唾を吐きかけられた英鉄道職員がコロナ感染で死亡 遺族は会社へ憤り「無防備な状況だった」
ロンドンの鉄道駅で切符売り場に勤務していた女性係員が勤務中に新型コロナウイルスに感染したという男性から唾や咳を吐きかけられる被害に遭った後、感染が発覚して死亡するという痛ましい事件が起きた。容疑者は逮捕されたが、被害女性の夫は「マスクや手袋を支給されなかった。無防備な状況だった」と、会社側に怒りの声を挙げている。英衛星放送「スカイ・ニュース」が報じている。
ムジンガさんは事件後、内勤を希望したが会社側に拒否されていた
ロンドンの鉄道駅で切符売り場に勤務していた女性係員が勤務中に新型コロナウイルスに感染したという男性から唾や咳を吐きかけられる被害に遭った後、感染が発覚して死亡するという痛ましい事件が起きた。容疑者は逮捕されたが、被害女性の夫は「マスクや手袋を支給されなかった。無防備な状況だった」と、会社側に怒りの声を挙げている。英衛星放送「スカイ・ニュース」が報じている。
ビクトリア駅の切符売り場で勤務していたベリー・ムジンガさんは、3月21日(日本時間22日)の勤務中に新型コロナに感染したという男から唾や咳を浴びせられた。
この蛮行から11日後、ムジンガさんはロンドン市内の病院で死亡した。警察当局は57歳の男性容疑者から事情聴取を進めていると報じられているが、遺族は怒りの声を挙げている。
「彼ら(係員)はマスクや手袋も支給されていなかった。誰に対しても無防備な状況だった。彼女の雇用者、会社、国が対応すべき部分だ」
夫のルサンバ・ゴデ・カタライさんはこう憤っていたという。24万人以上の感染者と3万4000人以上の死者を出した英国。3月23日(同24日)にロンドンは感染拡大防止のためにロックダウンとなったが、2日前の時点では会社側はスタッフへの防備用品の供給を怠っており、駅の切符売り場で妻は危険な状況にさらされていたという。
遺族によると、ムジンガさんはこの事件の後、内勤を希望したが、会社側に拒否されたという。
ムジンガさんの同僚の男性は「本当にショック。こんなことが起こるとは想像もできなかった」と衝撃を隠しきれない様子だった。