪も赤いし(笑)、すっとんきょうなことも言うんだけど、深く付き合ってみるとピュアで純粋なやつです。(堂本)光一さんからも『ふぉ~ゆ~でダントツで一番ヤバいのはマツ(松崎)だけど、深く付き合っていくと一番まともなのも彼』って言われます」
辰巳「そう言う福ちゃんは、あたたかい人柄もユーゴらしい。彼が最近好きなものは観葉植物に本、あったかい黒豆茶……と、おじいちゃんみたいなんだけど(笑)、リーダーとしてまとめるべきところでは皆の意見をくんで支えてくれる。そこも派手な悪党ぞろいのル・ミラージュを陰からまとめるユーゴに似ています」
――役のキャラクターも注目ですが、今回は4人でパルクールも披露するそうですね。そこも見どころの1つですね。
福田「ガッツリ運動能力を誇示するというより、オシャレに彩るシーンとして練習しています。例えば警官に追われているシーンでさらっとパルクールをやってみせたり。お芝居に戻っても、ル・ミラージュの躍動感をお客さんの脳裏に残せるのかなって」
辰巳「基礎練習から始まって、もう皆、筋肉痛になりました(笑)。今は階段を見るだけでゾッとします」
福田「先生が『皆上手いですよ』ってほめてくれるからありがたいよね」
松崎「(先生から)『基礎の動作さえマスターすればどこでもできますよ』って言われましたけど、僕らは初めてなので、身体は正直で悲鳴を上げています(笑)」
福田「でもマツはやっぱりすごい。パルクールをやっている時は水を得た魚というか、動物園のお猿さんみたいに躍動してるよね(笑)」
「『またこの4人の物語を見たい』と思ってもらえるように」
――では、演出の山田能龍さんと組んでみて、印象はいかがでしょうか。
福田「能龍さんとは、劇団山田ジャパンの『優秀病棟 素通り科』(2021年)で僕が主演をさせていただいて以来です。ふぉ~ゆ~の舞台を見に来てくださったり、以前から『今度は(ふぉ~ゆ~の)4人と一緒にやりたいな』って話してくださいました。今回、夢がかないました」
越岡「福ちゃん以外、一緒に芝居をさせていただくのは初めてです。とにかく芝居に熱い人で、丁寧に教えてくれます。『本番までにどうなるんだろう』と、ワクワク感でいっぱいです」
松崎「僕らはコメディー寄りの舞台が多かったんですが、能龍さんが『今までにないふぉ~ゆ~を見せたい』と言ってくださって、演じる側としても覚悟が要るなと思っています。4人とも悪党なんだけど、悪党なりの正義を格好よく見せたいですね」
辰巳「舞台でも映像でも、人の心をワクワクさせるプロフェッショナルだと尊敬している能龍さんが『見たことのないふぉ~ゆ~』として悪党の物語を書き下ろしてくれたことが何よりもありがたい。愛を感じます。新しいチャレンジをしたかったタイミングでこんなご縁に恵まれたので、『この作品で成長できなかったら、俳優失格だ』と覚悟を決めています」
――ちなみに、権力者を翻弄する義賊のような役とはいえ、悪役を演じることに楽しさは感じますか?
越岡「普段の自分とはかけ離れているので、絶対にできないことをステージ上でできる高揚感がありますね」
辰巳「僕は以前、舞台『ネバー・ザ・シナー -魅かれ合う狂気-』(2021)で猟奇的殺人犯を演じたことがありました。その時は『犯罪者が一線を飛び越えてしまう心理』を探り、もちろん人を殺めることはないけれど、踏み越えてしまうスイッチって実は誰もが持っているのかなと考えたり…。そんな犯罪者の葛藤を表現できるのは役者の特権だと思います。それに主観ですが悪人って妙な色気があると思うので、大人の色気も見せてステップアップしたいですね」
――最後に改めて作品への抱負をお願いします。
福田「セリフの量がとにかく多くて、日々格闘しました。能龍さんから演出プランを聞き『そこまでやる?』と思いましたが、お客様の記憶に残らないかもしれない場面でも徹底して芝居に取り組んでいます。初日が明けてさらに千秋楽が近づけば、どんな舞台になるんだろう?と、ワクワクしています」
越岡「4人がそれぞれの役と戦っているような雰囲気もあって、ちょっと新鮮です。皆さんに『ふぉ~ゆ~って、素敵だよね』って言ってもらえることを目指して舞台を作っていきます。今回は大阪と福岡でも公演があるので、いままでお見せしたことのない、ふぉ~ゆ~を地方でも楽しんでもらえたらと思います」
松崎「脚本ができた時から、能龍さんはもうステージ上でのイメージが出来上がっている感じでした。それを具現化しようと僕らは芝居もパルクールも頑張ってきたので、早くステージに立ちたいですね」
辰巳「ル・ミラージュの4人って、アニメのように現実離れしたところがありつつも『こんな人いるよな』と思ってもらえる人たちだと思います。現実とファンタジーのギリギリのラインを攻めるような芝居をしています。能龍さんのセリフも躍動感があって『またこの4人の物語を見たい』と皆さんの心を盗めるように、頑張ります」
東京公演は3月23日まで同所で開催。その後、大阪公演(3月27日~30日にCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホール)、福岡公演(4月12日、13日にキャナルシティ劇場)を行う。
□ふぉ~ゆ~ STARTO ENTERTAINMENT所属。同期入所し、個別に活動していた福田悠太、越岡裕貴、辰巳雄大、松崎祐介により2011年4月1日に結成。主に舞台で活動しており、『PLAYZONE』『Endless SHOCK』の各シリーズに長年出演。2015年に『壊れた恋の羅針盤』で4人での舞台初主演を果たす。その後、それぞれが俳優活動を展開する一方で、2018年からは毎年12月にグループとしてエンターテインメントショー『ENTA!4U. Zeppin de SHOW』を開催している。
ヘアメイク:国府田雅子、田坂たかえ
スタイリスト:小林洋治郎
