堺雅人の「圧倒的な“乃木力”」に感嘆…別班員・熊谷役西山潤が語る『VIVANT』撮影秘話

俳優の堺雅人が主演を務めるTBS系連続ドラマ『VIVANT』(日曜午後9時)の第22話が25日に放送される。放送を前に、“中国の別班”シンシーに拉致・拘束され過酷な状況に置かれていた別班員の1人・熊谷一輝を演じる西山潤のオフィシャルインタビューが届いた。

熊谷一輝を演じる西山潤【写真:(C)TBS】
熊谷一輝を演じる西山潤【写真:(C)TBS】

「弱さを見せない」別班員として抱え込んだストレス

 俳優の堺雅人が主演を務めるTBS系連続ドラマ『VIVANT』(日曜午後9時)の第22話が25日に放送される。放送を前に、“中国の別班”シンシーに拉致・拘束され過酷な状況に置かれていた別班員の1人・熊谷一輝を演じる西山潤のオフィシャルインタビューが届いた。

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(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)

 18日放送の第21話では、主人公・乃木憂助(堺)の指揮のもと、困難を乗り越えてシャキ城を攻略し、見事に拉致されていた別班員奪還に成功。しかし、ゴルバド警察に囲まれた上シンシーの工作員シュウ・ハオラン(リンリン)の登場で絶体絶命の危機に陥る中、ノコル(二宮和也)が連絡していたバルカ警察のチンギス(Barslkhagva Batbold)が現れ、無事にガラマン空港から離陸することができた。

 長い間、黒須駿(松坂桃李)らと共にシンシーに監禁・拷問された熊谷を演じた西山。熊谷を演じる中で、“最強”とされる別班員の強さをどう表現したのか。堺や松坂との共演秘話に加え、日曜劇場『ドラゴン桜』以来の共演となった西垣匠とのエピソードも交えながら、別班員たちの知られざる内側を語った。

――第2シーズンへの出演は、いつ頃知ったのでしょうか?

「正式に聞いたのは2024年の秋頃だったと思います。噂は聞いていたんですけど、マネージャーさんと共有しているカレンダーを見たら、2025年の10月にアゼルバイジャンの国旗が3週間くらい入っていて(笑)。

 大筋として『別班員がさらわれて、それを助けに行く話』だと聞いて、『今回もまた大変そうだな』と予感しました。拷問のシーンもあって、特殊メイクもすると聞いていたので、『すごそうだな』と思いながら楽しみにしていました」

――熊谷を演じる上で、特に意識したことは?

「別班という存在は“最強”であり、絶対に弱さを見せない。それはみんな共通して持っていたと思います。拷問されてもしゃべらない。精神的にどれだけ追い詰められても口を割らない。シュウ・ハオラン(漢字表記:周浩然/リンリン)のセリフにも『年長の高田(明敏)、若い熊谷は既に死を覚悟している、無双状態だ』とありましたけど、普通に生活していたら得られない感覚ですよね。

 だから僕は、“無”になって何も感じなくするというより、自分にストレスを与え続けました。特殊メイクも重くて、目も見えづらいし、口も開けづらい。足かせも痛い。それを避けずに、『痛い』『嫌だ』『イラッとする』という感覚を全部自分の中にため込んで、それでも表には出さない。

 ただ無表情でいるのではなく、全部抱えた上で出さない。その一瞬の表情だけでも『別班ってやべえな』と伝わったらいいなと思っていました」

――実際の過酷な環境も、役作りには生きましたか?

「そうですね。素足で牢屋の中でじっとしている状況って当然気持ちのいいものではないので、その嫌さ加減も素直に受け取っていました。

 本当に疲れるんですよ(笑)。帰りの車中では、毎回ほとんどしゃべらなくなるくらい。でも、第1シーズンから一緒にいるメンバーなので、別班員同士の絆はありますし、目指しているところはみんな同じ。撮影現場では、合間は和気あいあいと話しながらも緊張感を共有していた感じはありましたね」

救出シーンを振り返った【写真:(C)TBS】
救出シーンを振り返った【写真:(C)TBS】

乃木を察知した“一瞬”にも別班員としての物語が

――第20話では、乃木が救出に現れたときの別班員たちの表情も印象的でした。

「僕もリアルタイムで見て、あのシーンは泣いちゃいました。ずっと無表情を貫いてきた別班員たちが、あの瞬間だけ『仲間が来た!』という顔になる。自分たちが撮影現場で作ったものを、完成した作品が超えてきたような感じがして、すごく感動しました。

 乃木さんや別人格のF(堺/三役)のかっこよさ、“先輩感”も全部相まって、あんなに素敵なシーンになったんだなって。セリフをほとんどしゃべっていないのに、それでも伝えられる。役者冥利に尽きるなと思いました」

――乃木から「熊谷」と呼ばれた時の「はい」は、アドリブだったそうですね。

「そうなんです。台本ではかなり弱っている状態だったんですけど、僕はあくまで別班員として返したいと思って。

 熊谷は30歳という若い別班員で、僕自身も実年齢が近い。だから、“若いけれども別班員”“別班員だけれども若い”という、その両方を等身大で考えました。別班員としての強さはある。でも同時に、一人の若い人間でもある。そのバランスを考えたときに、あの『はい』という言葉になりました。

 それに、乃木さんが姿を現す前から、別班員なら何かを察知しているはずなんです。いつもの足音と人数が違う。それに火薬の匂いもするはず。『何かが起きている』『乃木さんである確率は何パーセントだろう』『別の誰かかもしれない』と考えながら、最後に声を聞いて確信する。

 実際の撮影は逆光で真っ暗だったので、本当に何も見えなかったんです(笑)。でも『熊谷』と呼ばれて、『これは絶対、乃木さんだ』と。その確信に至るまでの段階を、一つずつ意識して演じていました。

 乃木さんはずば抜けた能力を持っていますが、他の別班員たちも、表に出ていないだけで同じようなスキルを持っている。だから演じる側も『自分たちも高い能力を持っている』という自覚が必要なんです。一人ひとり少しずつ色は違うけれど、根っこのところは同じ別班員。そういう共通項はあったと思います」

――第21話では、ジェット機で離陸する直前、別班の儀礼曲が流れ、別班員たちが敬礼する姿もありました。あのシーンには特別な思いがあったそうですね。

「あの曲って、別班員にとっては、つらいことがあってもずっと聞いてきたものだと思うんです。だから僕は、あの時『厳しい実家に帰ってきた』ような感覚になりました。

 Fの『これで殉職した先輩方が俺らを守ってくれる。出発だ!』という言葉があって、曲が流れて、自然とみんな敬礼する。その瞬間に『帰ってきた、帰れた』と思えたんです。

 あのシーンまでは感情を出さずに堪えてきて、最後に最大限こぼれる。僕の中では、そこに至るまでのストロークを作って演じていました」

松坂桃李のブレない演技に感化 西垣匠との再会も

――堺さんとの共演で、改めて感じたことはありますか? 第21話でも乃木とFが入れ替わりながら作戦を進めていました。

「堺さんは、背中で引っ張るというより、“お芝居で引っ張っていく”方だと思います。撮影現場でも全くミスをしないし、どんな言語のセリフであっても一発で決めてくる。『VIVANT』ってロケ地の都合もあって、物語をかなり行き来しながら撮影するんです。乃木だったりFだったり、リュウ・ミンシュエン(漢字表記:劉銘軒・堺/三役)だったり、いろいろなシーンが前後する中でも、堺さんのお芝居はまったくブレない。

 僕自身は連続ドラマをやっていると『あれ? これってあの出来事の後だよね?』と、たまに頭の中で時系列を確認することがあるんです。でも、堺さんはそれを当然のように成立させている。どうやったらそうなれるんだろうと思いますし、ものすごく台本を読み込んでいるんだろうなと感じますが、それをひけらかさない。圧倒的な“乃木力”で現場を引っ張ってくださる。人として『堺さん、かっこいいな』と思います」

――松坂さんとは、撮影の合間にも交流があったそうですね。

「桃李さんとは同郷なんです。撮影の休みの日に別班のメンバーで射撃場へ遊びに行ったり、ご飯に行ったりもしました。誰に対しても分け隔てなく接してくださる方なので、すごくうれしかったです。

 お芝居では、やっぱり“別班らしさ”がブレない。『こいつはシュウ』『こいつはリー』ってシンシーのメンバーを一人ひとり確認する、心の声のトーン一つとっても、僕だったらもっと軽くなってしまうかもしれないところを、すごく重く、肝が据わった感じで演じてみせる。もう、お芝居というより完全に“据わっている”んですよね。もっとがっつり共演したいなって、心の底から思いました」

――第19話では、日曜劇場『ドラゴン桜』で共演した西垣匠さんが、黒須の弟・翼に扮した特殊作戦群の隊員としてサプライズ出演しました。出演することは知っていましたか?

「知っていました! プロデューサーからも聞いていましたし、衣装合わせの時だったかな、会えたんです。『おう、頑張れよ!』みたいな感じで、ちょっと先輩面しました(笑)。西垣は少し緊張してましたね。

 今回は一緒のシーンはなかったんですけど、『ドラゴン桜』からもう5年ですし、こういう形でまた同じ作品に関われたのはうれしかったです。しかも今回は、西垣が特殊作戦群の隊員として僕たち別班員を助ける側にいる。直接会うわけではないけれど、作品の中ではつながっている。それもなんか別班らしいじゃないですか。役者としてもすごく励みになりました」

「俺、これ言いたかった!」市川笑三郎演じる高田に刺激

――別班員たちの芝居に刺激を受けた場面はありましたか?

「第21話で、別班員たちが中国人労働者に扮して逃走する中、市川笑三郎さんが演じる高田がシュウに向かって中国語で長いセリフを言うところですね。後ろで聞いていて、『うわ、やられた!』と思いました。めちゃくちゃ先輩かっこいいなって。同じ別班員として、代表して言ってくれた言葉だからうれしい。でも役者としては、『俺、これ言いたかったな』ってとても悔しかったです(笑)。

 しかも、感情を大きく出さずに淡々とものすごく怖いことを言うんですよね。あのバスのシーンは、高田さんの言葉で締まったなと思いました。笑三郎さんと連絡を取り合っているときに、『放送、楽しみですね』と話していたんです。別班員ってみんな根っこの部分は共通しているけれど、少しずつ色が違う。そういうところも面白いです」

――西山さんが感じる『VIVANT』らしさとは?

「やっぱりメリハリと気持ち良さですね。監督が『こういうものを撮りたい』『こういうキャラクターを演じてほしい』と示してくださるものを信じて、僕たちはついていく。

 カメラ割りもそうですし、お芝居のテンポも、画も、全部がパキパキしている。顔の寄りがあって、何かあれば手元を映して、音楽がかかったら鳥肌が立つ。すごく見応えがあるんです。例えるなら、すごく濃いジャンクフードを食べたような、大きいステーキを丸かじりしているような(笑)。そういう豪快さがあるのが『VIVANT』だと思います。

 僕も同じ船に乗っている一員として、そのゴールだけは見失わないようにしようと努めていました」

――ドラマを楽しみにしている視聴者へ、メッセージをお願いします。

「考察をしながら楽しんでいただくのも、もちろんうれしいです。でも、乃木さんのジェットコースターにお客さんとして乗っているような感覚で、目の前で起きていることをそのまま受け取るのも、一つの楽しみ方だと思っています。

 ここからまた話がガラッと変わっていくので、見ている皆さんももう一度ふんどしを締め直して(笑)、気を抜かずにジェットコースターの先頭に乗って楽しんでいただきたいです!」

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