盗難多発“狙われやすい”アルファード、愛好家の怒り 意外な自衛策「スペースを消します」
ガソリンなどの物価高や納車待ちなど、マイカーを巡る悩ましい事情は、なかなか解消しない。2024年も気をもむことになりそうなのが、社会問題化している車両盗難だ。昨年6月に新型が発売されたアルファードとヴェルファイアは人気を集めると同時に、どうしてもターゲットになりやすい。有名女性タレントが昨年10月に愛車アルファードの盗難被害を告白するなど、SNSでも被害報告が相次いでおり、引き続き注意が必要だ。こうした中で、独自色を打ち出すカスタム改造には意外な“盗難防止効果”があるという。オーナーたちのリアルな心境に迫った。
相次ぐ被害に「運もあるのかなというのが正直な思いです」
ガソリンなどの物価高や納車待ちなど、マイカーを巡る悩ましい事情は、なかなか解消しない。2024年も気をもむことになりそうなのが、社会問題化している車両盗難だ。昨年6月に新型が発売されたアルファードとヴェルファイアは人気を集めると同時に、どうしてもターゲットになりやすい。有名女性タレントが昨年10月に愛車アルファードの盗難被害を告白するなど、SNSでも被害報告が相次いでおり、引き続き注意が必要だ。こうした中で、独自色を打ち出すカスタム改造には意外な“盗難防止効果”があるという。オーナーたちのリアルな心境に迫った。
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「大事な愛車を盗む犯罪集団には怒りの気持ちしかないです。でも、いくら対策をしても、そこをかいくぐって狙ってくるので、被害オーナーの方にはかわいそうですが、運もあるのかなというのが正直な思いです」。アルファードの40代オーナーは、複雑な心境を明かす。
この2車種は通称“アルヴェル”と呼ばれ、高級ミニバンの代名詞的存在だ。一般社団法人日本損害保険協会の自動車盗難事故実態調査を見ると、2022年の車両本体盗難数は、ランドクルーザーがワーストの450件、プリウスが282件、3番目にアルファードが184件と続く。ヴェルファイアについても、20年、21年とも8位で不名誉なランクインを記録している。
ヴェルファイアを初めてのマイカーとして買った20代男性は、アルヴェルが狙われる現状について、「怖いですよね。思い出の詰まった愛車を盗まれるのはたまったもんじゃないです。今はそこまで本格的な防犯対策に取り組んでいませんが、なるべく人通りのあるところに駐車するようにしています」と話す。
30系アルファードを主に足回りにカスタムを加えたうえでファミリーカーとして愛用しているオーナーは、ハンドルロックを常備。「外に止めるときは用心しています。出かけた先で、ナビから『盗難多発地域』の情報が入った場合は、人目に付かない場所には止めないようにしたり、念のためハンドルロックをかけておくなど、自分なりに気を付けています」。
一方で、カスタム自体が有効打になるとの見方もある。カスタム愛好家からは、メーカー以外の社外品を取り付けていたり、オーナー個人のセンスで独自改造を加えている車体は、純正仕様に比べると、「狙われにくくなる」という声が上がる。独自色が強いほど犯人側に敬遠されるという考え方だ。
アルファードのカスタムが趣味のオーナーは、車高を自由に調整できるエアサスに注目しているといい、「カスタムカーはそもそもやられにくいのではないでしょうか。それに、エアサスで極端に下げておけば、車体を持っていかれないし、ホイールだけ盗むというのもできないと思っています」と強調する。
近年、車両のバンパーをずらすなどして小型機器を車両の内部配線に接続させ、制御システムに侵入する「CANインベーダー」の新たな手口が登場するなど、車両盗難は対策をしてもしても“いたちごっこ”の状態が続いている。
アルファードのカスタムに情熱を傾ける別の男性は「エアサスで全下げしておけば、ジャッキを底に入れることができないので、かなり有効だと思っています。それに、CANインベーダー対策として、壁に寄せて駐車するようにしています。そうすることで、犯人側が車体に近付くスペースを消すことができるので。できる範囲のことはすべてやっておくようにしています」と教えてくれた。
とはいえ、オーナー個人の防衛策には限界がある。技術革新や捜査・取り締まりの強化など、より一層の社会的な取り組みは待ったなしだ。