「トヨタ社員も存在知らなかった」幻の1台を再現…世界の伝説的レースカー集結した博物館
モータースポーツの約130年の歴史をたどり、名車を見学することができる「富士モータースポーツミュージアム」(静岡県小山町)が10月7日にオープンする。国内外自動車メーカー10社の連携による常設展示は、モータースポーツミュージアムとしては世界初の試みといい、貴重な車両や伝説的なレース車両約40台が集結。メディア内覧会を通して、“体験潜入”した。
国内外自動車メーカー10社の連携による常設展示 10月7日にオープンの「富士モータースポーツミュージアム」
モータースポーツの約130年の歴史をたどり、名車を見学することができる「富士モータースポーツミュージアム」(静岡県小山町)が10月7日にオープンする。国内外自動車メーカー10社の連携による常設展示は、モータースポーツミュージアムとしては世界初の試みといい、貴重な車両や伝説的なレース車両約40台が集結。メディア内覧会を通して、“体験潜入”した。
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富士スピードウェイに隣接し、新たに開館する「富士スピードウェイホテル」の1、2階に併設。「モータースポーツの魅力と意義を伝える」をコンセプトに、モータースポーツの歴史を体系的に紹介し、量産車メーカーの創業者がモータースポーツ車両開発にかけた熱い思いも展示内容に盛り込んでいる。
展示車両の協力企業は、国内:株式会社SUBARU、日産自動車株式会社、日野自動車株式会社、本田技研工業株式会社、マツダ株式会社、三菱自動車工業株式会社、ヤマハ発動機株式会社、ムーンクラフト株式会社、株式会社エッチ・ケー・エス。海外:The Henry Ford、Mercedes-Benz AG、Porsche AG。トヨタ博物館が監修を務めている。
まず、ミュージアムとホテルの共用空間には、トヨタ7のオブジェが飾られており、来場者を小粋にお出迎えしてくれる。部品をバラして3D技術を駆使して複製しており、エンジンとミッション、50年前のタイヤも本物という。展示はモータースポーツ黎明期の説明からスタート。銀色のロケットのようなメルセデス・ベンツW25(レプリカ)は、1934年のグランプリ制覇の名車で最高時速270キロだというから驚きだ。
「アジアのモータースポーツ」のコーナーには、激レアの「トヨタ・トヨペットレーサー」(レプリカ)の姿が。1951年に大阪トヨタ自動車(1号車)と愛知トヨタ自動車(2号車)によって2台が製造されたが、現存していない幻のレースカー。今回初めての公開だ。担当者によると、「トヨタの社員もその存在を知らなかったんです」という。当時の写真や資料を基に、当時の手法を使って、2号車の復元が実現した。
また、豊富なレースカーのコレクションも豊富で目玉だ、トヨタ7とニッサンR382の2ショットも見ることができる。ラレーレースでは、日産バイオレットや三菱ランサー 1600GSR、SUBARU インプレッサ555などが存在感を放つ。さらに、1991年のル・マン24時間耐久レースでマツダが日本メーカーとして初めて総合優勝を果たした787Bのレプリカも。なんと、マツダから音源を借りた「ロータリーエンジン音」が聴ける、ファン垂涎の仕掛けも施されている。日本発のドリフト競技についてもしっかり紹介している。
まだまだ終わらない。ポルシェ904 カレラGTSは、水平対向8気筒エンジン搭載で、日本初展示だ。F1コーナーでは、トヨタTF109の姿が。ホンダNSX-Rもクールなオーラを放っていた。最後は、変革期を迎えたと言われるモビリティー社会、これからのモータースポーツの役割についてパネル展示でメッセージを発信している。
主な展示車両は以下の通り。
○パンァー・エ・ルバッソール Type B2:仏 1899年 FR方式を最初に採用した近代自動車の祖
○フォード999:米 1902年 ヘンリー・フォードが製作したレーシングカー※
○日野コンテッサ:日 1963年 第1回日本グランプリ
○ホンダ RA272:日 1965年 メキシコ・グランプリ優勝※
○ニッサン R382:日 1969年日本グランプリ 1、2、10位入賞(展示車は10位入賞車両)
○トヨタ7:日 1969年 日本カンナム優勝車両
○Foot Work ムーンクラフト スペシャル 7 / マーチ 85J・ヤマハ:日 1987年 富士グランチャンピオンレース出場車両
○オールアメリカンレーサーズ イーグル マークIII / トヨタ:米 1993年 IMSA GTPシリーズ チャンプカー
※はレプリカ