ネット配信から紅白、ドーム…すとぷり・莉犬が語った「すごい人生」 何者でもなかった6人の10年物語
2.5次元アイドルグループ・すとぷりの莉犬(りいぬ)が、Podcast番組『テンプスタッフpresentsここチル。』で新コーナー『莉犬のコレわかり~ぬ!?』のMCに就任した。すとぷりは、今年で活動10周年。この機にENCOUNTは莉犬を単独インタビューし、その素顔と日頃の思いに迫った。

Podcast番組でコーナーMC
2.5次元アイドルグループ・すとぷりの莉犬(りいぬ)が、Podcast番組『テンプスタッフpresentsここチル。』で新コーナー『莉犬のコレわかり~ぬ!?』のMCに就任した。すとぷりは、今年で活動10周年。この機にENCOUNTは莉犬を単独インタビューし、その素顔と日頃の思いに迫った。(取材・文=大宮高史)
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同番組はDa-iCEの岩岡徹がメインMCを務め、「せわしない日々の中で、ほっとひと息できる場所」がコンセプトになっている。7月15日から配信がスタートした『莉犬のコレわかり~ぬ!?』は、「自分の中では理由があるものの、なかなか人に共感してもらえない“マイルール”“クセ”“価値観”」などを募集。莉犬が自身の経験も交えながら、リスナーのモヤモヤに寄り添うメッセージを届けていく。そして、収録を終えたばかりのスタジオで、莉犬がリスナーとの対話から得た驚きを語った。
「リスナーさんのお便りはどれも個性的で、収録中もずっと楽しかったです。皆さんの不思議な癖を聞いているうちに、『自分はどうだろう?』って意外な発見もあります。例えば僕、どうしても指先でいろいろなものをいじっちゃうんです。ペン回しは得意じゃないけれど、気づくとクルクルさせています。手先も器用ではないんですけどね(笑)」
素直にはにかむ一方、岩岡徹との番組作りを楽しみにしている。
「岩岡さんはとても落ち着いていて、かっこいい方。僕は普段、どうしてもソワソワしてしまいがちなので、自分だけがちょっとうるさい子どものように見えてしまわないか、少し不安もあるかも。大人の余裕も持って、番組を作っていきたいです」
このコーナーは、「リスナーがふとした瞬間に感じた疑問にも寄り添う」がテーマ。莉犬自身にも、世間体に縛られない素朴な感性を認めたい思いがある。
「例えば『家族は大事にすべき』という意見。もちろん大切な存在ですが、どうしても大事にできなくなってしまった家庭だってきっとありますよね。そういった綺麗ごとで片付けられない事情も、僕は否定したくないですね。みんな生きてきた環境が違うのだから、分かり合えない時だってあります。自分の気持ちを相手に押し付ける必要はないし、逆に、相手に自分を無理やり合わせる必要もないんだなって思います」
“歌ってみた”に始まる音楽活動に加え、配信でのファンとの交流もすとぷりの軸であるゆえ、聴き手に寄り添う思いは強い。莉犬なりの“寄り添う”信念も明かした。
「相手の全てに共感したり、納得するだけが『寄り添う』ではないと思っていて。自分とは違う部分があっても、違いをありのままに認めてあげることで、互いの心の隙間も埋まります。このコーナーでも、リスナーのお話に『あるある!』ってうなずく時もあれば、『そんなことあるんだ?』って驚く時もあると思います。その感性の違いさえも、せっかくお便りをくれた人の個性として尊重したいです」
こうした優しい眼差しは、そのまま莉犬の作る楽曲にもつながっている。
「歌は聴いてくれる人はもちろん、僕自身の心にも寄り添ってくれるものです。僕のこれまでの悩みや経験が反映された曲が、誰かのつらい時や、前向きになりたい時に聴く1曲になっています。届けたい思いがファンの方々に伝わっているという実感は、僕たちのグループならではですね」

テレビ番組で何も話せなかった日
10年を迎えたすとぷりとしての歩みも、画面越しに思いを寄せてくれた人たちとの対話そのものだった。2016年に顔を出さないまま結成されたグループは、配信をベースに急成長。ステージライブや楽曲配信も始め、同世代から熱烈な支持を得る。22年にはドームツアー、翌23年には『NHK紅白歌合戦』初出場を果たした。どんな時でも、ファンの熱量に応え続けてきた自負もある。
「僕たちは音楽ありきで始まったグループではないですし、ライブをするなんて目標ですらありませんでした。いつもリスナーさんたちが『会いたい』『CDを作って』と言ってくれる声に応えて、一歩ずつ進んできた結果なんです。何者でもない人間だった6人が、皆さんの思いに応えることで、経験も思い出もここまで増えてきました」
活動の原点は、インターネットの文化に憧れた10代にある。かつて聴き手として憧れた表現の場に、少しずつ足を踏み入れていった。
「ニコニコ動画の生配信が好きで育ってきたし、しゃべりが上手い芸人さんだとオードリーさんが好きでした。でも、芸人さんのようには到底なれないなと思っていて。テレビに出させていただいても本当に一言もしゃべれなくて、『莉犬くん、今回しゃべってた?』と言われたくらいです。けれど、こうしてラジオで一人でしゃべれるようになったのも10年間での成長ですね。それに東京ドームでライブまでできて…すごい人生です」
大きな舞台を経験しても、素顔はどこまでも等身大。仲間と共に走る中で、莉犬は自分自身の「個性」にも気づいていったという。
「活動してきて、自分一人で何かを突き詰めるよりも、誰かと一緒に目標に向かう方が力を発揮できるタイプなんだと気づきました。曲を作る時も『ファンの方にどう届けたいか』からアイデアが広がっていくので、皆のおかげで表現ができています」
だからこそ、ともに年を重ねて歩んでくれるファンの存在は、活動を続ける一番の理由だ。
「僕のリスナーさんは、誰かの気持ちに寄り添いたいと思ってくれる優しい人ばかりです。そんな方々からもイベントで『就職したよ!』といった報告をもらえるので、一緒に人生を歩んでこられたのもうれしいし、思いを分かち合える場を持って良かったなと思います。この『莉犬のコレわかり~ぬ!?』だけでなく、みんなが癒される場所を作っていくので、いつでも安らぎに来てください」
違いを認め、孤独をそっと包み込む莉犬の優しさは、これからも誰かの毎日を明るくしていく。
□莉犬(りいぬ) 1998年5月24日生まれ。2.5次元アイドルグループ・すとぷりの赤色担当。2016年に活動開始し、配信活動や「歌ってみた」に加え、作詞やアニメ制作も手がけるなど多彩に活動。24年のアニメ映画『劇場版すとぷり はじまりの物語~Strawberry School Festival!!!~』では、主演声優を務めた。YouTube チャンネル登録者数は230万人、TikTok フォロワー数130万人、各SNSの合計フォロワー数は867万人。25年5月にはオリジナルアニメの漫画が発売。同年8月には、3枚目フルアルバムリリース&日本武道館でのワンマンライブ2DAYSを開催。同12月には、神戸で追加公演を開催した。今年7月には、初の自著『生きづらいぼくたちへ』を出版。
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