【スターダム】キックで王者に…UFCにも挑んだ“強さの象徴”朱里の夢と目標「どちらも結果を出したい」
現在の女子プロレス界において、“強さの象徴”といえば朱里の名前を挙げるファンは多いだろう。「ものが違う女」とも呼ばれる彼女は、キックボクシングや総合格闘技で複数のベルトを、そしてプロレスにおいてもスターダムの最高峰ワールド・オブ・スターダム王座を獲得している。その朱里、自身のXで「今年も自分を信じて悔いなく突き進む!!」と公言しているのだが、今回のインタビューではスターダムのこと、自身が結成したユニットGod’s Eyeのこと、そして自分自身の目標について聴いた。

自分の人生を楽しく、自分の思った通りに……だから信念を持って突き進む
現在の女子プロレス界において、“強さの象徴”といえば朱里の名前を挙げるファンは多いだろう。「ものが違う女」とも呼ばれる彼女は、キックボクシングや総合格闘技で複数のベルトを、そしてプロレスにおいてもスターダムの最高峰ワールド・オブ・スターダム王座を獲得している。その朱里、自身のXで「今年も自分を信じて悔いなく突き進む!!」と公言しているのだが、今回のインタビューではスターダムのこと、自身が結成したユニットGod’s Eyeのこと、そして自分自身の目標について聴いた。(取材・文=橋場了吾)
朱里は2008年にハッスルのリングでプロレスラーデビューを果たす。当時のリングネームはKG(Karate Girl)。その後多くの団体に参戦し、キックボクシングや総合格闘技でチャンピオンにもなった。そして2020年からはスターダム所属選手として活躍している。
「私、プロレスからデビューしたのになぜか格闘技から入った人みたいに思われることが多くて、格闘技の印象が強いのかなと思います。プロレスでデビューしてからキックボクシングやMMAに出ているのですが、それぞれでチャンピオンになってUFCと契約させてもらって……自分にとってはすごくいいことなんですけど、プロレスが先なんです(笑)。実は空手もフルコンタクトではなく、伝統派空手の型の方だったんですよ」
朱里がプロレスデビューを果たした後に格闘技に邁進したのには、理由がある。
「プロレスデビューしたときに、ネットでいろいろ言われたことがあって。それが悔しくて、キックボクシングを始めました。負けず嫌いなのでやるからには結果を出してやろう、自分を見下した人たちを絶対見返してやるという気持ち、絶対に負けられないというマインドでたくさん練習をしました。今でも(誹謗中傷的なことを)言ってくる人はいますけど、気にしなくなりました。そういうものを気にしても意味がないというか、自分の人生を楽しく、思った通りに突き進む方が大事だと思います。自分の人生は自分で切り開くものですから、かなえたいことに向けて何を言われようと信念を持って突き進んで実現すれば、何も言われなくなると思います」
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赤いベルトを落とした後の希望がIWGP女子王座だった
2024年はスターダムにとって、大きな変革の年となった。新団体に移籍する選手の中には、朱里の盟友といえる選手も、最高のライバルといえる選手もいたが、朱里はどのように考えていたのだろうか。
「やっぱり大きな出来事があって、すごい変化の年でした。ですが、それがあったからこそいい変わり目にもなったのかなと思っていて。新しいユニットができたり、新人もデビューしたり、そしてまだデビューしていない練習生も楽しみです。あの出来事があったからこそ、さらにスターダムがさらに進化できたかなと感じますね。他の選手が新団体への移籍を決めたとき、自分が今後どうしていきたいかを考えました。私はプレイヤーとして輝いていきたい気持ちが強かったんですよ。私には、IWGP女子のベルトという目標があります。あとはもともとの昔からの夢である俳優業もやっていきたいです。スターダムで自分の夢と目標を実現させて、どちらも結果を出していきたい。そしてGod’s Eyeの存在ですね。私が立ち上げたユニット、そして仲間の存在、自分に憧れて入ってくれた子もいるので、その子たちをしっかり育てるという責任もありますから」
朱里は2020年11月にスターダム所属になったが、そのきっかけが同年10月に当時のワールド・オブ・スターダム王者であった岩谷麻優に挑戦し敗戦したことだった。その1年後、2021年12月に当時の同王者・林下詩美を破り第14代王者になった朱里。岩谷の挑戦もクリアし、1年間の戴冠期間で10度の防衛に成功した。
「(ワールド王座を落としたときは)やっぱりきつかったですよね。赤いベルトを獲るためにスターダムに入って、ベルトを獲って落とした後に、何を目指したらいいのか本当に分からなくなってしまって。自分の性格的に目標がないとモチベーションが上がらないタイプなので、そんなときにIWGP女子ができたっていうのは自分にとってすごく大きなことで。『次はこのベルトだ!』という光が見えたんですよ。ベルトが多すぎるという賛否両論はあると思うんですが、IWGPという言葉には知名度もありますし、女子プロレスをいろいろな方に知ってもらえるチャンスだと思いました。
でも去年の春に大きな出来事があって、スターダムのことを一歩引いて見ていた自分がいたことは事実ですね。自分の気持ち的には、今は自分が前面に出るタイミングではないと思っていたんですよ。スターダムの転換期だったからこそ、一歩引いて自分のやるべきことをしっかりとやろうと思っていました。赤いベルトを落としてからは、ちょっと苦しかった時期ですね……だからこそ2025年は自分を出す1年にしたいです」
(27日掲載の後編へ続く)
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