【プロレスこの一年 ♯21】北斗晶が優勝した伝説の「導夢超女大戦」ライガーの呼びかけで実現「SUPER J-CUP」1994年のプロレス

元女子プロレスラーでタレントの北斗晶が起ち上げた女子プロレス共闘組織「Assemble(アッセンブル)」は、新型コロナウイルス感染拡大によって興行に大きな打撃を被った女子プロ界を救済しようとする、団体の垣根を越えたイベントだ。10月1日に続く第2回大会が本稿掲載前日の11月20日に東京・上野恩賜公園野外ステージにて開催。11月20日とは、いまから26年前、全日本女子プロレスが東京ドームに初進出した記念すべき日でもある。

「V☆TOPウーマントーナメント」(94年11月) アジャ・コングを破り優勝した北斗晶【写真:平工 幸雄】
「V☆TOPウーマントーナメント」(94年11月) アジャ・コングを破り優勝した北斗晶【写真:平工 幸雄】

1994年(平成6年) 全22試合10時間を超える大会となった「導夢超女大戦」

 元女子プロレスラーでタレントの北斗晶が起ち上げた女子プロレス共闘組織「Assemble(アッセンブル)」は、新型コロナウイルス感染拡大によって興行に大きな打撃を被った女子プロ界を救済しようとする、団体の垣根を越えたイベントだ。10月1日に続く第2回大会が本稿掲載前日の11月20日に東京・上野恩賜公園野外ステージにて開催。11月20日とは、いまから26年前、全日本女子プロレスが東京ドームに初進出した記念すべき日でもある。

「導夢超女大戦」と銘打たれたこの大会では全22試合が組まれ、イベント時間が10時間を超えるという前代未聞の超ロングラン興行となった。まさに“伝説の一日”と言えるこの日、主役を張ったのは引退騒動に揺れる北斗晶その人だった。北斗は「V☆TOPウーマントーナメント」でアジャ・コングを破り優勝、文字通り女子プロレスラーのトップに立った。その後、北斗は正式に引退を撤回することとなる。また、同大会ではブル中野がアランドラ・ブレイズ(メドゥーサ)を破り、日本人として初めてWWF世界女子王座を獲得した。この大会こそ、前年に大爆発した女子プロ対抗戦時代のクライマックスだったと言えるだろう。では、全女がドームで試合を行った1994年とは、プロレス界にとってどんな一年だったのか。

 女子プロではドーム進出前、各団体がビッグマッチを実現させた。5月22日、JWPが女子プロ団体としては初めてとなる有明コロシアム大会を開催。JWP同様、ジャパン女子から分裂したLLPWは7月14日、東京体育館でビッグマッチを行い、神取忍VSブル中野のチェーンデスマッチが話題を呼んだ。8月25日にはクラッシュギャルズで一世を風靡した長与千種がプロレス界に復帰。「GAEA JAPAN」の起ち上げを発表し、翌年4月の旗揚げ戦で脅威の新人たちをデビューさせることとなる。

 対抗戦時代の背景となったのは女子団体の細分化。男子も同じ傾向で、多団体時代により拍車がかかったのがこの年の傾向だった。とくにインディーとされる小さな団体が増えていったのだが、なかにはメジャー団体のリングに上がり爪痕を残す団体、選手が現われるようになる。きっかけはジュニアの象徴である獣神サンダー・ライガーの呼びかけだ。ライガーは才能あるジュニア戦士を団体の大小にかかわらず招聘し、新日本4・16両国で「SUPER J-CUP 1st STAGE」を実現させた。ここで大きなインパクトを残したのが、東北地方を拠点とするみちのくプロレス勢や、大仁田厚率いるFMWでデスマッチとは別の形から頭角を現わしたハヤブサだった。14選手参加のワンデートーナメントで、最後はワイルド・ペガサスVSサスケの決勝戦に。優勝こそ新日本の海外留学生から成長したペガサスだったが、サスケをはじめ、スペル・デルフィンやTAKAみちのくも一気に知名度を上げてみせたのである。

 軽量級ならではの空中戦を中心とするジュニアの祭典はその後も続き、新日本「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」ではデルフィンが決勝に進出。優勝はライガーのV2だったものの、デルフィンはサスケと並ぶみちのくの2大巨頭として認知されることとなったのである。

 ジュニアに門戸を開いた新日本はこの年、天龍源一郎のアントニオ猪木超えで幕を開けた。1・4東京ドームで猪木と天龍がシングル初対決。勝ったのは天龍で、この瞬間、天龍はジャイアント馬場と猪木から直接勝利した初めての日本人レスラーとなったのだった。

 敗れた猪木はこの年、引退に向けてのカウントダウンを開始。2・24日本武道館で「七番勝負」開催が発表された。この大会では元大相撲小結・孝乃富士こと安田忠夫が馳浩とのシングルマッチでプロレスデビュー。また、メインでは橋本真也とライガーが階級の枠を超えて一騎打ちをおこなった。勝利したのは橋本だが、上半身を露わにしたライガーのジュニアとは思えない姿に観客は驚愕したのである。

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