さだまさし、新顕彰を創設の理由 無名の人の頑張り「知らしめたい」、副賞は200万円

来年デビュー50周年を迎えるシンガー・ソングライターのさだまさしが28日、都内で会見し、新たな顕彰「風に立つライオン・オブ・ザ・イヤー」を創設することを発表した。

さだまさし(左)と古竹孝一理事長【写真:ENCOUNT編集部】
さだまさし(左)と古竹孝一理事長【写真:ENCOUNT編集部】

「副賞の200万円は中途半端な額」と謙遜「いずれ大きな賞に育てたい」

 来年デビュー50周年を迎えるシンガー・ソングライターのさだまさしが28日、都内で会見し、新たな顕彰「風に立つライオン・オブ・ザ・イヤー」を創設することを発表した。

 さだが2015年8月10日に一般財団法人として設立した公益財団法人「風に立つライオン基金」(古竹孝一理事長。公益社団法人認定は17年7月13日)が主催する顕彰で、日本国内外で命や平和を守るために支援活動や奉仕活動を実施している個人・団体を対象に毎年実施。「柴田紘一郎賞」(国外対象、副賞200万円)、「鎌田實賞」(国内対象、副賞200万円)を各1件、5件程度の奨励賞(副賞10万円)を選考する。22年10月に公募を開始し、23年8月に第1回の結果を発表する予定だが、選考委員態勢などはこれから決めて行くという。

 ヒット曲「風に立つライオン」が映画化された際に初めてケニアを訪ね、日本人医師が運営費用の捻出に苦しんでいる話を耳にしたというさだは、「年間に2千万円、3千万円となると我々の手に負えないが、(発展)途上国においては100万円、200万円あれば半年、1年維持できるんだと聞くと、我々がご寄付を募り、そちらに役立ててもらえると考えました」と経緯を説明。「お医者さん、教育者、世間的に知られていない現場の人たちのために必死で頑張っている、そういう人をもっと知らしめたい。ささやかだけど資金的な援助ができれば、とずっと思っていた」と、念願の創設に笑顔を見せた。

 副賞200万円については「中途半端な額となっていますが、まだ500万円を渡せる体力はないぞと、冷静な理事からの発案で、当初200万円でスタートさせていただきます」と身の丈にあった拠出と説明。「いずれもっと大きな賞に育てていく。みんなが元気になれば、というのが我々の活動の根幹なのかなと思います」と、長期に渡る顕彰を誓った。

 同基金はこれまで、高校生のボランティア団体を表彰する顕彰事業「高校生ボランティア・アワード」を創設し、軌道に乗せたという実績を持つ。「顕彰事業は、財団の柱。高校生とつながることで、財団のバトンを未来に渡していきたい。彼らとつながることで未来に続くことを祈る思いでやっています」とさだは将来を見据え、すそ野の広がりに一役買って来た矜持を見せる。

 顕彰事業をさらに発展させる今回の試みに、自薦他薦を問わず、多くの団体や個人が関心を持つことを、さだは願う。「私たちの情報の収集能力はそんなに広くありませんので、うちの村ではこんな人が頑張っているということは私たちの耳に届かない。自薦他薦、で私たちにこんなすごい人がいるんだ、ということを教えてほしいと思います」と期待。特に日本国内の活動状況については「地方紙の記者のみなさんに情報を教えていただきたい」と呼びかけた。

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