「自由に生きたい」…Aqours『紅白』出演から6年、ソロデビュー5年の逢田梨香子が歌詞に込めた人生観

声優でソロアーティストの逢田梨香子が10日、配信デジタルシングル『マイメソッド』をリリースした。6月にソロアーティストデビュー5周年を迎え、新曲の歌詞には気づいた心境の変化や人生観を込めたという。アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』の桜内梨子役で2015年に声優デビュー。同作のスクールアイドルグループ・Aqoursとしても活動してきた歩みを含め、現在の思いを聞いた。

ソロアーティスト活動5周年を迎えた逢田梨香子
ソロアーティスト活動5周年を迎えた逢田梨香子

シングル『マイメソッド』リリース

 声優でソロアーティストの逢田梨香子が10日、配信デジタルシングル『マイメソッド』をリリースした。6月にソロアーティストデビュー5周年を迎え、新曲の歌詞には気づいた心境の変化や人生観を込めたという。アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』の桜内梨子役で2015年に声優デビュー。同作のスクールアイドルグループ・Aqoursとしても活動してきた歩みを含め、現在の思いを聞いた。(取材・文=大宮高史)

――配信された『マイメソッド』では作詞も手がけましたが、どんな思いを込めましたか。

「人生を旅に例えて、自由に生きていきたい感情を込めています。まず、(作曲の)田中秀典さんと川口圭太さんが書いてくださったメロディーをいただいて、爽やかで疾走感がありながら、切なさもあるところが『人生のようだな』と思いました。1番は前向きな言葉をつづりつつ、2番からは後悔や迷いを抱えながらも、自分らしく生きていく、そんな時間を皆さんと共有したいというメッセージになっています」

――レコーディングに臨んだ時の心境は。

「緊張でした。これまでも作詞をしたことはありますが、自分が書いた詞を歌うって、毎回緊張します。書いている時は感情が先走っているんですが、いざ曲に乗せるとなると、そこで歌いづらいところが見つかって微調整しながらレコーディングをしています。タイアップ曲とはまた違う面白さと難しさがあります」

――ソロアーティストとして5周年を迎えましたが、デビュー当時と比べて変化はありましたか。

「『マイメソッド』にも込めたのですが、肩の力を抜いて過ごせるようになりました。以前はもっと、責任感を負いすぎて『頑張らなきゃ』と思いこむことが多かったんです。キャラクターに寄り添った声や歌を届ける声優と違って、ソロ活動では私の名前で、パーソナルな部分までお届けしていくので、『私が先頭に立って引っ張っていかないと』と思う局面が多かったようです。『弱音を吐いたって結果が変わるわけではない』とネガティブなところを見せるのも嫌いな性格でした」

――肩の力を抜けるようになったきっかけは。

「特に転機になった時期というのはなくて。年齢を重ねて『不完全な自分』を認められるようになりました。それもここ1年ほどの変化です。何でも完璧にこなそうとして、できない自分とのギャップに落ち込んでしまうことも多かったのですが、『100%できなくてもいいのかな』と考え方が変わってきました」

――他にもアーティスト活動の中で「自分が変わった」と思うことはありますか。

「元々、バラード系の音楽が好きでした。ところが3年前に出演したアニメの『装甲娘戦機』で、オープニング曲として歌った『Dream Hopper』にすごく衝撃を受けました。いい意味でハチャメチャな曲で(笑)、曲調がめまぐるしく変わっていって、1曲なのに何曲も聴いている感覚になります。こんな風にいろんなジャンルの音楽に触れて刺激になっています。ジャケ写も凛とした雰囲気を見せたものが多かったので、経験するうちにクールに寄せたファッションも好きになりました」

最新デジタルシングル「マイメソッド」ジャケ写
最新デジタルシングル「マイメソッド」ジャケ写

ガムシャラに仕事をしていた20代

――音楽といえば、好きなアーティストは。

「柴咲コウさん、浜崎あゆみさん、大塚愛さんが好きです。特に柴咲さんって、聴く人の想像力をすごくかき立ててくれるアーティストだなと感じていて、音楽のお仕事をする時にも曲を聴いて、表現のヒントにしています」

――一方で、2015年の『ラブライブ!サンシャイン!!』でのデビュー以来、声優業も10年目になります。

「声優としてはキャラクターに寄り添い、かつ私もキャラクターに導かれるような感覚で役を作っています」

――8月8日には毎年恒例のバースデーイベントも控えています。

「毎年コンセプトを変えてみんなで楽しめるものにしてきました。本物のカラオケ機器を持ち込んだり、ラジオ番組風のセットの中でJPOPをカバーしたり。今年はライブとトークショーの2公演でお届けしますが、どちらも同じくらい楽しんでもらえる構成にしようとアイデアを練っています」

――声優とソロアーティスト、“二刀流”を経験してきた日々を振り返ると、どんな思いがありますか。

「20代は目標など考える暇もなく、ガムシャラにお仕事をするうちに一瞬で過ぎていきましたが、作品や音楽を通じてたくさんの“居場所”を作ってこれたと思います。次第に自分の好きなジャンルに挑戦できたり、視野を広げることができて『もっと、自由に感性を見せていきたい』と思えるようになっています」

――これから歌ってみたいジャンルや活動への意欲はいかがですか。

「『パワフルなナンバー』でしょうか。強い女性を象徴するような。そして、ファンの皆さんにとっても私にとっても、日常の中でライブが一番自分を開放して『また、明日から元気で生きて行こう』と思える場所にしたい。そんな気持ちを『マイメソッド』に込めました。完璧でなくても、皆さんと一緒に背伸びしすぎず、等身大の感覚でお仕事を続けていきたいですね」

□逢田梨香子(あいだ・りかこ) 8月8日、東京都生まれ。アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』の桜内梨子役で15年に声優デビュー。同作のスクールアイドルグループ・Aqoursとしても活動し、2018年『NHK紅白歌合戦』にも出演した。19年6月発売のEP『Principal』でソロアーティストデビューし、アルバム2作とEPシングル2作、シングル1作をこれまでにリリースしている。

次のページへ (2/2) 【動画】新曲『マイメソッド』リリックビデオ
1 2
あなたの“気になる”を教えてください