「炎上は容易に予見できた」“しぐれうい×メゾピアノ”コラボ、識者が指摘する企業対応の最適解
ゲームやメディアなどの事業を手掛ける株式会社colyは17日、VTuberとしても活動するイラストレーター「しぐれうい」と、人気子ども服ブランド「mezzo piano(メゾピアノ)」とのコラボ企画「しぐれうい×mezzo piano」を中止すると発表した。その後、しぐれういがSNSを通じ「様々なご意見をいただきましたこと、また私を含む関係者への暴力行為を示唆する脅迫もあり、安全を考慮し本コラボレーションは中止となりました」と理由を説明。同コラボを巡っては、過去にしぐれういが小児性愛者をテーマにした楽曲をリリースしていることなどから、疑問の声が上がり、一部で物議を醸していた。一連の対応は適切だったのか。ネット炎上に詳しい専門家に見解を聞いた。

小児性愛者をテーマにした過去の楽曲と、実在の女児服が結び付けられることに懸念の声も
ゲームやメディアなどの事業を手掛ける株式会社colyは17日、VTuberとしても活動するイラストレーター「しぐれうい」と、人気子ども服ブランド「mezzo piano(メゾピアノ)」とのコラボ企画「しぐれうい×mezzo piano」を中止すると発表した。その後、しぐれういがSNSを通じ「様々なご意見をいただきましたこと、また私を含む関係者への暴力行為を示唆する脅迫もあり、安全を考慮し本コラボレーションは中止となりました」と理由を説明。同コラボを巡っては、過去にしぐれういが小児性愛者をテーマにした楽曲をリリースしていることなどから、疑問の声が上がり、一部で物議を醸していた。一連の対応は適切だったのか。ネット炎上に詳しい専門家に見解を聞いた。(取材・文=佐藤佑輔)
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しぐれういは三重県出身のイラストレーター。VTuberとしても活動しており、2022年5月にリリースされた代表曲『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』は、9歳の女児が小児性愛者に罵声を浴びせるという内容の歌詞で、YouTubeの再生回数はVTuberのオリジナル楽曲では史上初とされる1億回を突破している。
今回のコラボについては、小児性愛者をテーマにした楽曲と実在の女児服が結び付けられることに、「メゾピアノもう買えない」「しぐれういは好きだけど、今回のコラボは違う」といった疑問や懸念の声が多く寄せられており、炎上状態に。一部ネット上で、イベント開催の具体的な日時とともに「客ぶっ殺そ」といった殺害予告が行われるなど、波紋が広がっており、各地で開催が予定されていたポップアップショップや記念グッズの先行販売などを含め、コラボの全面中止が発表されている。
なお、『粛聖!! ロリ神レクイエム☆』を巡っては、2023年にもNHK Eテレ『おかあさんといっしょ』の「うたのお兄さん」で知られるタレントの横山だいすけが、SNSに曲のダンス動画を投稿。批判の声が殺到し、横山が謝罪した過去がある。
企業炎上に詳しい国際大学グローコム客員研究員の小木曽健氏は、今回の騒動について「『失望した』『もう買わない』と個人が表明することは自由ですが、嫌い=悪ではない。違法ではない以上、どんな表現やコラボをするかは企業の自由であり、組織的な不買運動や過剰な制裁を求めるキャンセルカルチャー(法に基づかない社会的制裁文化)は好ましくありません。ましてや脅迫や殺害予告は紛れもない犯罪であり、表現の自由に対するテロ行為です。絶対に看過してはいけません」と前置き。その上で、一連の企業対応についてこう指摘する。
「今回のコラボでは、ある程度炎上することは容易に予見できました。企業としては、賛否あるコラボに踏み切るなら批判の声が上がることまで想定した上で、事前に社内でしっかりと論点整理を行い、議論が巻き起こったタイミングで『なぜこの企画をやるのか』を示すべきでした。また、全面的な企画の中止も、気に入らない表現は炎上させればつぶせるという『成功体験』を与えることにつながってしまうので、延期やオンラインでの開催など、何らかの余地を残せたらよかったと思います」
小木曽氏が炎上対応の好例として挙げるのが、1週間ほど前に話題となった、福岡・八女市の神社、福島八幡宮のダンス動画だ。
同社では、若い人にも神社に興味を持ってもらおうと、巫女装束の職員らが境内でダンスを披露する動画をSNSに投稿。今月上旬、「神聖な境内で不謹慎だ」「外国人が真似をする」など批判の声が寄せられると、すぐさま公式サイト上で「参拝や祭典、通行の妨げとならず、安全や周囲への配慮、神前への敬意が保たれている限り、境内での撮影やダンス等を一律に禁止しておりません」「当該動画が神社の尊厳や品位を損なうものとは考えておらず、現時点で動画を削除する予定はありません」と見解を表明、批判の声を退けた。現在は「出演者および関係者の安全やプライバシー、現在の生活および就業上の立場を守る必要性」から一部動画の公開を取り下げているものの、「これは、境内での撮影やダンス等に関する当宮の見解や方針を撤回するものではありません」と明言している。
「福島八幡宮は批判が起きうることを事前に想定し、あらかじめ論点を整理した上で備えていたと思われます。神社離れが進むなか、若い人に興味を持ってもらおうと始めた試みとのことで、神社側もリスクを取って行っており、違法行為でない以上、表現の自由の範疇(はんちゅう)と言えるでしょう。信念があってやっている以上、第三者からの批判に安易に迎合せず、明確なスタンスを示すことが大事なのです」
今後の展開について、「表現の自由を守るためにも、脅迫や殺害予告などの妨害行為については、刑事告訴や損害賠償請求など、警察とも連携して徹底的にやっていくべき」と小木曽氏。企業側にとっては、炎上を想定し、適切に対処する必要性が高まっている。
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