「日本が穢されていく」 伏見稲荷に大量のゴミ、清掃ボランティアが語るインバウンドの“根深さ”
全国に約3万あるとされる稲荷神社の総本社で、千本鳥居でも有名な京都の伏見稲荷大社で、トイレに大量のゴミが放置されている写真が拡散、ネット上で物議を呼んでいる。日本語、英語、中国語の3か国語の注意書きを前に並べられた大量のゴミに、SNSでは「バチ当たりすぎる」と批判の声が殺到している。ボランティアで伏見稲荷大社のゴミ拾いしている投稿者のあと(@atoreiyu200001)さんに詳しい話を聞いた。
初詣客が大挙する年始は、意外にもいつもよりはるかにゴミが少なかったという声も
全国に約3万あるとされる稲荷神社の総本社で、千本鳥居でも有名な京都の伏見稲荷大社で、トイレに大量のゴミが放置されている写真が拡散、ネット上で物議を呼んでいる。日本語、英語、中国語の3か国語の注意書きを前に並べられた大量のゴミに、SNSでは「バチ当たりすぎる」と批判の声が殺到している。ボランティアで伏見稲荷大社のゴミ拾いしている投稿者のあと(@atoreiyu200001)さんに詳しい話を聞いた。
「ここまで書いてあるのに 平気で捨てる気持ちが 僕には心の底から理解できない」
今月27日、「#伏見稲荷」のハッシュタグをつけて投稿された写真には、トイレの洗面台の前にペットボトルやティッシュ、紙袋など、大量のゴミが放置された様子が収められている。洗面台の鏡には「神社のトイレです」「トイレ内は清潔に保って下さい」という日本語、英語、中国語の注意書きの他、ポイ捨て禁止のピクトグラムが記されており、その前に放置されたゴミからは行為の悪質さがうかがえる。
伏見稲荷大社の公式サイトでは、「神域の尊厳と秩序を保持するため」のお願いとしてゴミ、ペットボトル、空缶などを捨てることを禁止している。担当者は「境内にゴミ箱は設置しておりません。ゴミは各自ですべてお持ち帰りをお願いしております」と説明する。
投稿者は数年前から伏見稲荷の神社内のゴミが気になり、週に数回、夜明け前にボランティアでゴミ拾いをしているという。今回の写真は27日午前4時頃に撮影したものだといい、「伏見稲荷は昔よりもかなり汚されていて、掃除業者がいない深夜の時間にかなりのゴミがポイ捨てされており、無償のボランティアが拾わなければなりません。コロナ禍以降、外国人が異常に増えてからマナーが低下しています。神社も張り紙などで対策していますが、今の努力では改善できないという実情があり、それらの事実をもっと知ってもらいたいと思っています」と投稿の意図を語る。
ちなみに、初詣客が大挙する元日の深夜から翌2日の早朝に行ったゴミ拾いでは、意外にもいつもよりはるかにゴミが少なかったといい、投稿者は考えられる理由として「外国人観光客がいないから」と推測。一連の投稿には、「神社のトイレにコレはないわ…バチ当たりも過ぎる…」「悲しい光景」「神社に来てゴミ捨ててるとか、、自分から罰当たりに来てる」「こういうことをする者は、捨てられてるゴミ以下の人間だと思う」「日本が穢されていく」「文字も読めない人達なんですよ」「外国人とは限らない」「これに関しては、販売店がゴミ箱を置かないのも問題だよな」など、さまざまな反応が寄せられている。
反響について、投稿者は「神社仏閣は日本人として心の拠り所であり、清潔さの象徴の1つです。無宗教などと揶揄(やゆ)される日本人ですが、とても多くの人が神社を大切に思っているのを感じうれしくなりました。また、外国人観光客については多くの人達が実体験を教えてくれました。大変なのは京都だけではなく、被害は全国各地に増えてきているという事実に、インバウンド問題の根の深さを感じています」と話している。
インバウンドによる外国人観光客のゴミ被害は各地で報告されているが、同様に一部の日本人によるポイ捨ても一向になくならない問題だ。誰もがポイ捨てやゴミの投棄を行わないよう、マナーやモラルの周知徹底が求められている。