東出昌大「どう生きていくかを考える機会に…」 ボクサー役で新境地、8か月に及ぶ肉体改造も

映画「BLUE/ブルー」【写真:(C)2021「BLUE/ブルー」製作委員会】
映画「BLUE/ブルー」【写真:(C)2021「BLUE/ブルー」製作委員会】

パンチドランカーの描写も「テクニカルなものが必要な役でした」

 東出は「聖の青春」で羽生善治役、「スパイの妻」でエリート軍人を演じており、才能を生まれ持った人物は得意の一つ。「小川には持って生まれた才能はあったとは思いますけども、それでも、上には世界チャンピオンがいるので、才能が特段、豊かだと思っている人物ではなかったように思います。それに、ストレートにお芝居をすることもあるんですが、パンチドランカーの描写もあって、テクニカルなものが必要な役でした」

 主演の松山、好きな女性を振り向かせたいとボクシングを始めた新人・楢崎役の柄本時生とは「聖の青春」に続く共演。「あの時は監督の演出もあって、(松山とは)現場でお話しできなかったんです。ただ、敬愛する先輩であることには変わりがなく、いつかまた松山さんとご一緒したいってずっと思っていたので、ご一緒できてうれしかったです」と話す。

「ボクサー役は難役」とちゅうちょしていた松山の背中を押したのも東出だった。「フジテレビの廊下でお会いして、『やるの』『やらないの』って話しをしたんです。『もし秋から撮影スタートするなら、松山さんいつぐらいからボクシングを作りますか』と聞いたら、『春かな』と答えたので、半年くらい前なら、僕もスケジュール的にいけるかなと思ったんです。それが撮影の3年くらい前の話です。で、撮影が再来年くらいという時に、高良健吾とご飯を食べたんです。そしたら、高良が『松山さんは最近、ボクシングやってるみたいよ』っていうんですよ。嘘? 撮影の半年前からやると言っていたのに、2年前からボクシングやっているの? と思って、悔しいから食らいついてやろうと思いました」と笑う。

 柄本については「お芝居の流鏑馬」と評す。「お芝居の肝の中心点をとらえて射抜いているんです。(楢崎役は)コメディリリーフな部分があるし、ものすごい技術が必要な役だと思いますが、面白いし、嫌味も全くない。こんな人、いるいるって思いましたね。それでいて、おばあさんとのお芝居はストレートプレー。試写ではそのシーンで号泣してしまった。技術もすごいし、感情のストレートも素晴らしい」。ボクサーを演じた俳優たちは、同じ松浦から習っていたこともあって 、男の世界ができあがっていたという。

 そんな中、紅一点の婚約者役の木村はどうだったのか。「前にもご一緒したんですけども、非常に瞬発力がある方です。劇中、昼間から情事に突入しようかみたいなシーンがあるんですが、『ナチュラルに』と言いながら、ネックレスを外していくんです。その生活感がすごい素敵でした。そういう部分は全部、役者が作っていくんです。多分、この役は何かを試行されながら、現場にいらっしゃったんじゃないかなと思いますね」

次のページへ (3/4) いろいろなボクサー、トレーナーとの出会い「貧乏を苦としない生き方もあるんだ」
1 2 3 4
あなたの“気になる”を教えてください