吉沢亮主演映画『国宝』新キャスト12人解禁 渡辺謙、寺島しのぶ、高畑充希、宮澤エマ、黒川想矢ら

俳優の吉沢亮が主演を務める映画『国宝』に渡辺謙、寺島しのぶ、高畑充希、黒川想矢ら新キャスト12人が8日、明らかになった。

【写真:(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025 映画「国宝」製作委員会】
【写真:(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025 映画「国宝」製作委員会】

渡辺謙は横浜流星&吉沢亮と初共演

 俳優の吉沢亮が主演を務める映画『国宝』に渡辺謙、寺島しのぶ、高畑充希、黒川想矢ら新キャスト12人が8日、明らかになった。

 本作は、これまでも数々の賞に輝いた吉田修一氏が手掛ける、任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げる主人公・喜久雄の50年を描いた壮大な一代記だ。2017年から朝日新聞にて連載され、歌舞伎界を舞台にした本作は、連載時から大きな話題となり、18年に単行本化された。19年第69回芸術選奨文部科学大臣賞、第14回中央公論文芸賞をダブル受賞し、吉田氏が3年の間歌舞伎の黒衣をまとい、楽屋に入った経験を書き上げたこん身の作品だ。

 映像化不可能だと言われていた原作『国宝』を、吉沢主演、横浜流星共演で映画化が発表されて大きな反響を呼んだ。今回メガホンをとるのは、『フラガール』(06年)で、日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞を受賞した李相日監督。

 そして、新たに12人のキャストが明らかになった。吉沢演じる喜久雄を引き取り育てる歌舞伎役者で、横浜演じる俊介の父親・花井半二郎役として渡辺謙が出演する。渡辺は、本作が李組3度目の参加で、主演の吉沢とは初共演となる。

主人公・喜久雄(吉沢亮)の幼なじみで恋人の春江役に高畑充希

 また、渡辺の妻・大垣幸子役に寺島しのぶ、人間国宝の歌舞伎役者・万菊役に田中泯、主人公・喜久雄の幼なじみで恋人の春江役に高畑充希、喜久雄の人生に関わってくる女性・彰子役に森七菜、芸妓の藤駒役に見上愛らが参加する。

 さらに、喜久雄の父親で長崎の任侠一門・立花組の親分役に永瀬正敏、立花組親分・立花権五郎の後妻で、喜久雄の育ての母親役に宮澤エマ、喜久雄の少年時代に黒川想矢、喜久雄の親友でライバル役に越山敬達、、歌舞伎の興行を取り仕切る三友の社長役に嶋田久作、喜久雄とともに時代を生きる竹野役に三浦貴大らが出演する。

 以下は、新キャスト12人のコメント。

◯渡辺謙

「吉田修一さんの『国宝』が出版されて直ぐに読ませて頂いた。役者の心の苦悩、歓喜、そして生き様が赤裸々に描かれていた。ただあまりにも壮絶で壮大な人生は『こりゃ映像化は無理だ』とも感じていました。しばらくして、盟友、李相日監督から連絡を貰うことになる。なんと挑戦したいとのこと。腰が浮くのを抑えながら、果たしてこの大作を支えられるか悩みました。でも、これまで数々の難題を乗り越えて来た李監督を信じ、この素晴らしい作品に立ち向かう決意を固めました」

◯高畑充希

「本来は大きな空間で、全身で、浴びさせてもらうはずの歌舞伎の世界に、汗や涙も捉えられるような寄りの視点で没入する。モニターを見たとき、その新鮮な世界の美しさに息をのみました。元々美しいお2人なのに、これ以上美しくなるの!? って(笑)。はお2人の1番近くにいつも存在しているキャラクターだったので、間近で貴重な瞬間をたくさん見られて、幸せです。そして何より、久々にまた李監督や李組の皆さんと一緒に撮影が出来て、本当に楽しかった!」

宮澤エマ「贅沢で貴重な時間でした」

◯寺島しのぶ

「『国宝』という吉田修一さんの途轍(とてつ)もない大作に挑戦された李監督の思いを受け取り参加させていただきました。今まで生きてきた私の環境や、蓄えてきたものを少しでも活かせていれば良いなぁと思っています。吉沢亮さんと横浜流星さん、2人の少年時代を演じた黒川想矢くん、越山敬達くんの努力とガッツに脱帽です。支えてくださる沢山の方の思いが結集されて、素敵な作品になっていることを切に願います」

◯田中泯

「万菊さんという人になるために、カラダも心も習う毎日でした。初めてその姿になったときのことでした、数えきれぬ人々の知識と経験が技となり万菊さんの姿が現れる。仰天しました。距離を縮めることのなかった歌舞伎世界の向こう側に、自分はカラダごとさらわれたのでした。日々自分の声に不安になり、自分の姿に困惑し、一瞬でもいいから、否一寸でも長く先人の魂が自分の体に訪れ、遊んでほしい、と願ったものでした。万菊さんという自分のうちなる異人。伝統から生まれた万菊さんは今や僕のオドリ探求の相談役であります。そして終わってほしくなかった李相日監督の撮影の一コマ一コマが僕のオドリの稽古のようでした。贅沢しました」

◯森七菜

「はじめて一人で見に行った映画は李監督の映画でした。映画という豊かな時間を映画館で過ごすことの意味を知るという大切な一歩目を踏み出してから、ずっと憧れにしてきた李組に参加させていただけること、とても幸せに思います。現場は緊張と衝撃の繰り返しの毎日で、喜久雄と俊介2人の人生がどれだけ壮大な舞台の上に成り立っているかを痛感しながら、青い炎のように確かな温度を静かに保ち現場にたたずむ吉沢さんを側で見て、寄り添っていく者としてしっかりしなくてはと自分の背中を正し続ける日々でした。情熱で溢れたこの作品がたくさんの人に届きますように願っております」

◯見上愛

「今回の作品に参加するにあたって、日本舞踊、三味線、舞妓さんや芸妓さんとしての所作練習にいそしみました。10代の役と30代の役をひとつの作品の中で演じるのは初めてのことで、かなり不安もありました。ですが、カメラの前に立つ前に過ごしてきた時間や、吉沢さんや監督をはじめとする、周りの皆さんの集中力と誠実さにとても助けられました。こんなにも贅沢な環境でお芝居ができたことを幸せに思います」

◯黒川想矢

「初めて国宝のオーディションを受けた時から、僕は絶対に少年喜久雄を演りたいと思い、気づかぬうちにその薄っぺらい覚悟を李監督につらつらと述べていました。しかし撮影準備が進むにつれ、日本の古典芸能である歌舞伎をけがすことなく、少年喜久雄を演じきることへの重みを痛感し、押し潰されそうな日々が続きました。李監督や歌舞伎指導の先生からは演技に向き合う心のあり方を教えていただきました。そして、諦めずに辛抱強く見守っていただき、前に進むための新しい心を授けてくださいました。僕にとって、撮影期間は1日1日が重く優しく美しい3か月でした。たぶん僕だけでなく、多くのキャスト、スタッフの皆さんがもがき苦しんで生み出したであろう『国宝』の完成が、今となっては楽しみで仕方ありません」

◯越山敬達

「今回、大垣俊介の幼少期を演じました、越山敬達です。李監督のもとでお芝居ができたこと、すばらしい演者の皆さんと共演できたことをすごく光栄に思います。歌舞伎や大阪弁は初めての体験で難しく、俊介のことで悩むこともありましたが、僕は新しいチャレンジをするのが好きなので充実した時間を過ごすことができました。そして、監督やスタッフ、歌舞伎や方言指導の先生方、共演者の方々が最後まで支えてくださったおかげで、無事に撮影を終えることができました。公開されましたら、是非劇場に足を運んでください」

◯永瀬正敏

「短い期間での李組初参加でしたが、李監督を中心にスタッフの皆さん、共演者の皆さんの熱く、そしてこだわり抜いたていねいな現場に身を委ねることが出来て、貴重過ぎる日々を過ごせました。その静かなる熱は、きっと観客の皆さんの心の中に深々と降り積もると信じています。劇中劇、舞台に立たれた俳優の皆さんの、長い時をかけてみがかれた“魂の舞”はまさに必見です」

◯宮澤エマ

「私の『国宝』との出会いは3年前、本屋で吸い寄せられるように手に取った吉田修一さんのサイン入りの文庫本でした。きっと映像化されるのではないか、李監督がメガホンを取るのかしらと当時妄想をふくらませていたので、マツ役でオファーをいただいたときはこんなことがあるのかと信じられませんでした。初めての李組の撮影は緊張と発見と苦悩と感動の日々で、短いながらも贅沢で貴重な時間でした。そうそうたるキャスト、スタッフと共にこの壮大な物語の幕開けの一員として参加できたことは心から光栄です」

◯三浦貴大

「撮影現場は、まさに職人たちの集まりで、より良い作品を作ろうとする気概に満ちていました。それでいて軽やかさもあり、このような現場に身を置けたことを幸せに思います。竹野という人物を演じる中で、ある意味俯瞰(ふかん)した立場で歌舞伎を、また二人の成長や葛藤を見ていましたが、私自身もすなおにその場にいることで竹野の人物像と近づけるのではと思い、意識していました。刺激的で、とても良い緊張感のある現場でした」

◯嶋田久作

「李相日監督とは『69 sixty nine』以来21年ぶりでした。頂いた“梅木”という人物は陽性で自分の“仁”にない役柄かとも思いましたが、久しぶりの監督との仕事。自分の狭い視野を離れて、ただただ監督の意に沿う演技が出来ればとの思いで撮影に臨みました。今思うと、21年分の想いが空回りして力み過ぎのまずい芝居ばかりだった気がします。ともあれ監督の『OK』はいただきました。私は李監督の判断には絶対の信頼を置いています」

次のページへ (2/2) 【画像】同時解禁された『国宝』の相関図
1 2
あなたの“気になる”を教えてください