乃木坂46の4期生・掛橋沙耶香（21）が19日、グループから卒業し、芸能界を引退した。ラストステージとして『乃木坂46 OFFICIAL YouTube CHANNEL』で『掛橋沙耶香 卒業セレモニー』を配信。同期メンバー12人と一緒に全7曲を披露し、「何一つ悔いはありません」と言い切った。掛橋は2022年8月29日開催の乃木坂46明治神宮球場公演で、一塁ベンチ上の階段から転落。顔の一部を骨折するなどの重傷を負い、約2年間治療に専念していた。

　冒頭、掛橋はあらためてファンに卒業を報告した。

「乃木坂46 4期生の掛橋沙耶香です。本日を持ちまして乃木坂46を卒業します」

　そして、オープニング曲として『4番目の光』を披露。「♪こんなに素敵な場所にいられたことを　誇りに思えるように輝こう」の歌詞に実感を込めた。続けて『ジャンピングジョーカーフラッシュ』を歌唱すると笑顔で、「大好きな4期生のみんなとパフォーマンスできて、緊張もなくやれそうです」と話した。

　トークの時間では、同期の面々が掛橋との思い出を語り、休業中も連絡を取り合い、再会していたことを明かした。「見た目がお姉さんだった」「風貌が変わっていた」「外国人美女かと思った」「でも、中味が変わってなくって沙耶香のままだった」。その上で、田村真佑は「今回、一緒にリハーサルをしていて2年間踊っていなかったはずなのに、普通に踊れていたよね。立ち位置も変わっていたのに覚えてきていて」と感心した。

　現実に掛橋のパフォーマンスはブランクを全く感じさせず、『キスの手裏剣』まで6曲を歌った後は1人でカメラの前に立った。そして、3期生の与田祐希に憧れて『坂道合同オーディション』を受けたこと、それが最初で最初のアイドルオーディションだったこと、休業中に与田から「戻って来てほしい」と言われていたこと、休業中も衣装チームが「いつ帰って来てもいいように」と掛橋の分まで新制服を作ってくれていたことなどを明かした。

　それでも、掛橋は卒業と芸能界引退を決めた。その理由と今の心境をかみしめるように語った。

「そんな風にたくさんの愛情を感じていた中で、私はまた乃木坂46に戻ったら『まだまだアイドルやれちゃうな』って感じました。その時にふと『そんな風に思えるようになることこそが私の本望なのかな』と思えて、卒業を決めました。私が高校生ぐらいの頃は『私が卒業する頃は27歳か28歳頃なのかな』と思っていました。その時はどんな気持ちなんだろうといろいろ想像していましたけど、21歳で今、一点の曇りもなく晴れやかな気持ちで卒業を迎えられています。21歳で芸能界を引退するっていうのは『すごく早いのかな』とも思ったのですが、すごく濃い6年間だったので何一つ悔いはありません」

　ラストに自身がセンターの楽曲『図書室の君へ』を披露する前には、「最後に1つだけわがままを言うのであれば」と前置きし、「私がいなくなってからも歌い継いでもらうことだと思っています。ファンの皆さまにたくさん『好きだ』と言っていただけて、私もたくさん好きになった曲です」と伝えた。

　そして、自身も含めて13人で同曲を明るく歌い、踊った。しんみりした雰囲気は感じさせず、涙もなかった。卒業祝いの花束を受け取った後は、乃木坂46の掛橋沙耶香としてのラストメッセージを口にした。

「このセレモニーを見てくださった皆さん、ありがとうございました。私が今回、楽しめたのかなと思います。そういうセレモニーにしたかったので、それを叶えることができてうれしかったです。ありがとうございます。みなさん、あらためまして本日は本当にありがとうございました」

　最後はメンバーからは「沙耶香、卒業おめでとう」と声を掛けられ、「ありがとう」と返しながらカメラに手を振り続けた。

　ファンもさまざまな思いを抱えながら、掛橋の卒業を祝福。コメント欄に「辛かったはずなのに、アイドルのまま卒業してくれた姿に感動しました」「ブランクはあったはずなのに、たくさん練習して、メンバーの前では完璧に歌って踊れるようにしたんだと思うと、凄いしかでてこない」「最後にでてきてくれたのはアイドルの鑑だよ」などの声が相次いだ。

　同セレモニーの動画は20日午前7時までに約70万回再生を記録。グループの公式サイトでは「9月19日(木)23:59までの期間限定での公開となります。ぜひご覧ください！」と呼びかけている。

＜乃木坂46 掛橋沙耶香 卒業セレモニー　セットリスト（本人セレクト）＞

1．『4番目の光』
2．『ジャンピングジョーカーフラッシュ』
3．『I see…』
4．『猫舌カモミールティー』
5．『Out of the blue』
6．『キスの手裏剣』
7．『図書室の君へ』