競輪とプロレスの二刀流レスラーが大暴れ 鍛えた62センチ太もも生かしたパワー【連載vol.37】

競輪との「二刀流」SHINGOが行く! プロレスリングHEAT-UP(ヒートアップ)に楽しみな逸材レスラーが誕生。公営ギャンブルの現役選手が、昨年12・7川崎・新百合ヶ丘大会でプロレスラーとしてデビューした。

同期の今井礼夢(左)とスパーリングするSHINGO(中央)。右は鈴木心コーチ【撮影:柴田惣一】
同期の今井礼夢(左)とスパーリングするSHINGO(中央)。右は鈴木心コーチ【撮影:柴田惣一】

毎週金曜午後8時更新「柴田惣一のプロレスワンダーランド」

 競輪との「二刀流」SHINGOが行く! プロレスリングHEAT-UP(ヒートアップ)に楽しみな逸材レスラーが誕生。公営ギャンブルの現役選手が、昨年12・7川崎・新百合ヶ丘大会でプロレスラーとしてデビューした。

 競輪に年間約100日集中するSHINGOは、これまでに9試合をファイト。183センチの長身、競輪選手らしく太もも62センチの脚力、学生時代に打ち込んだバスケットボールで鍛え上げたジャンプ力、瞬発力……。持ち前のポテンシャルを生かして、頭角を現している。

 2010年7月にデビューした競輪では通算150勝以上をマーク。S級でも活躍した。「10年やって、やり切った感もある」と、新たなチャレンジに踏み出した決意を明かす。

 実は小さい頃からのプロレスファン。「中1まで体が小さくて、ライガーさんらジュニア戦士に憧れていた」と振り返る。体も大きくなり、テレビや会場で観戦を続けた。

 神奈川大学の先輩、蝶野正洋にも憧れている。競輪場でのトークイベントで、共演したときは夢心地だった。「ファイトだけでなくトークもお上手。ますますファンになった」と顔を上気させる。

 競輪も格闘技。ゴール前のコース取りでは「エルボー、タックル、ヘッドバット……ガンガンやり合っています。僕も弾き飛ばされたことがある」と悔しそうだ。ハイスピードで走行する自転車に乗りながら技を繰り出すとは、何という動体視力とバランス感覚なのか。驚くばかり。

「おっ、プロレスラーが頑張っているぞ。競輪でもヒートアップしろよ!」と、競輪場で声をかけられることも増えた今では、パワー負けするわけにはいかない。

 競輪でもプロレスでもパワーアップは不可欠。練習、トレーニングでは相乗効果を生み出している。アルゼンチン・バックブリーカーを得意技としているが「支える下半身には、少しだけ自信があります」と、62センチの太ももをさすった。

 同期は今井礼夢。今井絵理子議員の息子にして障害を抱えながらも頑張るレスラーとの同日デビューだったが、世間の注目度では完敗だった。「彼は本当に頑張っている。僕も負けられない。でもまだ、6人の所属選手の中で僕は6番目」と唇をかみしめる。

 だが、新人として先輩レスラーのアドバイスには素直に耳を傾ける真摯な姿勢、何でも吸収してやろうという意欲は目を見張るものがある。

 競輪パワーに長身を生かした新たな技を開発している。まだまだ試作段階だが、技の名前だけはすでに決まっている。「23番」。これは競輪学校での呼び名だった。「名前なんて、とんでもない。番号で呼ばれるのみ。今でも、病院や銀行などの窓口で『23番』と聞くと、思わず『ハイ』って答えてしまう」と苦笑いだ。

 競輪とプロレスの両立は、文化や風習の違い、スケジュール調整など、厳しい面もあるはずだが「世間の皆さんに知ってもらいたい。僕は目立ちたがり屋かも知れない。2つの舞台をいただけて最高。他の選手と違う経歴で自分を表現して行きたい」と笑い飛ばす。

 バンクとリング。楕円形と四角い2つのジャングルで暴れまわる二刀流の逸材は、将来性抜群。明るく楽しく、しかも礼儀正しく人間味もある。SHINGOに今から注目しておいたほうが良さそうだ。

次のページへ (2/2) 【写真】「ステーキハウス・ミスターデンジャー」自慢のハンバーグに食らいつくSHINGOのショット
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