全敗に終わったRIZIN勢、ベラトール側はどう見た? 「正直、もっと簡単に倒せると」

格闘技イベント「湘南美容クリニック presents RIZIN.40」(ABEMA PPVで全試合を完全生中継)が大みそかにさいたまスーパーアリーナで開催された。米団体「Bellator」との対抗戦5試合が行われたが、RIZIN勢の5戦全敗。この結果に両軍の選手たちは何を感じたのか。

扇久保博正、榊原信行CEO、キム・スーチョル、武田光司(左から)【写真:山口比佐夫】
扇久保博正、榊原信行CEO、キム・スーチョル、武田光司(左から)【写真:山口比佐夫】

コーカー代表「RIZINはこの5、6年で成長してきている。ただ…」

 格闘技イベント「湘南美容クリニック presents RIZIN.40」(ABEMA PPVで全試合を完全生中継)が大みそかにさいたまスーパーアリーナで開催された。米団体「Bellator」との対抗戦5試合が行われたが、RIZIN勢の5戦全敗。この結果に両軍の選手たちは何を感じたのか。

 ブックメーカーのオッズでも見ても、戦前からRIZIN勢はアンダードッグの評価だった。それでも先鋒の武田光司はガジ・ラバダノフ(ロシア)と好勝負を演じ、次鋒のキム・スーチョルがフアン・アーチュレッタ(米国)を追い詰めた。

 中堅の扇久保博正、副将のクレベル・コイケもそれぞれ前評判を覆す善戦だった。大将戦のホベルト・サトシ・ソウザも、AJ・マッキー(米国)に冷や汗をかかせた。全5試合が判定にもつれる熱戦。しかし結果は全敗となった。

 差は無いようで確かにあった。扇久保を寄せ付けなかった堀口は日本人として「複雑な気持ちです」と苦笑いしつつも、日本と海外との差を問われると「技術的なものは日本が遅れていた。そう感じていたので自分は海外に渡った。世界に出た方がいいんじゃないかなと自分は感じます」と端的に答えた。

 Bellatorのスコット・コーカー代表も「RIZINはこの5、6年で成長してきている。ただベラトールの選手もこの5、6年で最高レベルに達している。選手層が結果に出ている」とRIZINを評価しつつも、胸を張った。

 クレベルを破ったパトリシオ・ピットブル(ブラジル)は相手について、「正直もっと簡単に倒せると思っていた」と率直なコメント。一方のクレベルは差を感じた点について、「信じること。彼の方が自分よりも信じていた。彼はもちろん強い選手。彼との差は信じる気持ちだった」と肩を落とした。

 それでもクレベルは全敗という結果に触れつつ、「私の見方では武田選手、スーチョル選手も勝っていた。サトシ選手も2、3R目は有利だった。とてもいい試合を見せられたと思う」と前を向いた。

 大将戦でマッキーと渡り合ったサトシは「打撃が重い」と脱帽しながらも、「もっと練習したら、強くなる。絶対に勝つことができる。差はギリギリです」とさらなるトレーニングを積めばという手応えも口にした。

 総括会見で榊原CEOは「対抗戦に関してはこの場を借りておわびしたい。5連勝しますと言いましたが、ひっくり返されまして5連敗」と悔しさをにじませながら、「現状のポジションがここだと。同じウエートでも、フィジカルの差をサトシの試合もクレベルの試合も、そこの差かなという気がするくらい」とフィジカルの差を痛感していた。

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