「ガチな車が多い」女性だけの車イベント 強烈カスタムのRX-7、スカイラインは驚きのヘッドライト
女性限定のカーイベント「ガールズカーコレクション」(GCC)が11月8日にアイメッセ山梨で10回目の開催を迎える。主催するNAOさんは、その魅力について、「女性っぽい車というより、ガチな車が多い」と語る。車のカスタムに使うのは、専用のパーツだけではない。ネイルアートの材料でヘッドライトの内部を装飾したり、運転席からしか見えない場所にスワロフスキーをあしらったり。数多くの女性オーナーの愛車を見てきたNAOさんに、男性とはひと味違う車の楽しみ方や、女性ドライバーたちの意外な素顔を聞いた。

女性ドライバーの素顔 ジェルネイル、スワロフスキー…発想豊かなカスタム
女性限定のカーイベント「ガールズカーコレクション」(GCC)が11月8日にアイメッセ山梨で10回目の開催を迎える。主催するNAOさんは、その魅力について、「女性っぽい車というより、ガチな車が多い」と語る。車のカスタムに使うのは、専用のパーツだけではない。ネイルアートの材料でヘッドライトの内部を装飾したり、運転席からしか見えない場所にスワロフスキーをあしらったり。数多くの女性オーナーの愛車を見てきたNAOさんに、男性とはひと味違う車の楽しみ方や、女性ドライバーたちの意外な素顔を聞いた。
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2017年に始まったGCCは、女性ドライバーがドレスアップした姿で愛車に乗り、レッドカーペットのランウェイを走るイベントだ。当初はスポーツカー好きの女性たちを中心にスタートしたが、現在は車種を問わず参加できる。
「最初は『ガチなスポーツカー女子、集まれ』という感じでSNSに書いていたんです。でも、スポーツカーだけでは輪が広がらないので、今はオールジャンルにしています。それでも、本当に車が好きな女の子たちが集まってくれていますね」
今年の参加車両は軽自動車からスポーツカー、アメ車、ワンボックスまでさまざま。NAOさんは、参加者たちの車を見るたびに、そのこだわりの深さを感じるという。
「女性っぽい車というより、もうガチな車が多いんです(笑)。もちろん、かわいらしくしている子もいますけど、みんな本当に車が好きなんですよ」
そんな女性たちのカスタムには、男性とは少し異なる発想も見られるという。
「私も昔やっていたんですけど、ネイルアートの材料を使って車をカスタムする女の子がいるんです。キラキラしたものを取り入れたり、自分の好きなデザインにしたり。そういう工夫は面白いですよね」
特に印象に残っているのが、昨年参加した日産・スカイラインの女性オーナーだ。
「ヘッドライトを開けて、その中をジェルネイルのようなもので塗って、自分でデザインしていたんです。すごく手間がかかるじゃないですか。ネイルの材料からヒントを得て、自分でDIYしてしまうのはすごいなと思いました」
NAOさん自身、そうしたカスタムを男性が行っている例は見たことがないという。
「私が知る限り、男性でそういうことをしている方はいないんですよね。身の回りにあるものを使って、愛車を自分好みに飾る。そういうところは女性ならではの発想なのかなと思います」
NAOさんの愛車は、1995年式のトヨタ・スープラ。自身も車内に特別な装飾を施している。
「私はたばこを吸わないので、灰皿を取り外して、その場所にスワロフスキーでバラをデザインしたものを作ったんです。バラが好きで、バラで夢をかなえたいという思いを込めています」
その装飾は、運転席に座らなければ気づかない場所にある。
「自分だけが分かるようなところにもこだわるんです。フロアマットも自分でデザインしたものを敷いています。既製品があるからそれでいい、というのではなく、自分の好きなものを車に取り入れている女性は多いですね」
また、GCCに集まる女性たちが重視しているのは、装飾の華やかさだけではないという。
「みんな車全体のバランスを考えていると思います。一か所だけ変えて満足するのではなくて、自分の好きなものを詰め込みながら、それが愛車に合っているのかをちゃんと見ているんです」

10年の歴史で強烈な印象 フルカスタムのRX-7「すごくかっこいい」
男性ドライバーは、車について特に加速や音にこだわる人が多いかもしれない。一方、女性は、目的はそれぞれ違っても、車を1台の作品として仕上げようとする姿勢が共通して見られるという。
「ドリフトをしている子なら、走るために何が必要で、何がいらないのかを考えている。見た目だけじゃなくて、ちゃんと自分の目的に合った車を作っているんですよね」
また、NAOさんが大切にしているのが車内の清潔感だ。
「外から見て『かっこいい車だな』と思って近づいたのに、中がぐちゃぐちゃだったら、『汚い車だな』という印象になってしまうじゃないですか」
NAOさんのスープラは、今では街中で見かける機会も少なくなった車種。スープラのオーナーズクラブでは関東支部の代表を務め、約2か月に1回、仲間たちとの交流を楽しんでいるが、駐車場などで、車内をのぞき込まれることもあるという。
「だから、昔から中はきれいにしておくようにしています。工具箱も必要なので積んでいますけど、それもかわいいものを選んでいます。外も中も、ちゃんとかっこいい車でありたいんです」
愛車の見た目だけでなく、長く乗り続けることにも強い思いを持つ女性は多い。
10回目の開催を迎えるGCC。これまでに数多くの愛車を見てきたNAOさんだが、特に印象に残っている1台がある。
それが、過去に一度だけ参加した女性オーナーのマツダ・RX-7だった。
「その子は高校生ぐらいの頃からRX-7が大好きで、RX-7を扱っているショップに通っていたらしいんです。それで免許を取って、自分で買って、今も大事に乗っているんですよ」
その車は、NAOさんも驚くほど徹底的に手が加えられていた。
「もうフルカスタムというか、フルチューンみたいな感じで(笑)。私でも『乗るのが大変だろうな』と思うぐらい。でも、すごくかっこいい車なんです」
イベントに参加したのは一度きりだったが、今もSNSを通じて近況を目にするという。
「今も大事に乗っているのを見ると、すごくうれしくなります。同じ女性から見ても、本当にかっこいい。いつかまた会いたいなと思っています」
NAOさん自身も、スープラを長年維持してきた。一時は動かせなかった時期もあったが、修理して再び乗るようになった。
「女子って、直して乗るとか、レストアして乗るという方が多い気がするんです。私のスープラも4年間ぐらい寝かせていた時期がありましたけど、修理して今も乗っています。長く乗り続けるというのは、本当に愛車なんだなと感じますね」
昨年は車の不調でGCCに持ち込めなかったものの、その後に修理を終え、今年は参加する準備を進めている。
「古い車は予期せぬ故障があるので、ヒヤヒヤすることもあります。でも、1日でも長く、1年でも長く元気に走ってもらいたい。基本的なメンテナンスをしながら、大切にしています」

ジャパンモビリティショーに招待 刻んだ新たな一歩
1年1年積み上げてきたGCC。昨年は、そんな女性たちの車への情熱を、より多くの人に知ってもらう機会があった。
ジャパンモビリティショーに招待され、初参加。ドレスアップした女性たちが愛車で走る、おなじみのランウェイを披露した。
「まさかああいう場所でランウェイができるとは思っていませんでした。スポーツカーだけではなく、いろいろな車が好きな方に見てもらえる。車好きの女子がこんなにいるんだよ、ということを知ってもらえたのは、大きな成果だったと思います」
反響は意外なところからもあった。
NAOさんは以前、トヨタ自動車の海外事業部で派遣社員として働いていた経験がある。イベントへの参加を知った当時の先輩たちから、久しぶりに連絡が届いたという。
「もう辞めて何年もたっているのに、昔の職場の方から連絡が来たんです。まさか見てもらえているとは思わなかったので、うれしかったですね」
NAOさんは今後、これまでとは違った形で女性ドライバーたちと交流することも考えている。
「今までは出展企業がいて、協賛をいただいて、イベントとしていろいろ準備をしてきました。それとは別に、もっと気軽に集まれる、本当に女子会のようなフラットな集まりも作れたらいいなと思っています」
実は、GCCが認知されるにつれ、主催者ならではの意外な悩みも発生しているという。
「私、GCCでは意外と孤独なんですよ(笑)」
トレードマークのピンクパープルのスープラとともに、イベントをけん引してきたNAOさん。参加者にとっては、気軽に声をかけにくい存在にもなっているようだ。
「たまたま女の子たちの後ろを歩いていたら、『NAOさんに話しかけるなんて……』という会話が聞こえてきたんです。いやいや、話しかけてほしいんですけどって」
そんな思いもあり、来春には富士スピードウェイ周辺などで、食事や観光を楽しむ気軽なオフ会を開くことも検討している。
「みんなで車で集まって、食事をして、周辺の施設を回るようなことができたらいいなと思っています。そうすれば、今までの参加者さんとも、もっと身近にお話できると思うんです」
GCCという居場所を通じ、世代を超えた幅広い交流が生まれているのは長年の成果だ。
「本当に車が好きな女の子たちが集まってくれるのがうれしいんです。もっとみんなと話したいし、私自身も楽しみたい。これからは、そういう時間も大切にしていきたいですね」
女性たちが愛車への思いを分かち合う場所を、これからも模索していく。
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