中村七之助、結婚後初の平成中村座に「妻とともに楽しみたい」 4年ぶり浅草開催に歓喜

歌舞伎俳優の中村勘九郎、中村七之助、勘九郎の息子の中村勘太郎、中村長三郎が28日、都内で行われた『平成中村座 十月大歌舞伎』製作発表記者会見に出席。勘九郎と七之助が、昨今の物価高の影響について語った。

会見に出席した中村長三郎、中村七之助、中村勘九郎、中村勘太郎(左から)【写真:ENCOUNT編集部】
会見に出席した中村長三郎、中村七之助、中村勘九郎、中村勘太郎(左から)【写真:ENCOUNT編集部】

『平成中村座 十月大歌舞伎』製作発表記者会見

 歌舞伎俳優の中村勘九郎、中村七之助、勘九郎の息子の中村勘太郎、中村長三郎が28日、都内で行われた『平成中村座 十月大歌舞伎』製作発表記者会見に出席。勘九郎と七之助が、昨今の物価高の影響について語った。


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 平成中村座は勘九郎と七之助の父親で、2012年に亡くなった十八世中村勘三郎さんが00年に立ち上げた舞台。江戸時代の芝居小屋を現代に復活させ、舞台と客席が一体となった空間で観劇することができる。寛永元年(1624年)に初代猿若(中村)勘三郎が江戸で初めて幕府公認の芝居小屋『猿若座(のちの中村座)』を建てたことが江戸歌舞伎の発祥とされている。座元は代々の中村勘三郎が勤め、中村座は寛政の改革で浅草の地に移された経緯がある。今回、2022年10・11月公演以来4年ぶりに浅草で平成中村座が開催される。

 勘九郎は「昨今のこの物価高の中、中村座は一から建てるもので、昔と違って1か月の興行だけで行うのは、なかなか難しくなってきました」と告白。「物価がそれほどでなかった時でも、黒字になるか赤字になるかトントンという中でやらせていただいていましたが、今は資材の値段が全然違う」と明かした。しかし「皆さま方の力、心意気ですよね。松竹の皆さまはもちろん、フジテレビさん、浅草や浅草寺さんも含め、皆さまのご協力のもと中村座ができること、本当にうれしく思います」と感謝し、「江戸時代にタイムスリップできるような小屋で文化に触れていただく。一人でも多くのお客さまにそれを感じていただきたい」と語った。

 また七之助も、「兄が言いました通り、大人の事情を考えると絶対的にやらない興行でしょう。ですが松竹の皆さまをはじめ、私たち歌舞伎役者、それに携わる人たちは、楽しむことが好きなんじゃないですかね。ひとつのことを成し遂げようという力、思いが、すごく強い。何よりもその先にはお客さまがいる。お客さまに楽しんでもらおうという精神が、この平成中村座をやる意義、形ではないでしょうか」と語った。さらに、4年ぶり開催の発表と同時に「私の友達とか、いろいろな界隈がざわつきました」と反応を明かした。

 今回、第一部では父・勘三郎さんと勘九郎、七之助が3人で踊ってきた舞踊『連獅子』を、勘九郎、勘太郎、長三郎の親子3人で初めて勤める。第二部では浅草・花川戸が舞台の華やかな『助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつざくら)』で、勘九郎が主人公・花川戸助六を初役で挑む。助六役は片岡仁左衛門が指導。千秋楽までの最後の3日間(10月23日?25日)は、仁左衛門が特別出演する。

 勘九郎は「平成中村座で『助六』をやるというのが父の夢のひとつだったので、父も多分悔しがっていると思う。4年ぶりの浅草の境内で、父の意志を継いで、その思いを僕の肉体を通してぶつけることができたら」と意気込んだ。色気のある助六役に気負いはないか聞かれると、「平成中村座を出て100メートル歩けば花川戸ですからね。目と鼻の先に花川戸があるっていうのは、大きな力になっています」と語り、「浅草の仲見世メンバー、江戸っ子の気っ風の良い人たちの空気感、そういう装いを街全体がまとっているので、気負わずとも助六という空間に自ずと入っていけば大丈夫じゃないかなと思います」と自信を見せた。

 七之助は同作で、女方の大役・揚巻に3度目の挑戦。「平成中村座は何(の演目)でも合うのですが、私も『ここで助六をやったら楽しいだろうな』と心から思っていました。父が生きている時に、『お前、俺が助六やるから、揚巻できるようにしときなよ』と言っていたことを、ずっと胸に秘めていました」と明かし「最高の万全な『助六』をお見せできると思っていたら、さらに仁左衛門のおじさまに数日出ていただけるという、盆と正月がいっぺんに来ちゃったスペシャルな『助六』になった」と驚いた。

 仁左衛門は10月2日から20日まで歌舞伎座に出演し、千秋楽後に平成中村座へ。七之助は「こういう精神って、久しぶりに思い出したというか。コロナのせいで今の演劇界はいろいろ制約が生まれてきてしまったけど、うちの父たちが戦っていた頃は、『あ、やるの? 出るよ』って、活気のある歌舞伎がありました」と思い返し、「今回は仁左衛門のおじさまが言ってくださらなかったら叶わなかった。『(活気が)戻ってきたな』と思います」と喜んだ。

 七之助は2025年4月22日に結婚。今回は結婚後初の平成中村座。心境を聞かれると、「妻も中村座の芝居はもちろん見に来たことはあります。妻として(入口などで対応するの)は初めてなので、楽しみにしています。家族で、妻とともに楽しみたいなと思います」と笑顔を見せた。

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