女優の筧美和子が15日、都内で行われた映画「向田理髪店」（10月14日公開）の完成披露上映会に出席した。本作で、12月の真冬にノースリーブ、さらに大雨に打たれる撮影に挑んだ筧。撮影後はお味噌汁が振る舞われ、「すっごく美味しかった。あれは染みました」と過酷な現場を回想した。

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「向田理髪店」は奥田英朗氏による同名小説が原作。寂れた元炭鉱町にある理髪店の親子を軸に、過疎化、少子高齢化、介護、結婚難などさまざまな問題に直面しながらも懸命に生きる人々の姿を描く。理髪店の店主・向田康彦を演じた高橋克実は、本作で映画初主演を飾った。

　スナックのママ役の筧は、注目してほしいシーンを「私と高橋さんが歌うところ」と紹介した。「高橋さんがびっくりするくらい、いい歌声なんです。本当に上手だった。哀愁が漂っていて、世の中のお父さんの裏側を見られたような。個人的にぐっとくるシーン」と語った。

　康彦の息子を演じた白洲迅は、高橋と母役・富田靖子との撮影について聞かれると、「2人とは初共演だったので緊張していた。でも撮影に入ったら『これは大丈夫だ』と思わせてくれるくらい、親父とかーちゃんでいてくれた。心の底から感謝している」と思いを伝えた。すると高橋が「なんか、髪の毛を遊ばせているね？」と白洲のきれいに整えたヘアスタイルをじっと見つめ「僕なんか遊ばせられないから……」とポツリ。白洲は「ツッコみづらい（笑）」と苦笑いだった。

　そのほか、富田、白洲迅、HKT48の矢吹奈子、運上弘菜、メガホンをとった森岡利行監督も参加した。