青木真也、朝倉未来戦は「正直びっくり」 10年ぶりRIZIN電撃参戦の裏側「求めたものは全部飲んでくれた」
総合格闘家の青木真也(43)が、13年間主戦場とした「ONEチャンピオンシップ」に別れを告げ、約10年ぶりにRIZINのリングに帰ってくる。格闘技イベント「超RIZIN.5 浪速の超復活祭り」(9月10日、大阪・京セラドーム大阪)に参戦し、“路上の伝説”朝倉未来(34=JAPAN TOP TEAM)と激突することが発表された。独占取材に応じた青木が、決断の真意を語った。

昨年11月の試合も決断に影響「あの形のままじゃ終わらせねぇ」
総合格闘家の青木真也(43)が、13年間主戦場とした「ONEチャンピオンシップ」に別れを告げ、約11年ぶりにRIZINのリングに帰ってくる。格闘技イベント「超RIZIN.5 浪速の超復活祭り」(9月10日、大阪・京セラドーム大阪)に参戦し、“路上の伝説”朝倉未来(34=JAPAN TOP TEAM)と激突することが発表された。独占取材に応じた青木が、決断の真意を語った。(取材・文=島田将斗)
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「RIZINで最後よ」。かつてポロっと漏らした言葉が、現実になろうとしている。
これまで決して直接触れることはしてこなかった。平成後期から令和の時代にかけて朝倉未来が日本格闘技界のセンターに立つなか、青木は一定の距離を取り、“批評”するという立場を貫いてきた。会見で話題を作るためにその名前を使ったことはあるが、対戦の可能性を聞かれると「やりたくない」と一蹴したこともある。近年では“朝倉未来経済圏”という言葉も生み出し、あえて離れた位置から一つの事象として扱ってきた。
青木はここ数年、「引き際」という言葉を多く口にしている。DEEP、修斗、PRIDE、DREAM、ONEチャンピオンシップと常に真ん中で走り続けてきたが、40代に入ると、自身を“介錯”する相手をずっと模索してきた。しかし、これがなかなか見つからない。残された時間が少ないなか、ONEが昨年11月に組んだのは、階級も異なり、物語もない手塚裕之だった。
幕の内弁当的に日本大会のために組まれたと言っても過言ではないカードを「仕事」として引き受けるも、結果は2R・TKO負け。試合後の「最高のプロレス」という、マスには伝わりにくいワードチョイスで炎上までしてしまった。この出来事が、今回の決断にも大きく影響している。
決断の理由を問うと、青木は腕を組み、窓の外を見つめながら沈黙。しばらくして、口を開いた。
「うーん……あのまんまじゃ終わらない。(昨年の)11月のままじゃ終わらせねぇぞって。自分のやってきたことが、あの形のままじゃ終わらせねぇぞって気持ちが強かったんですよね」

試合は「全く楽しみじゃない」
そんななか、13年間主戦場にしてきたONEチャンピオンシップとの契約が切れた。
「ONEもひと言『ありがとう』って言ってくれればいいんですけどね……。そうすれば全部、収まる。全部収めてやるんですよ。『今までありがとうね』って言ってくれれば全部収まるんです。結果として昨年のあの日から、なし崩し的に連絡取れなくなって。しゃべらせてくれって言ってもしゃべる機会ももらえずに終わってる。そうなると時間が解決するしかない。『ありがとう』を言ってくれれば全部終わったんですけど。でも、それを言ってもしょうがない。青木真也の物語は、青木真也の話として進んでいきます」
その後、すぐにRIZINからのオファーが舞い込んだという。「『これで仕事どうですか?』って言っていただいて、もう条件も相手も申し分ないからやると決めたという所ですね」と明かした。
正直に言えば、RIZINからオファーが来ることは予想がついていた。しかし、「条件を下げてまではやらない」。プロとしての矜持(きょうじ)もあるため、「縁がないんだろうな」と思っていた。それでも、RIZINはそんな想像を良い意味で裏切った。「俺が求めたことを全部、現状飲んでくれました」と満足そうにうなずいた。
青木がRIZINで試合をするのは、約10年前の大みそか以来。桜庭和志と対戦し、1R・TKO勝ちを収めた。そんな物語もあり、対戦相手として嘱望されていたのは、和志の息子で階級も同じライト級の桜庭大世だった。
「なんか業界を見ていて、『やるんだったら桜庭大世かな』とは思ってたんですよ。だから朝倉さんだってRIZINに言われて、正直本当にびっくりで。これ以上ないじゃん、これ以上はないなと思ったんですよね」
今後、この試合を巡ってはさまざまな情報が飛び交う。青木は「外側の話もいっぱいあると思うんです。でもあくまでも僕の闘争。俺の話なんで、朝倉未来の話でもないですよ。他は知ったこっちゃないですよ」と釘を刺す。
43歳でこのようなビッグマッチが組まれるのは稀だが、試合については「全く楽しみじゃない」と煙に巻いた。
「やっぱり好きじゃないんだよなぁ、格闘技。もう十分、もういいやって。宇野薫見ても、北岡(悟)見てもそうだし、所(英男)さん見てもそうだし……自分の思う“プロの側”みたいなのを守りたいですよね」
この日は腕を組んで、時折、天を見上げる時間が多かった。「“これ以上がないこと”をやるっていうことは、まぁ……次はないんでしょうね。(相手が)いるんだったらやるよ。でも現実問題、これ以上はないですよ」と、午後の日差しが強くなっている窓の外をまぶしそうに見て、まるで他人事のようにつぶやいた。
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