クロちゃん「僕は親ガチャに成功」 母親に感謝「この親でなかったら今の自分はない」

毎日のようにネットニュースが流れ、今や見ない日のないクロちゃん(安田大サーカス)。俳優・野村周平主演で自身の人生を描いたParaviオリジナル人生ドラマ劇場『クロちゃんずラブ~やっぱり、愛だしん~』が配信スタートするなど、快進撃が止まらないクロちゃんの子ども時代や親への思いについて話を聞いた。

母親への思いを語ったクロちゃん【写真:ENCOUNT編集部】
母親への思いを語ったクロちゃん【写真:ENCOUNT編集部】

彼女・リチとの理想の家族像「子どもは2人くらいがいい」

 毎日のようにネットニュースが流れ、今や見ない日のないクロちゃん(安田大サーカス)。俳優・野村周平主演で自身の人生を描いたParaviオリジナル人生ドラマ劇場『クロちゃんずラブ~やっぱり、愛だしん~』が配信スタートするなど、快進撃が止まらないクロちゃんの子ども時代や親への思いについて話を聞いた。(取材・文=島田将斗)

「僕は親ガチャに成功しましたよね」。そう語るクロちゃんの表情はバラエティー番組やSNSで見せる欲にまみれた姿とは全く違っていた。

 人をギョッとさせるような言動で毎週のようにネットをざわつかせているクロちゃん。番組の企画ではずる賢さも目立っているが、それは子どものころからだった。

「自分が好きなことしかやらない子でした。同級生とけんかして、けんか両成敗になるのが嫌だなと思ったら、自分が学級委員になる。先生に近づけば自分は怒られないと思ったんですよね。立場を上げておけば自分が勝てるって」

 親からのお年玉を現在ももらっている。少し前までは仕送りもしてもらっていた。感謝しなければいけない存在だが、子ども時代には「どう親をだまそう」と考えて生きていた。

「学校のテストが悪かったらテストをちぎって川に捨てたり、塾に行っているふりをして、公園の公衆便所で友達から借りたゲームボーイを2時間やって、家に戻って何食わぬ顔で『塾大変だった~』とか言ってましたよね」

 世間一般から見ると信じられない行動の数々だが、クロちゃんの中にはある信念があった。「自分がやりたいことをやる」という強い意志だ。

「足が強くなりたいと思って裸足で歩いて学校に行っていました。でも塾は親の願望なんですよね。それよりもクリアできないゲームを自分にとってより一層集中できる空間の公衆便所でやっていました。当時は和式だったので、足腰の鍛錬にもなっていたんですよ」

 テレビ番組では、クロちゃんのついたうそはいつもばれている。ばれた上で見せる開き直った表情こそクロちゃんの真骨頂。それは子ども時代も同じだった。

「塾からの電話でばれて怒られるんです。当然、僕は『行ってた』と言い張ります。でも親は信じてくれず『うそつき』って怒るんです。そのときに思ったのが『ごめんなさい』ではなくて絶望だったんですよね。事実はどうあれ、こんなに泣いている子どもを信用しないで塾の先生を信用するんだって」

嘘がばれると開き直るのは小学生のころからだ【写真:ENCOUNT編集部】
嘘がばれると開き直るのは小学生のころからだ【写真:ENCOUNT編集部】

合理的な性格は母譲り

 大人になって「だまそう」は感謝に変わった。今になって中学生時代に部活動の教師から言われた「親に感謝しなさい」が響いている。

「普通なら親がどこかで諦めていたと思います。いろんなことをさせてもらっていたのに続かなかったりとかしていますから、感謝していますよ。この親でなかったら、今みたいになれていないかも」

 現在は止められているというが、仕送りで親とつながっていることはクロちゃんなりの意味があった。

「もらうことが親孝行なんです。親は子に手がかからなくなると亡くなる方が多いみたいなんです。自分は長生きしてほしい。親にまだまだ安心できないよと思わせるためにもらっていたんです」

 考え方に一本の芯が通っている。クロちゃんには忘れられない母の言葉があった。

「小学校くらいまで怒られるときはたたかれていました。でも中学になるときに『あなたをたたかない』と言われたんです。理由を聞くと『もうあなたに負けちゃうから』って。これを聞いてなるほどと思いました。そういうマインドを受け継いでいますね」

 合理的とも言えるクロちゃんの性格。小さいころからいじられている特徴的な“高い声”、自身は長所だと語る。

「小さいころは女の子よりも高かったです。成長期でみんなが声が変わるタイミングで僕はあまり変わらなかった。声が変なのってずっと言われていました。でも僕はアニメが好きだった。昔のアニソンって女性が歌っていることが多かったんですよね。それを歌えるから僕はラッキーと思えてたからマイナスにならなかったんですよね。何かを長所か短所にするは自分の思い方次第だって感じています」

 番組でできた彼女・リチと順風満帆な生活を送っている。理想の家族像についてもこう話す。

「僕は一軒家に住みたいですよね。マンションに住みたいってリチは言ってたりするけど、庭があるような場所がいい。子どもは2人くらいがいいですかね。子だくさんがいいなって思ったんですけど養育費が大変だなと思い始めて……。少し前までは“神セブン”みたいな感じで7人くらい作りたいなと思っていました。女の子だったらアイドルにしたいし、男の子だったら体を鍛えさせて僕を守れるように育てたいです」

「親孝行してくれてありがとうって最近言われるんです」と穏やかに笑う。世間から見ると、親のすねかじりな一面も、実は親を思っての行動だと開き直っていた。

次のページへ (2/2) 【写真】母とクロちゃんの幼少期ショット
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