サッカー少年→モデル→俳優 「人前に立つのが得意ではなかった」鈴木仁がブレイクを果たすまで
モデル・俳優の鈴木仁が27日スタートのMBS連続ドラマ『復讐カレシ~溺愛社長の顔にはウラがある~』(木曜深夜0時59分ほか、テレビ神奈川・テレビ埼玉・チバテレビにて放送)に主演する。鈴木は当初、俳優業には戸惑いもあったそうで、「人前に立つのが得意ではないんです」と意外なことを口にする。

『復讐カレシ』で演じるのはイケメン社長・佐鳥駿
モデル・俳優の鈴木仁が27日スタートのMBS連続ドラマ『復讐カレシ~溺愛社長の顔にはウラがある~』(木曜深夜0時59分ほか、テレビ神奈川・テレビ埼玉・チバテレビにて放送)に主演する。鈴木は当初、俳優業には戸惑いもあったそうで、「人前に立つのが得意ではないんです」と意外なことを口にする。(取材・文=平辻哲也)
同ドラマは森田りょう、真田ちかの同名コミックが原作。交際相手に二股をかけられたホテルの運営会社勤務の服部舞香(紺野彩夏)に、イケメン社長の佐鳥駿(鈴木)が「嘘の恋人になって復讐しよう」と持ちかけたことから始まるストーリーだ。
「ありがたい話をいただけて、うれしいというのが素直な感想でした。タイトルが『復讐カレシ』だったので、シリアスな話かと思ったのですが、意外とかわいい話でした。原作をしっかり読むことは大事にしました。どれだけナチュラルに落とし込めるかを意識しました」
演じたのは、イケメン社長・佐鳥駿。過去にトラウマを抱えている人物だ。
「駿は人生を楽しんできたというよりも、そのトラウマから逃れるために自分を成長させようとしてきた。ちょっと寂しさもありますが、舞香と出会うことで本来の自分の感情を引き出してもらえる。話が進むにつれて成長していくキャラクターだと思います」
撮影現場では監督と話し合いながら、キャスト陣とも和気あいあい。特に、駿の秘書、秋山役の近藤頌利とは仲良くなり、プライベートな話もしたという。
「ドラマは復讐がテーマですが、ドロドロした話ではなく、人間らしく共感できる部分が多いと思います。佐鳥駿は社長としてクールな面もありますが、家では全く違う可愛らしい一面もあり、そのギャップを楽しんでもらえたら。実際に豪華なセットを見て、『お金持ちってすごいな』と思いましたが、同時に華やかな生活が必ずしも幸せとは限らないとも感じました。人の本質は変わらず、過去の経験や出会いによって成長していくものなんだなと改めて実感しました」

中学まではサッカー少年
鈴木は中学まではサッカー少年。高校生だった2016年11月、第31回MEN’S NON-NOモデルオーディションで準グランプリに選ばれ、翌2017年4月、TBS系連続ドラマ『リバース』で俳優デビューした。
「小、中学では地域のサッカークラブに所属して、ボランチとサイドバックをやっていました。でも、プロになれるほどうまくはなかったので、将来の夢とは違うなと思いました。親がファッションの仕事をしていたので、モデルオーディションを受けたんです。事務所から俳優を勧められた時は戸惑いもありました。僕はあまり人前に立つのが得意ではなかったんです」と明かす。
俳優業に興味を持ち始めたのは2018年のTBS系連続ドラマ『花のち晴れ~花男 Next Season~』。人気コミック『花より男子』の続編で、主演の杉崎花、平野紫耀、中川大志らとともに生徒役を演じた。以降、映画『のぼる小寺さん』(20年)では黙々とボルダリングを続ける主人公・小寺さんに刺激されるクライミング部部員役を好演し、『ジオラマボーイ・パノラマガール』では映画初主演を果たしている。
「作品に出る中で『とりあえずやるだけじゃダメだ』と気づかされ、少しずつ芝居に興味を持ち始め、『花のち晴れ』が転機になりました。その後、映画『ジオラマボーイ・パノラマガール』や『のぼる小寺さん』などで少し変わった役を演じる中で『こういう役がやりたいんだな』と気づきました」
メンズノンノ出身のモデルには俳優に転身した人も多いが、鈴木の先輩には坂口健太郎(33)、成田凌(31)らがいた。
「坂口さんとは短い期間ですが、かぶっていた時期もあったので、新人モデル時代にお話させていただける機会もありました。いつか共演できるように頑張れたら、と思っています。成田さんは『花晴れ』を観てくれていて、『何話のここが良かった』『ここから演技がよくなったよね』と具体的に褒めてくれたのがすごくうれしかったです。ちゃんと見てもらえていることを実感することができたので、俳優としての向き合い方が変わった気がします」と感謝する。
趣味はキックボクシング、個展も開催するカメラ、漫画、ファッション、スポーツ鑑賞と幅広い。時々、料理も作ることもある。
「駿とはあまり共通点はないかな、と思っていたのですが、マネジャーさんからは『溺愛する部分が似ている』と言われ、そうかなと思いました。目下、熱中しているのはキックボクシング。2、3年前から結構な頻度でジムにも通っていますし、自分ができないスポーツを観るのも好きで、駅伝やラグビーも毎年感動しながら観ています」
最近では、俳優業の比重が高まっており、映画やドラマの出演が増えてきた。
「継続して、いろんなことに挑戦を続けていきたいです。役者としては家族ものなど、新しいジャンルにも挑戦したいですし、ファッションに携わる仕事もしていきたい。写真展なども仕事につなげられたらいいなと思っています」と意欲を見せた。
□鈴木仁(すずき・じん)1999年7月22日、東京都出身。主な出演作には、『小さな恋のうた』(19年)、『ジオラマボーイ・パノラマガール』(20年)、『からかい上手の高木さん』(24年)、ドラマ『花のち晴れ~花男 Next Season~』(18年/TBS)、『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(19年/NTV)、『消えた初恋』(21年/EX)、『モトカレ←リトライ』(22年/MBS)、『さらば、佳き日』(23年/TX)、『95』(24年/TX)、『素晴らしき哉、先生!』(24年/ABC)など。今年は映画『かくかくしかじか』(5月16日公開)、『時には懺悔を』(6月公開)が控える。
