玄理、変幻自在の殺し屋役は「オモロいな」 韓ドラ出演への特別な思い「温かい思い出が」

俳優の玄理が、ディズニープラス「スター」で独占配信中の韓国オリジナルドラマシリーズ『殺し屋たちの店2』で、世界的な殺し屋組織「バビロン」のチームリーダー・Qを演じている。任務ごとに姿を変え、屈強な男たちを率いるQを、どのように演じたのか。自身のルーツにつながる韓国での仕事や、国境を越えて広がる俳優としての現在地とともに聞いた。

インタビューに応じた玄理【写真:高田啓矢】
インタビューに応じた玄理【写真:高田啓矢】

『殺し屋たちの店2』チームリーダー・Q役でアクションにも挑戦

 俳優の玄理が、ディズニープラス「スター」で独占配信中の韓国オリジナルドラマシリーズ『殺し屋たちの店2』で、世界的な殺し屋組織「バビロン」のチームリーダー・Qを演じている。任務ごとに姿を変え、屈強な男たちを率いるQを、どのように演じたのか。自身のルーツにつながる韓国での仕事や、国境を越えて広がる俳優としての現在地とともに聞いた。(取材・文=猪俣創平)


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 本作は、唯一の保護者だった亡きおじ・ジンマン(イ・ドンウク)が残した、殺し屋たち御用達の武器販売店を譲り受けた大学生のチョン・ジアン(キム・ヘジュン)が、謎の殺し屋たちから自らの命と店を守るため、極限バトルを繰り広げるノンストップ・サバイバル・サスペンス。

 玄理演じるQは、第1話のラストで意味深に登場し、第3話ではアクロバティックなアクションを披露する。その感想を伝えると、「本当ですか!? うれしい!」と表情をパッと明るくし、「撮っていると客観的に分からなくなってくるので、感想を聞けてうれしいです」と声を弾ませた。

 今回、本格アクションに初挑戦した玄理は、筋肉をつけて体重を約5キロ増やし、アクションと射撃のトレーニングも積んだ。では、Qをどのような人物として捉えたのか。

「これまで『女性の殺し屋』と言えばクールで冷徹なイメージが多かったと思います。でも、Qの場合は『オモロいな』というのが第一印象でした。スパイ捜査、暗殺、人質救出と、任務のたびに彼女は自分なりのコンセプトを持って、全く違う人物になりきって挑むんです。フルウィッグをつけたり、メイクを変えたり、すごくタイトなボディコンを着たりしています」

 役作りを進める上で、監督との会話が大きな手がかりになった。

「監督が『彼女は殺し屋じゃなかったら、女優になっていたんじゃないか』という面白いヒントをくださいました。それと、『パルセクチョ(八色鳥)のような、カラフルな人だと思う』と言われたことも、すごく印象的でした」

 そうした多彩さに加え、Qの人物像に奥行きを与えているのが、弟・J(岡田将生)との関係だ。ジアンらと敵対する「バビロン」の屈強な男たちを束ねる一方、Jの前では姉としての表情をのぞかせる。

「各場面で全く違う人物になりきろうとする姿には、彼女独特のユーモアと、完璧主義なプロフェッショナルさの両面を感じます。大きな男たちを率いるリーダー感がありながら、Jと2人きりで生きてきたからこその、姉としての気遣いもあります。いろいろな側面が立体的に重なってQという人物を作っているので、ステレオタイプな殺し屋ではないところが、とても魅力的だと思いました」

 玄理にとって、韓国作品への出演はNetflixシリーズ『恋の通訳、できますか?』に続いて2作目となる。日本で生まれ育ったが、自身のルーツにつながる韓国作品への出演には、特別な思いがあった。

「ずっと出てみたかったのですが、なかなかご縁がありませんでした。今は日韓合作がすごく増えていますよね。自分の努力だけではなく、タイミングや時代に恵まれた面もあるんじゃないでしょうか」

今後の目標を明かした玄理【写真:高田啓矢】
今後の目標を明かした玄理【写真:高田啓矢】

「海外で仕事をする意味も変わってきている」

 喜びをかみしめる一方、撮影中に胸にあったのは、韓国で暮らしていた祖母への思いだった。

「韓国には祖母がいて、祖母との温かい思い出があります。いつか韓国で作品を撮ったら祖母に見てもらえるというのが大きなモチベーションになっていました。祖母は、『恋の通訳』を撮っている時に亡くなってしまったのですが、韓国の作品にまた出たいという気持ちはずっとあったので、今回も出演できてとてもうれしいです」

 日本語、韓国語、英語を操り、国内外の作品に出演してきた玄理。国や言葉の垣根を越えて仕事をすることは、20代の頃から抱いてきた目標だった。

「デビューした頃から一貫して、いろいろな国の人と、いろいろな国で仕事をしたいと思っていました。日本、韓国、アメリカを拠点に仕事をすることも目標でした。やっと30代になって、その環境が整ってきた感覚があります」

 配信プラットフォームの広がりによって、海外で仕事をすることの意味も変わってきたと実感している。

「今は世界へ作品を届けられるプラットフォームがあるので、必ずしもアメリカなど海外へ行かなければいけないわけではないですよね。日本国内で作られた面白い作品でも、世界中のたくさんの人が見てくれる。海外で仕事をすることの意味も変わってきていると思います。時代の流れを見ながら、またいい作品と巡り合えたらと思っています」

 最後に、今後の目標を尋ねると、「今回つけた筋肉を失いたくないので、またアクションにもチャレンジしたいです」と笑顔を見せた。

 Qという新たな色をまとった経験は、玄理の表現をまた一段、鮮やかなものにした。

□玄理(ひょんり)1986年12月18日、東京都出身。日本語・英語・韓国語のトリリンガル。中学時代にイギリスへ短期留学し、大学在学中には韓国へ留学、現地の演技学校にも通う。2014年の主演映画『水の声を聞く』で第29回高崎映画祭最優秀新進女優賞、2017年にソウル国際ドラマアワードでアジアスタープライズを受賞した。近年の出演作はNetflixシリーズ『今際の国のアリス season3』(2025年)、Netflixシリーズ『恋の通訳、できますか?』(26年)、NHK連続テレビ小説『風、薫る』(26年)など。

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