「ベルト巻いてないのは私だけ」復帰の田中きずなが岩谷麻優に照準…同期への焦りを胸にUN王座奪取へ

今年1月、左足の脱臼骨折という大けがを負ったマリーゴールドの田中きずな。10.24両国国技館大会で9か月ぶりに復帰したきずなだが、前向きに進もうとしている。そのきずなへの2年ぶりのインタビュー後編では、復帰戦そして今後の展望を語ってもらった。

マリーゴールドへの思いを語った田中きずな【写真:橋場了吾】
マリーゴールドへの思いを語った田中きずな【写真:橋場了吾】

復帰戦は負けてしまったが、この負けをプラスにしていきたい

 今年1月、左足の脱臼骨折という大けがを負ったマリーゴールドの田中きずな。10.24両国国技館大会で9か月ぶりに復帰したきずなだが、前向きに進もうとしている。そのきずなへの2年ぶりのインタビュー後編では、復帰戦そして今後の展望を語ってもらった。(取材・文=橋場了吾)

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 10.24両国国技館大会。マリーゴールドにとって3回目の両国国技館大会で、田中きずなは復帰した。カードは2年連続で心希(しんの)とのシングルマッチ……昨年はきずなが勝利したが、今回は心希の勝利に終わった。

「復帰戦というのは何の言い訳にもならないですし、自分的にはただ休んでいたのではなく、けがをしてから全力で自分とプロレスに向き合ってきた自信があったので、勝つ自信しかなかったので悔しい気持ちが大きかったですね。でも、本当に今頑張らなきゃいけない理由がたくさんある中で、心希に負けたことで、さらに頑張らなきゃいけない理由ができたというか、この負けをプラスに変えて頑張っていきたいと思いますね」

 久々のリング、そして負傷箇所が負傷箇所だけに不安はなかったのか。

「復帰が決まってからは、恐怖心は一切ないと言ってきました。それは、怖いとか不安とかを認めてしまったら、また弱いときの自分に戻っちゃうような気がして。強く明るく笑顔で元気にいようというのを、けがをしてからずっと思っていて自分に言い聞かせていたんですけど、実際はめちゃくちゃ怖かったですし不安だったのかなと思います。復帰戦の入場ゲートの裏に来た瞬間、その恐怖心が一気にきて……でも、デビュー戦が終わったばかりの鈴夏が戻ってきたので、変なところを見せられないぞと思って。

 それで少し落ち着いて、できることはやってきましたし、もう大丈夫だろうと。自分が今までやってきたことを信じて頑張ろうという気持ちで、リングインしたときにはもう大丈夫でした。コスチュームも心機一転、赤にしたんですが、(これまでの)青の対極といえば赤かなと。憧れの栗原(あゆみ=引退)さんも、もともと青で赤のときがあったよなと思って、最終的に赤にしました。復帰戦は、結果もですが、内容的にも悔しさが残る試合だったので、時間を巻き戻して最初からもう1試合したいと思うくらいなんですけど、この悔しさはこれからの試合にぶつけていけばいいかなと思っています」

心機一転、赤を基調としたコスチュームに【写真:(C)マリーゴールド】
心機一転、赤を基調としたコスチュームに【写真:(C)マリーゴールド】

マリーゴールドにいたから、心が折れずに前向きに復帰を目指せた

 インタビュー前編では、マリーゴールド内の同期であるビクトリア弓月と瀬戸レアの話題も出たが、11.3逗子アリーナで開催される『逗子プロレス祭り2026』(きずなの母・府川唯未主催)では、タッグマッチながら同期のZONESとの対戦も決まった。

「母に『野崎さんと試合がしたい』とやんわりと伝えていたら、このカード(井上京子&きずなvs野崎渚&ZONES)になりました。11.3は野崎さんのリアルデビュー20周年の日なので、(野崎のデビュー戦のパートナーである)京子さんが入って。ZONESとは2023年デビューの同期で、私がマリーゴールドに来る前は何度か試合をしていたんですよ」

 10.24両国国技館大会で、岩谷麻優がマリーゴールド・ワールド王座、UN王座、スーパーフライ王座のシングル3ベルトを総獲り。試合後には「誰の挑戦でも受ける」と宣言したが、きずなはシングルのベルトについてはどう思っているのか。

「個人的にはマリーゴールドを輝かせていきたいというのが大きくて、誰かに続くのではなくて自分が輝かせたいという気持ちなんです。なので、ベルトは必要になってきますよね。とはいえ、麻優さんが誰の挑戦でも受けると言ったところに勢いで挑戦するのではなくて、完全に自信をつけた状態で挑戦したいなと思います。今はまだ復帰したばかりなので、試合勘を取り戻して追い上げていきたいという気持ちです。

 入院中に考えていた、目標・課題をひとつずつクリアして、最短で麻優さんに挑戦しに行きたいです。目指しているのは、白(UN)のベルトです。弓月が巻いて、レアも挑戦したベルトには、私も憧れていたんですが、今の自分が発言していいことではないという気持ちが勝ってしまって、ずっと言えずに来たんですよ。でも今は、レアより先に獲りたいと思いますし、結果を残していきたいですね。同期3人でベルトを巻いていないのは、私だけなので」

 きずなが欠場中に、マリーゴールドから退団した選手がいる。しかし、今のきずなは前しか向いていない。

「自分がマリーゴールドに来たときは、先輩方の背中を追ってどこか安心感というか、大丈夫と思っていた部分があったんですけど、弓月とレアが活躍している中で、私は背負う覚悟ができていなかったのかもしれないと思いました。でも、先輩が退団する中で私が不安になったということは、さらに下の後輩たちも不安になっているはずだと。今は後輩も増えて自分も引っ張っていかなきゃいけない立場になって、後輩たちに不安な思いをさせてはいけないと思っています」

 そしてマリーゴールドへの愛着もある。

「私は、本当にマリーゴールドが大好きです。温かい本当の家族のような……退団した先輩方の新しい道を応援したい気持ちはありますけど、悔しい・寂しいよりも、先輩方が辞めなきゃ良かったと思うくらい輝いている団体にしたいなと常に思っています。私が外からひとりで来たときに、みんなが温かく受け入れてくれて、これからのプロレス人生でお返ししたいなと。マリーゴールドにいたからこそ、心が折れずに復帰を目指せたと思いますし、欠場中も前を向いていられたと思います」

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