プロレス界の兄弟タッグは人気者ぞろい シャープ兄弟から初陣の斉藤兄弟まで振り返る

全日本プロレスで双子の斉藤兄弟がデビュー戦(6・9後楽園ホール)に臨んだ。大相撲出身のジュンとレイの2人は190センチを超える大型で、いかにも全日本プロレスという雰囲気。敗れはしたものの、ダブルタックルを決めるなど、息の合った合体プレーも見せた。

ファンクスは日本のファンを熱狂させた【写真:柴田惣一】
ファンクスは日本のファンを熱狂させた【写真:柴田惣一】

190センチを超える大型兄弟タッグ・斉藤兄弟がデビュー

 全日本プロレスで双子の斉藤兄弟がデビュー戦(6・9後楽園ホール)に臨んだ。大相撲出身のジュンとレイの2人は190センチを超える大型で、いかにも全日本プロレスという雰囲気。敗れはしたものの、ダブルタックルを決めるなど、息の合った合体プレーも見せた。

 プロレス界には「タッグ屋」と言われる名コンビが数多く存在するが「血は水よりも濃い」という。実の兄弟タッグのコンビネーションプレーには、なかなかかなわない。

 日本プロレス黎明(れいめい)期には、ベンとマイクのシャープ兄弟が、力道山ら日本陣営と激しい攻防を展開。敗戦国日本の外国人に対するコンプレックスの象徴として、大いに悪党人気を集めた。強烈なインパクトを残したため「飛行機を作ったのは何兄弟でしょう?」という小学校のテストに、プロレスファンのちびっこが「シャープ兄弟」と答え、先生に大目玉を喰らったという都市伝説が語り継がれている。

 ビリーとペニーのマクガイヤー兄弟もいた。巨漢の双子で2人合わせて666キロと紹介されていた。猪木とも対戦したが、山本小鉄と星野勘太郎のヤマハブラザーズとの体重差500キロ近い対決も話題を呼んだ。入場に時間がかかり過ぎたため、スクーターに巨体でまたがり登場するユーモラスなシーンでも注目される。2人は本当に仲が良く「お母さんのお腹の中にいた時から今まで、離れたことはないんだ」と、いつも一緒に行動していた。

 互いを気遣い、自分の身をかけて守るなど、兄弟愛を前面に押し出したファイトで、外国人兄弟タッグは、日本人にウケ、日本陣営に組み込まれることも多々ある。

 ドリーとテリーのザ・ファンクスはブッチャーとシークの悪漢コンビに血だるまにされながらも、反撃することで一大ブームを巻き起こした。特に女子中高生から絶大な支持を得て、チアリーダーが率いる応援団がいくつもできていた。

 ミル・マスカラスとドス・カラスのマスカラス兄弟も、華麗なルチャ殺法を披露して喝采を浴びた。こちらは男子のファンも多く、ファンクスVSマスカラス兄弟の人気者決戦は、会場全体を揺るがしている。

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