東出昌大「どう生きていくかを考える機会に…」 ボクサー役で新境地、8か月に及ぶ肉体改造も

俳優の東出昌大が映画「BLUE/ブルー」(4月9日公開、吉田恵輔監督)でボクサー役に挑戦した。同作は成功が約束されていなくとも、努力を尽くす3人のボクサーの熱い生き様を描く。東出は日本チャンピオンを目前にしながら、パンチドランカーになってしまう難役。東出が8か月に及んだ肉体改造の舞台ウラ、主演・松山ケンイチらとの共演秘話を明かした。

インタビューに応じた東出昌大【写真:ENCOUNT編集部】
インタビューに応じた東出昌大【写真:ENCOUNT編集部】

松ケン主演の映画「BLUE/ブルー」でボクサー役「体作りをする過酷さがあった」

 俳優の東出昌大が映画「BLUE/ブルー」(4月9日公開、吉田恵輔監督)でボクサー役に挑戦した。同作は成功が約束されていなくとも、努力を尽くす3人のボクサーの熱い生き様を描く。東出は日本チャンピオンを目前にしながら、パンチドランカーになってしまう難役。東出が8か月に及んだ肉体改造の舞台ウラ、主演・松山ケンイチらとの共演秘話を明かした。(取材・文=平辻哲也)

「最初、ボクシングに詳しくなかったので、非常に暗い映画になってしまうんじゃないかと思っていましたが、杞憂でしたね」。東出の役は、持って生まれた才能でチャンピオン目前にした小川役。情熱に反して、まったく勝てない主人公・瓜田(松山ケンイチ)の後輩で、彼とは対照的な人物だ。しかも、婚約者・千佳(木村文乃)は瓜田の初恋の相手という因縁も。しかし、順調だった小川にも、やがて脳の障害が現れ、関係性にも変化し始める……。

 役作りでは、自身の共通点を見いだすものか。「共通点をよすがにしていくと、それが中心になってしまいます。俯瞰で考えて、いろいろな引き出しで合致するものがあれば、そうします。なかったら、人から持ってきたり、情報を仕入れて、厚みを持たせています。今回は一つには体作りをする過酷さがありました。それに伴うリスクを感じたり、その精神性を学んだりしました。ボクシング業界の人から見聞きしたりして、肉付けをしていきました」

 ボクサー役は嘘が通用しない難役だ。裸の全身を見せるので、肉体改造は欠かせない。監督は「ヒメアノ~ル」などで知られ、ボクシング歴30年の吉田監督。「監督はボクシングに対する尊敬の念が強い。『試合相手には元日本チャンピオンと現日本チャンピオンを連れてくる』って。でも、ガチの人が目の前にいたら、見劣りするに決まってるじゃないですか。肉をつけて、トレーニングしないといけないと思いました。見栄えのために、ボクシングに直接必要のない筋肉のトレーニングもしましたし、技術向上のためにボクシングもしました。8か月くらいですかね」

 トレーナーを務めたのは、安藤サクラ主演の「百円の恋」、菅田将暉主演の「あゝ、荒野」、森山未來主演の「アンダードッグ」などで殺陣を担当し、本作では対戦相手の比嘉役を演じた俳優・松浦慎一郎だ。「松浦さんが役作りの7割になってくれました。トレーニングって、きついんですけれども、いいあんばいで褒めてくれるし、いいあんばいで追い込んでくれる。人を指導するのがうまいんです。僕は残りの2割。後の1割はマネジャーさんと監督とスタッフさんが作ってくれたように思えます」と謙虚に振り返る。

次のページへ (2/4) パンチドランカーの描写も「テクニカルなものが必要な役でした」
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