28歳男性、愛車のローンで1日1食の節約生活 ガソリン高騰「生活が厳し過ぎて」
小学生の時に見た、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に魅了され、24歳で手に入れたのは、「デロリアン」。マツダ・アクセラとの2台持ちで、カーライフにどっぷり…。会社員のハオくん(28)だ。夢を買い、満喫しながらも、我慢の節約生活を送っているという。
「今年の冬もコミケにいますよ!」 デロリアンを紹介する同人誌を手がける
小学生の時に見た、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に魅了され、24歳で手に入れたのは、「デロリアン」。マツダ・アクセラとの2台持ちで、カーライフにどっぷり…。会社員のハオくん(28)だ。夢を買い、満喫しながらも、我慢の節約生活を送っているという。
25歳人気女優のクルマ愛…免許はマニュアル取得、愛車はSUV(JAF Mate Onlineへ)
ハリウッドの名作「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズを見た時は衝撃だった。「テレビ放送だったのですが、『こんなにかっこいいクルマがあるんだ』って。親もこの映画が好きで。当時から、いつかは欲しいと思っていたんです」。20歳で免許を取得。生活の足として車が必要だったため、21歳で最初に買ったのは、アクセラ。現在も乗っている。
子どもの頃の夢を実現させたのは、3年前。1981年式・中期型の「DMC-12」を手に入れた。デロリアン好きの間で有名な埼玉県内の車販売店で売りに出されていた1台だった。
個性派のデロリアン、旧車オーナーになることで、人生が「だいぶ変わりました」。全国で約200人の会員を持つ「デロリアンオーナーズクラブ」に入り、デロリアンに長く乗るオーナー仲間と交流したり、旧車イベントでベテラン愛好家と接する中で、幅広い世代の人と話すことが、1つの人生勉強になっているという。
ド派手な存在感を放つデロリアンの“あるある”も日々実感。「追い越していった車が戻ってきて写真を撮られたり、パーキングに入ると横に駐車されて『すいません、撮っていいですか?』と聞かれたり」。それに、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」イベントにも“出演”。今年11月に千葉県内で行われた野外上映会に、愛車を展示車両として提供した。それに、「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のコンサートがあって、お客さんとして普通にデロリアンで行って駐車場に止めたら、『今日、展示があるんですか?』と聞かれました(笑)」
“若者の車離れ”が指摘されている。まさに当事者だ。どう感じているのか。
「よく、『車はただの移動手段』と言われますが、カスタムでいじる趣味があったり、走らせる趣味もあったり、楽しみ方はいろいろあります。今は『利便性を最優先』みたいな車ばかりで、そう考えると、確かに面白味がだんだん減ってくるのかなとも思っています。利便性よりも、やっぱり面白いところ。自分はそこを楽しんでいきたいですね」
実は「アニメオタク」でもあり、これまた独自の活動を展開。「コミックマーケットにブースを出展していて、写真と文章でデロリアンを紹介する同人誌を出しているんですよ。毎回30部刷って売り切れになっています。今年の冬もコミケにいますよ!」。
充実のカーライフ。その裏には、涙ぐましい努力がある。
「7年ローンの支払いがあるので、生活が厳し過ぎて(笑)。昼ご飯抜きはデフォルト(初期設定)です。もともと朝はあまり食べなくて、夜ご飯しか食べてないですね。職場の人にも、『痩せた?』って聞かれるぐらいで(笑)」
切り詰める節約生活。少なからず趣味の犠牲も払っている。
「アニメに関しても、グッズやブルーレイDVDの支出を減らしているんです。いや、払えなくて(笑)」
ガソリン高騰化のダブルパンチ、トリプルパンチも受けている。「アクセラは貧乏ランプを点灯させながら、ギリギリの給油で過ごしています。でも、デロリアンは満タンにしておかないと他のところが壊れてしまうので、常にフルで給油しています。デロリアンをしっかり維持することが大事なので」。苦しい中でも、“デロリアン・ファースト”を貫く。
若い今、歯を食いしばって頑張って払い切る――。柔和で気さくなハオくんは、並々ならぬ決意を秘めているのだ。
「とにかく走らせることです。僕は旧車を観賞用として置いておくのではなく、走らせることが大事だと思っているんです。何十年も乗っているオーナーの皆さんを見てきているので、自分も同じように、ずっと整備を続けて大切に乗っていきたいです。いけるところまでいって、一生乗っていきたいですね」
爽やかな笑顔で熱い思いを語ってくれた。