GMO熊谷正寿代表、不正アクセスと顧客資産毀損で謝罪 被害顧客に全額補償へ 一律5000円見舞金も

GMOインターネットグループの熊谷正寿代表取締役グループ代表は2日午後3時30分から、都内で記者会見を開いた。外国為替証拠金取引(FX)の自動売買向けサーバーサービス「お名前.com デスクトップクラウド」へのサイバー攻撃および不正アクセス問題について説明した。一連の問題で同社が記者会見を行うのは今回が初めてで、特設サイトやYouTubeでの生配信も行われた。

GMO【写真:ENCOUNT編集部】
GMO【写真:ENCOUNT編集部】

2日午後3時30分から、都内で記者会見

 GMOインターネットグループの熊谷正寿代表取締役グループ代表は2日午後3時30分から、都内で記者会見を開いた。外国為替証拠金取引(FX)の自動売買向けサーバーサービス「お名前.com デスクトップクラウド」へのサイバー攻撃および不正アクセス問題について説明した。一連の問題で同社が記者会見を行うのは今回が初めてで、特設サイトやYouTubeでの生配信も行われた。

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 会見冒頭、司会者から当日の進行が3部構成であることが案内された。第1部では「お詫び、これまでの対応、グループとしてのセキュリティガバナンス」、第2部では「本件を踏まえ今回得た知見」、第3部では質疑応答の時間を設けると説明された。登壇者は熊谷グループ代表のほか、GMOインターネット株式会社代表取締役社長執行役員、同副社長執行役員など、計5人が登壇した。

 冒頭、熊谷代表は深々と一礼したのち、次のように謝罪した。

「この度は当グループのサービス『お名前.com デスクトップクラウド』におきまして不正アクセスを受け、お客様の情報が流出し、結果悪意のあるものによってお客様の資産が棄損するという事故が起こりました。被害に遭われましたお客様と関係者の皆様に心よりお詫び申し上げます」

 続けて、事態の受け止めと専門部署からの指摘について言及した。

「本サービスのシステムにセキュリティー上の問題があったことは事実です。また報道をされている通り、当グループの『GMOサイバーセキュリティー byイエラエ』の専門家からシステム上の課題の指摘を受けていたことも事実です。しかしながらこの指摘をサービスの運営において生かすことができませんでした。グループの代表としてこれらの事実を重く受け止めております」

 さらに、自身のSNS投稿をめぐり批判が集まっていた点についても言及し、陳謝した。

「そして、私自身のSNSの発信につきましても多くのお声をちょうだいしております。まず被害に遭われた方に関わる事柄に私自身の投稿で触れてしまったこと。またこのような状況下で私自身が笑顔で写っている写真を投稿したこと。そして、当社の陸上部に関しまして、投稿してくださった方に不適切なコメントをしたこと。いずれも被害に遭われた方のお気持ちへの配慮が欠けておりました。あらためまして、この場で深くおわび申し上げます」

 会見では被害者への補償方針や今後の対応策の詳細も明かされた。対象顧客は2万6739件で、サービスは現在も停止中。顧客対応として、被害の有無にかかわらず一律5000円のお見舞金を支払うほか、代替サービスを6か月間無料で提供する。

 さらに「FX不正取引で損失を被られたお客様には全額補償をいたします」と明言。情報流出が確認されたケースについては、「情報の機微に応じ、最大300万円のGMO特別お見舞金をお支払いいたします」と発表した。

 サイバー攻撃者への姿勢について同社は「当社としては、当初より絶対に身代金を払わない方針で進めております」と断言。攻撃者の特定に向け、10月27日より情報提供を募る「GMOサイバー犯罪撲滅懸賞金」を開始しており、会見当日までに約700件の情報提供が寄せられていることを明らかにした。

 また、事故の発生と事後対応の混乱に対する現時点の経営責任として役員報酬の減額を発表。熊谷代表は「月額報酬30%×3か月」とした。

 第2部で本件から得た知見について語った熊谷代表は、「お客様に対する姿勢は“誠実”が基本姿勢」とした上で、「できることはすべて行いたい。少しでも信用回復につながるよう実行せよと指示を出している。グループ8300人で真摯(しんし)に向き合って解決せよと指示を出している」と説明。

 続けて、1995年のWindows95発売とともに事業を開始してから31年間に及ぶ歩みを振り返った。

「事業者としては今年で31年間、この産業に関わり、自分でこの産業を、仲間とともに、世の中のためになる素晴らしいツールとして残していきたいと信じ、真摯に事業に向き合ってまいりました。私は! 31年間! 一度たりとも! 『もうかる』『もうける』という言葉は使ったことがありません! (社員)8300人にご確認ください。お客様に喜んでもらいなさいと、だから一番いいサービスを作りなさいと、そう言ったこと以外ございません」

 2003年から参入した暗号化事業にも触れ、「23年前から、自分が関わってきたインターネットが多くの人の笑顔に資する安心・安全な場所であってほしいと心の底から願い、『お客様のために情報を守れ』と言い続けてきた」と涙ながらに訴えた。

 22年11月にOpenAIがChatGPTをリリースして以降、サイバー脅威の様相が激変したと指摘。「我々の業界ははやり廃りが非常にあります。みんながあのサービスは伸びると言ったものがそのうち消えたり、あのサービスは全然ダメだよと言ったものが来ない、来ないと言った未来があっという間に来たりするのが我々の業界です」と前置きし、次のように危機感をあらわにした。

「皆様、犯罪者の攻撃は武器の名前を挙げるのは場に相応しくないですが分かりやすく使わせてください。以前は拳銃でした。今は機関銃です。テロに例えるなら、今は無差別殺人です。社会はこれに対応しなければなりません。人も企業、政府も、このスピード、これに合わせられなければ犯罪者の汚染でインターネットが使えなくなってしまいます。私が感じてる31年間、つまり人生の半分をこのインターネットに捧げ、このインターネットを日本の世界の宝物としてきれいにしてから死んでいきたいと思います。こんな犯罪者のツールになってるインターネットのまま、この業界から撤退し、あとは任せたよなんて言えません。僕は命懸けてこの産業を多くの方の笑顔のツールにしてから死ぬつもりです」と熱弁を振るった。

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