格闘技イベント「The Battle Cats presents 超RIZIN」（9月25日・さいたまスーパーアリーナ＝ABEMAで全試合完全生中継）第4試合、RIZINスタンディングバウトルール：3分×3R

　メインイベントでは“路上の伝説”朝倉未来（トライフォース赤坂）が“マネー”フロイド・メイウェザー（米国）に2R・KOで敗れた。ボクシングで50戦全勝、史上初めて無敗のまま5階級制覇を成し遂げたレジェンドを相手に奇跡を起こすことはできなかった。

　戦前の予想はメイウェザーが圧倒的だった。「勝てるわけない」「究極のミスマッチ」――。そんな声に未来は「パンチはオレの方がある。もらいながらでも顔面に一発入れたい」とコメントしていた。

　1Rは静かな立ち上がり。メイウェザーはおなじみのL字ガードで様子をみているようだ。世界最高峰のディフェンスを誇るメイウェザーに未来のボディーストレートが入る。フェイントを織り交ぜながら、距離を探る。さらに左フックを当てる。メイウェザーも本気にさせたか。ガードをあげる。朝倉がコンビネーション。クリーンヒットはしないが、攻勢に出る。ゴングが終わると「どうだ！」と言わんばかりのニヤリと笑みを浮かべた。

　そして第2R、メイウェザーはガードを高く上げる。未来は被弾しながらも、強引に前に出る。相手を押さえつけながら、右フックをふるう。もらいながらも下がらず、同時に手を出す。強烈なボディーも被弾。メイウェザーのプレッシャーにじわりとさがりながらも、ジャブで応戦。右のストレートを被弾する。そして前にでて右をクリーンヒットさせる。ジャブが当たる。メイウェザーからも思わず笑みがこぼれる。未来がロープ際に追いつめるも、脱出された。最後は終了間際にカウンター気味の右を被弾し、ダウン。そのままレフェリーが試合をストップした。

　未来は愛知・豊橋で“路上の伝説”として名をはせ、少年院に入った過去もある。THE OUTSIDERで実績を積み、2018年8月にRIZIN初参戦。10勝2敗の戦績を残していた。ボクシングは初挑戦だった。

　現在は格闘家としてだけでなく、実業家、YouTuberとしてもカリスマ的な人気を誇る。年収は30億円とも明かしている。

　メイウェザーはプロボクシングで50戦無敗。無敗で5階級制覇を成し遂げた。世界一稼ぐアスリートとしても知られ“マネー”（金の亡者）の異名も取った。2017年のプロボクシング引退後もエキシビションのリングに上がり、18年には那須川天心を1R2分19秒で秒殺。21年にはカリスマYouTuberのローガン・ポール（米国）、今年5月にはドン・ムーア（米国）と対戦。決着はつかずドローだったが圧倒。1996年のプロデビュー以降、26年間一度も負けていない。