柚希礼音、コロナ禍だからこそ演じる意味「エンターテインメントは明日への活力」
元宝塚歌劇団星組トップスターの女優・柚希礼音が、7、8月の公演がコロナ禍で中止となったが、9月11日から東京と大阪で上演されることになったミュージカル「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」のステージに立つ。ようやく演じることが可能になった柚希に作品への思い、コロナ禍に何を考え、どう過ごしたかを聞いた。
単独インタビュー、9月からミュージカル「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」出演
元宝塚歌劇団星組トップスターの女優・柚希礼音が、7、8月の公演がコロナ禍で中止となったが、9月11日から東京と大阪で上演されることになったミュージカル「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」のステージに立つ。ようやく演じることが可能になった柚希に作品への思い、コロナ禍に何を考え、どう過ごしたかを聞いた。
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物語は1984年のイングランド北部を舞台に、主人公である11歳の少年ビリーが、さまざまな苦難を乗り越え、バレエダンサーになる夢に向かって突き進む姿を描く。柚希はビリーの才能を見出し、応援するバレエの先生のウィルキンソン先生を演じる。2017年の初演に続く2度目となる役。
まずは意気込みを聞いてみた。すると自身の気持ち、考えを言葉は短いが的確にしっかりと言葉にした。
「再演だからといってなぞるのではなく、新鮮に、今、思う自分本体の感情を使って、血の通ったウィルキンソン先生を演じられたらと思います」
ストーリーや役どころの紹介をしてくれたが、自身が面白いと感じる点もきっちりと触れながら魅力も語ってくれた。
「人に対して愛情表現ができない、壁のある人です。そういう人物がビリーによって育てられる。大人が変わっていくんです。子供のミュージカルと思われがちですが、かなり大人の葛藤の物語。今、コロナで本当に皆さんも葛藤やいろんな思いがある中、作品を見ていただくと、自分と照らし合わせ、共感しながら明日も頑張ろうと思ってもらえると思います」
徐々に公演を見たいという感情が芽生えてくる説明。2017年の初演から3年。同じ役を演じる。初演からの進化もたずねてみた。
「基本は前に大切にしていたことを、とにかく大切にしてやりたい。再演だからと言って何かを変えました、というのは好きじゃないので。でも初演が良かったから再演という経験を何度かしましたけど、再演のハードルの高さたるや、すごいですから。初演が良かったという評判を聞いて再演を見に来てくださる方は、ハードルが高い。初演をなぞるのではなく、本当に初めて向かい合う作品のつもりで、初演の何倍ものエネルギーをかけて挑まないと感動は生まれないことは分かっています。とにかく毎公演、新鮮にできるようにしたい。慣れている人の舞台を見てもちっとも面白くないですから」