本田仁美、AKB48卒業 約10年のアイドル生活に幕 「順風満帆だったとは言えないけれど」と涙も
AKB48の本田仁美が28日、東京・AKB48劇場で卒業公演を行った。メンバーとして最後の舞台となった。
東京・AKB48劇場で卒業公演を開催
AKB48の本田仁美が28日、東京・AKB48劇場で卒業公演を行った。メンバーとして最後の舞台となった。
2014年にAKB48 チーム8栃木県代表メンバーとして12歳で加入した本田。18年からは約2年半、日韓合同のアイドルグループ・IZ*ONE(アイズワン)のメンバーとして日韓を中心に活動。AKB48復帰後は59thシングル『元カレです』・61stシングル『どうしても君が好きだ』の2作でセンターに抜てき。IZ*ONEでの経験を惜しみなくグループに還元し、“AKB48を変えた存在”として活躍してきた。
24年1月26日にパシフィコ横浜 国立大ホールで行った卒業コンサートでは、ダンスナンバーを中心に本田らしい華やかなパフォーマンスでファンを魅了。
卒業公演はチーム8の楽曲『夢へのルート』でスタート。『私たちの Reason』『唇に Be My Baby』とエネルギッシュなパフォーマンスでオープニングを飾り、場内の熱気を一気に高めた。
公演前は普段通りの様子だったという本田だが、卒業公演を迎えた心境を聞かれると、急に実感が湧いたのか「やばいですぅ……」と早くも感極まる。目を潤ませながらもなんとか言葉を絞り出し、「AKB4Bとして最後の私を見ていただける場なので、笑顔で終わりたいと思います!」とあいさつした。
続くパートでは、卒業コンサートでも会場を沸かせた『ハート型ウイルス』『思い出以上』などユニット4曲をパフォーマンス。
さらに、チーム8の代表曲『47の素敵な街へ』を全員で披露。ファンも待ってましたと言わんばかりに大きな「ガチ恋口上」のコールで応えた。元チーム8メンバー以外も混ざっていたことから、曲中で各々の出身都道府県名を叫んでいく場面では、「神奈川県」が4回登場するなど被りが発生。岡部麟は「チーム8だと絶対に被らないから新鮮(笑)」とほほ笑み、向井地美音、村山彩希らは「この曲やったことなかったけど、(ファンの方が)こんな熱量なんだね! すごい!」「幸せだった!」と口々に感激していた。
MCでは、一昨日の卒業コンサートを振り返りながらトーク。柏木由紀は「ひぃちゃんが初めて選抜になった『NO WAY MAN』とか『私たちの Reason』が全部新規の振付になっていて、ストイックの方向がすごすぎて、あの人はどこまで行っちゃうんだろうと思った」と本田のこだわりに改めて驚がくしたことを明かし、「私は17年間AKB48やってきたけど、1番教えてもらった人。本田警察は私にとっては師匠!」とその存在の大きさを語った。
また、倉野尾成美は「最後ということで……」と得意の本田の声真似を披露し、そのクオリティの高さに思わず爆笑が起きた。エンディングでは卒業ドレスに身を包んだ本田が登場し、全員で『ジワる DAYS』を歌唱。
本田は「私は12歳の時に初めてこの劇場に立ったんですけど、加入して一番最初の夏休みの時には毎日ここに通っていて、チーム8のメンバーと合宿をしながら過ごしていました。ステージに立つだけじゃなくて、学校の宿題をやったりとか、ロビーでみんなでお味噌汁を飲んだりとか、生活の一部を共に過ごした思い入れのある場所です。
劇場公演に立ちたくて、“私を見つけて”という想いで健気に頑張っていたんですけど、今日は私のために集まってくださったみなさんで埋め尽くされているのがすごく幸せですし、いろんなきっかけで私を好きになってくださった方がたくさんいらっしゃると思うんですけど、一番伝えたいのは、どんな瞬間でもどんなに形を変えても、私を好きでいてくださって、愛してくださって本当にありがとうございます。10年間ずっと“AKB48の本田仁美です”と自己紹介していたのが、明日からはAKB48と名乗れなくなってしまうのはすごく寂しいですし、心にポッカリ穴が空いたような気持ちになるのかなと思うんですが、秋元先生が紡ぎ出す世界観の中でメンバーのみんなとパフォーマンスできたことを誇りに、そして元AKB48として恥じぬように、これからも頑張ります。
AKB48として幕が閉じる瞬間まで、大好きなみなさんと一緒に過ごせることが幸せです。少しだけ充電期間をいただいて、その後は新たな私をお見せできるように頑張ります! これからもよろしくお願いします!」と感謝を伝えた。
最後は自身のセンター曲『どうしても君が好きだ』をフルサイズでパフォーマンス。泣き笑いの表情でメンバーとハイタッチをかわしていき、「みんなのことが大好きだ~!!」と愛を叫んだ。
このまま終幕に向かうかと思いきや、本田は「最後にもう一回だけ話してもいいですか?」と前置きし、再びスピーチへ。「正直、順風満帆な10年間だったとは言えないけれど……」と涙で言葉を詰まらせながらも、「本当に楽しかった思い出もたくさんあるんですけど、大変だったり辛い想いをしたこともありました。アイドルという職業はみなさんに元気を与える存在なのに、逆にいつも応援してくださっているみなさんから、いつも励ましてもらっていたところもたくさんあったと思います。ですが、どんな時もどんな私も好きでいてくれて、味方でいてくれたみなさんがいたからこそ、今まで本当に想像もできなかった世界をたくさん見ることができました。今こうして幸せに卒業を迎えられているのは、いつも応援してくださるみなさんのおかげです。これからも末永く、AKB48、そして本田仁美をよろしくお願いします!」と万感の想いを語った。
さらに、韓国語と中国語でもスピーチ。卒業コンサートでは上手く言えなかったという中国語にも成功し「ありがとうございます! もう未練ないです!(笑)」と満面の笑顔を見せた。終始温かいムードに包まれ、涙とたくさんの笑顔で溢れた本田の卒業公演。「ひぃちゃん」の大声援を浴びながら、本田は晴れやかな表情でステージを後にし、12歳から約10年間歩んできたアイドル生活に幕を下ろした。