【ブラッサム】牛丸役イッセー尾形の魅力 制作統括「いい意味の予定調和ではない」

俳優・石橋静河が主人公・葉野珠を演じるNHK連続テレビ小説『ブラッサム』(月~土曜午前8時)。作家・宇野千代をモデルとした物語。10月26日に放送された第21回では舞台が東京となり、イッセー尾形が演じる小山牛丸が登場した。珠が愛読する海外文学作品の翻訳家で年齢不詳、神出鬼没という設定。第21回では『イワンの馬鹿』の翻訳の際、トルストイが1行も書いていないことを書き加えたと明かすなど驚くほどユニーク。モデルとなる人物はいるのか。人物造形とその狙いなどが気になる。村山峻平チーフ・プロデューサーにイッセー尾形の起用理由や魅力と共に聞いた。

小山牛丸役のイッセー尾形【写真:(C)NHK】
小山牛丸役のイッセー尾形【写真:(C)NHK】

珠が愛読する海外文学作品の翻訳家で年齢不詳、神出鬼没

 俳優・石橋静河が主人公・葉野珠を演じるNHK連続テレビ小説『ブラッサム』(月~土曜午前8時)。作家・宇野千代をモデルとした物語。10月26日に放送された第21回では舞台が東京となり、イッセー尾形が演じる小山牛丸が登場した。珠が愛読する海外文学作品の翻訳家で年齢不詳、神出鬼没という設定。第21回では『イワンの馬鹿』の翻訳の際、トルストイが1行も書いていないことを書き加えたと明かすなど驚くほどユニーク。モデルとなる人物はいるのか。人物造形とその狙いなどが気になる。村山峻平チーフ・プロデューサーにイッセー尾形の起用理由や魅力と共に聞いた。

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 まず小山牛丸というキャラクターに込めた思いを尋ねた。

「想像とは全然違うキャラクターに珠だけでなく視聴者の皆さんもビックリしたと思います。小山を見ずにはいられない、言葉を聞かずにはいられない。でも、発する言葉がすべて宝物かどうかも分からないところが面白いと思っています。何が正しく、何が正しくないか分からない時代の中で、みんな一生懸命に生きているリアルタイム感といいますか、大正、昭和の当時のエネルギーを東京に出てきた珠は感じます。その入り口を作りたいと思いました」

 モデルやモチーフとなる人物はいるのだろうか。

「モデルは特にいません。いろんなことを想像して楽しんでいただけたらと思います。そういう人がいたかもしれないし、正しいかどうか分からないけど、なぜか聞き入ってしまう存在はとても素敵。正しさを強調せず、ユニークさや、くえない感じを重視しました。岩国から東京に来て、新しい世界に入った瞬間、珠はいろんなことに巻き込まれます。好きな文学に出会うワクワク感とか新しい世界観を大切にしたいと思いました。そこでイッセー尾形さんに出演をお願いしました」

 あらためてイッセー尾形の魅力と起用理由を聞いた。

「イッセーさんの一人芝居が好きで拝見しています。ストーリーを理解しつつ、そこにちょっとした違和感やリズムの乱れ……いい意味の予定調和ではないところを出していただけるのはイッセーさん。大正、昭和のリアルタイム感を出せたらと思い、お願いしました」

 珠を演じる石橋が小山に出会い、発する言葉に素で笑い、驚いているようにも見えた。アドリブのようにも感じたが。

「基本は台本に忠実に演じてくださっています。ただ空気感とか呼吸の間がとっても素敵。珠の好きな牛丸が目の前に現れたことで、本当に文学が好きとか、文学の世界に触れることが救い、という気持ちが石橋さんなりに本当に出たのだと理解しています」

 最後に史実と創作についての意識を聞いた。

「宇野さんの自伝的小説『生きて行く私』は、ある種のエピソードとして捉えています。珠が勇気ある一歩を踏み込んでいく様子が、エピソードをうまく使った方が視聴者に伝わる場合には使うという方向性でいます。なので、何割が史実で、何割が創作というようなことは考えていません。本当にそういうことがあったんだ、と視聴者の方が知るというのは作品との接点であり、ある意味、双方向性。文学作品にリスペクトしながら今の時代の人がどうしたら自分事やエンターテインメントに置き換えられるかを探りたいという思いでいます」

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