工場勤務の女性 21歳で貯金でトヨタ86購入、両親「マジっ!?」 中学からの夢「絶対にスポ車に乗りたい!」
女子中学生が抱いた「絶対にスポ車に乗りたい!」という夢。工場勤務で働きながら、コツコツお金を貯めて成し遂げ、理想のカスタムまで仕上げた。リアに取り付けたウイングの後ろ側には「暴走天使」の文字がキラリと輝く。トヨタ86(ZN6前期型)を駆る26歳女性のカーライフに迫った。
両親は「よっぽど乗りたかったんだね。ここまできたんだったら、いいよ」
女子中学生が抱いた「絶対にスポ車に乗りたい!」という夢。工場勤務で働きながら、コツコツお金を貯めて成し遂げ、理想のカスタムまで仕上げた。リアに取り付けたウイングの後ろ側には「暴走天使」の文字がキラリと輝く。トヨタ86(ZN6前期型)を駆る26歳女性のカーライフに迫った。(取材・文=吉原知也)
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チェイサーに乗る父とシルビアに乗る母。両親の影響で、物心ついたときからのクルマ好きだ。中学の頃から「免許を取ったら、スポーツカーに乗る!」と大きな夢を持って過ごしてきた。18歳で就職し、コツコツ貯金。ときには仕事を掛け持ちするなどし、車両購入費用やカスタム費用に充ててきた。
初マイカーは「親から運転が慣れるまでは危ないからと言われて」、Nボックス。そして、頑張って働いて、21歳のときに86を手に入れた。父のチェイサーか母のシルビアのどっちかに乗りたいと思っていたが、「周りの人からパーツがないから大変だよ、と言われて。86だったらパーツが入手しやすくて、故障しても長く乗れるとのことで、86に決めました」。
愛車は両親には言わずに買いに行ったという。そこには勇気を振り絞った物語が。「もしかしたら、ダメって怒られるかもと思って。でも、20歳になったんだから、自分で決めたんだからと、自分に言い聞かせました。ハンコとペンを持って、思い切って買いに行きました!」。帰宅したまな娘から86購入を聞かされた両親はびっくり。「『マジっ!?』って驚いていました(笑)。でも、『よっぽど乗りたかったんだね。ここまできたんだったら、いいよ』と言ってくれました」。情熱が伝わり、両親の“お墨付き”をもらうことができた。
新たな興味が出てきた。「もともとはいじるつもりはなかったんですよ」。購入時点での既存のカスタムは、サイドフィンと車高調の2つだけ。そこからカスタムに魅力されていく。購入店舗の勧めもあって、エアロをがっつり。サーキットマシンのエアロパーツで知られるVARIS(バリス)にぞっこんで、「フロントもリアもウイングもフルVARISにしました。リアバンパーを2022年の冬に仕上げて、完成しました」と、爽やかな笑顔を見せた。
頑張って働いて、ボーナスも貯金して、趣味のクルマに“全振り”の人生を歩む。「実家にパーツが届くたびに、親からは『どれだけ買うの?』と言われちゃってます(笑)」。ツーリングも好きだが、近頃はカーイベントに積極的に参加している。「周りにもっとクルマ好きの友人、クルマ好きの女の子が欲しいなと思います」。これまで大阪や名古屋に行ったことはあるが、もっともっと全国各地の名所や絶景を86愛車と巡り、たくさんの思い出を一緒に作っていきたいという。
自身にとってのクルマとは、「人生ですね。それに父と母から受け継いだ遺伝子です」。86に乗り続けるつもりだが、「ワンチャンあるならば、シビック(EK9型)も気になってます」と、国産スポーツタイプの名モデルに心をときめかせている。
カーイベントに参加するたびに、独自色を放つカーオーナーたちの愛車を見て刺激をもらっている。新たな夢ができた。「オールペン(全塗装)をしたいなって。私の好きな色のピンクに塗りたいです!」と目を輝かせた。