春風亭一花、大初日は「どうかどうか45日間の船出です」 台風接近の真打披露興行

落語協会(林家正蔵会長)所属の新真打ち、春風亭一花(しゅんぷうてい・いちはな、39)の真打ち昇進披露興行が21日、東京・上野鈴本演芸場でスタートした。一花の兄弟子で、日本テレビ系『笑点』大喜利メンバー・春風亭一之輔以来のひとり抜てき真打ち。トリを務めた一花は「皆さんがここまで連れて来てくださったと思います」と客席に感謝。「どうかどうか45日間の(披露興行の)船出です。ついてきてください」と呼びかけた。

トリを務めた春風亭一花【写真:ENCOUNT編集部】
トリを務めた春風亭一花【写真:ENCOUNT編集部】

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 落語協会(林家正蔵会長)所属の新真打ち、春風亭一花(しゅんぷうてい・いちはな、39)の真打ち昇進披露興行が21日、東京・上野鈴本演芸場でスタートした。一花の兄弟子で、日本テレビ系『笑点』大喜利メンバー・春風亭一之輔以来のひとり抜てき真打ち。トリを務めた一花は「皆さんがここまで連れて来てくださったと思います」と客席に感謝。「どうかどうか45日間の(披露興行の)船出です。ついてきてください」と呼びかけた。(取材・文=渡邉寧久)

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 台風25日が接近する夜、大初日を迎えた一花は「嵐を呼ぶ真打ちでございます」と口を開いた。「楽屋はすでに打ち上がっております。甘いもの、辛いもの、お客さまからいただいたお酒で。(午後)9時15分までに(高座を)降りて来いと言われています。この後(の打ち上げ)は焼き肉です」と、楽屋裏の様子を伝えた。

 8月2日の会見時、披露興行で気を付けることを聞かれた一花は「楽屋ののせもの(=食べもの)を充実させたい」と答えていたが、まずは公約を実現した形だ。

 この日の鈴本演芸場を皮切りに、新宿末広亭(10日間)、浅草演芸ホール(10日間)、池袋演芸場(10日間)、国立演芸場寄席(5日間)と続く、45日間の長旅。単独昇進のため、連日ひとりでトリを務める。

 一花は「雨の中これだけの皆さんが足を運んでくださって感無量でございます。何でもないんですよ、私。皆さんがここまで連れて来てくださったと思います」と謙そんを交えつつあいさつ。「落語(をしゃべっている)の時間が一番楽しいという気持ちにうそ偽りはございません。どうかどうか45日間の船出ですので、ついてきてください」と呼びかけた。

 真打ちとしての初高座は、そそっかしい男がやらかすネタ「粗忽の釘」を「一門の(得意とする)噺です」と選択した。

 自分自身の性格について高座で「せっかちで短気なんですよ」と明かす一花は、粗忽の地金を表すかのように落語家が高座に持って上がらなければならない扇子と手ぬぐいのうち、手ぬぐいを忘れるという失態をやらかした。

 ネタの途中で忘れ物に気づいたが、それでも焦ることなく「手ぬぐいを忘れました」と打ち明ける。

 緊急事態を察知した後輩芸人の柳家小はだ(36)は、同じく後輩芸人の橘家文吾(34)が持っていた手ぬぐいをすぐさま舞台袖から投げ入れ、一花の急場を救った。ハプニングさえも、チームプレーが笑いに変えた。

 番組(プログラム)の途中で行われた「真打ち昇進披露口上」には、柳家三三(52)、橘家圓太郎(63)、林家たい平(61)、林家正蔵(63)、春風亭一朝(75)が並び、祝いの言葉を送った。

 司会を務めた三三は「一花の芸は人柄だ、どうしても応援したくなる人柄あります」と芸同様に人柄をプッシュ。圓太郎は「お客さまのまなざしが成長させます」と客席のさらなるご贔屓を願い、たい平も「これから大きな大きな大輪の花を咲かせると思います。どんな花かは一花さんも分からない。肥料を与えてください、陽の光を与えてください。落語を聴くことが一番の肥料になります、栄養になります」と、観客に寄り添うことを期待した。

 落語協会会長としては初めて口上を述べた正蔵は「人間国宝の(五街道)雲助師匠が『落語の神様に見初められたね』って、一花さんのことを言ったんだよ。うれしかったねぇ」と高座裏でのエピソードを披露。

 一花の師匠の一朝は「これから45日、続きます。毎日高座に上がりますので、芸を磨くのにはもってこいです。誰からも愛される噺家になれますように、高いところからでありますがひとえによろしくお願いいたします」と、まな弟子のために深々と頭を下げた。

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