杏ジュリア、歌と芝居に全力投球「完全燃焼したい」 自主練のために自宅に作った防音室
元アイドルグループ・超ときめき♡宣伝部の杏ジュリアが、今月19日から東京・新国立劇場中劇場で上演の『スクールアイドルミュージカル』(岸本功喜演出)に出演する。同作の上演は3度目で、杏は初演から一貫してお嬢様キャラ・北条ユキノを演じている。グループは今年3月で卒業したが、今も舞台で“かわいい”を追求している。

『スクールアイドルミュージカル』で再び北条ユキノ役
元アイドルグループ・超ときめき♡宣伝部の杏ジュリアが、今月19日から東京・新国立劇場中劇場で上演の『スクールアイドルミュージカル』(岸本功喜演出)に出演する。同作の上演は3度目で、杏は初演から一貫してお嬢様キャラ・北条ユキノを演じている。グループは今年3月で卒業したが、今も舞台で“かわいい”を追求している。(取材・文=大宮高史)
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杏は、『スクールアイドルミュージカル』に2022年の初演から出演している。グループ卒業後の舞台出演は初だが、あらためてこの役を演じられる喜びを稽古場で実感している。
「またユキノちゃんとして出演できることは、素直にうれしいですし幸せです。お稽古が始まるまでも『今年はどんな感じになるんだろう』って想像が止まりませんでした。それが稽古のお芝居で実感に変わって、楽しみな気持ちがどんどん増してきています」
同作は大阪の芸能コース選抜アイドル部の活躍でブランド化に成功した、滝桜女学院と兵庫の昔ながらの進学校、椿咲花女子高の「アイドル部」が舞台で、杏が演じる北条ユキノは、椿咲花女子高アイドル部のメンバー。初演時から一目ぼれしていたキャラクターだった。
「ユキノちゃんのようなおっとりのんびりした性格の子が、リアルでも二次元でも“推し”で大好きなんです。ただ、お芝居は彼女の性格になりきるのとは違います。小さな声ではマイクに乗らないですし、声量や動きにもエネルギーが要ります。どう彼女ののんびりした空気感を出すかは毎回悩みますし、考えてきました。コメディーの要素もあって、椿咲花はほわほわした面白い子が集まっているので、そんな日常と熱いパートの緩急もつけたいです」
愛ゆえの追求。アニメや絵に頼らない舞台での表現ゆえ、細部までこだわる。
「前回を超えたいのはもちろんです。以前アフレコをさせていただいた時の、声のお芝居でのディレクションもすごく刺激になったので、思い出しています。それにしゃべっていない時の仕草や行動の一つひとつにも、まだまだユキノちゃんのかわいさを詰め込めるって思っています。自分自身しか彼女を三次元で表現できる存在はいないことに、責任を感じます」
杏は今年3月に超ときめき♡宣伝部を卒業した。6か月間、グループ時代からの持ち味である伸びやかな歌唱力やバレエ仕込みのダンスに加え、芝居も磨いてきた。
「春まではほぼ歌やパフォーマンスに注力してきましたが、卒業してからはやってみたかったお芝居を研究する時間も増えました。お家に防音室を作って、歌とお芝居の自主練をしています。『見たい!』と思った舞台もたくさん見に行きました。『あんな演技ができるようになりたい』っていうモデルが溜まってきて、引き出しも増えたと思います」

4年前の声で成長を実感「勲章だなって思って大切に」
支えになっているのは、ユキノへの憧れと4年前に録音した自分自身の声だという。
「ユキノちゃんには初演の時から、自分の中に明確なイメージがあります。そのかわいさに私が追いつけない時期が長くて、かわいさを追求してきました。初演の初稽古の時に録ったユキノちゃんの声を今も持っていて、いつでも聴き返せるんです。今の声と全然違っていて、成長の勲章だなって思って大切にしています」
約1年半ぶりの再演で今作が初参加のキャストもいる中で、初演から出演継続の杏は“ベテラン”でもあるが、常に「素直な22歳」でいる。
「ここでは結構、年上の方からも敬語で話しかけられます(笑)。でも、カンパニーの中では年下メンバーだし、アイドルだった7年間も、敬語を使われるなんてほとんどなかったので慣れないですね(笑)。もっとフランクに話してくださっても全然いいですし、私も皆さんのかわいいところにはすぐときめいてしまうので、稽古場に来てから帰るまで全ての時間が楽しいです」
アイドル時代もメンバーと「青春」を歌い、今作でもアイドル部での活動に情熱を燃やすが、年齢や肩書きで青春に線引きをするつもりはない。
「何歳になっても、何にでも挑戦したいっていう若い気持ちを持っている限り、青春は続けられると思います。スクミュの物語も青春が詰まっているので、私も頑張る気持ちとか挫折した時の悔しさとか、毎日味わっていますね」
それでも、「もし、出会ってからずっと愛してきた北条ユキノを卒業する日が来たら?」の問いには、迷いのない答えを返した。
「再演の度に『次も私に来る保証はない』って覚悟はしています。その時に『もっと、こうしておけば良かった』という後悔だけはしたくないです。だから、毎公演で『ユキノちゃんとして生き切った』と、完全燃焼できるお芝居を見せたいです。そのイメージを持って、初日を迎えたいですね」
芸能界入りして初めて経験する一人で歩む日々だが、今を新鮮に見つめている。
「前回のスクミュが終わってからは、ステージに立つ杏ジュリアとしての残りの日々を全力で生きることが第一でした。それが過ぎて『来年自分が何をしているか分からない』っていう今の毎日も、『面白いな』と思っています。分からないからこそ長い目で目標を立てるより、今の私が直感でやってみたいことを何でも経験して、後悔なくその日を生きてみたいです。その積み重ねで、『これがベストなんだ』と確信できる未来が来ると思います」
心で感じたときめきを昇華させていく。そんな杏の軌跡は、これからも確かに続く。
□杏ジュリア(あん・じゅりあ)2004年1月15日、東京都生まれ。18年にときめき?宣伝部(現・超ときめき♡宣伝部)に加入。24年に『最上級にかわいいの!』がSNSでバイラルヒットし、翌年も『超最強』がヒット。自身の人気も上昇している中、今年3月29日にグループを卒業。『スクールアイドルミュージカル』では、22年の初演から北条ユキノ役を演じ、24年のMBSドラマ版にも同役で出演。特技はクラシックバレエ、スプーン曲げ。157センチ。
<公演概要>
『スクールアイドルミュージカル』
9月19日~26日 東京・新国立劇場 中劇場
原作:矢立肇 原案:公野櫻子
脚本・演出:岸本功喜 作曲・編曲:小島良太
出演:堀内まり菜、宮本佳林、浅井七海、安本彩花、南野巴那、杏ジュリア、仲村悠那、及川結依、清水理子、井上音生、由良朱合、村山結香、岡村さやか、蒼乃夕妃ほか
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