「自分の声が嫌いだった」原菜乃華を救ったアニメ初主演作での言葉 武器になった“コロコロ変わる表情”
俳優の原菜乃華が、今月17日公開のアニメ映画『君と花火と約束と』(鈴木慧監督)でヒロインの葉山煌役を務めている。子役からのキャリアは長く、声優としても『すずめの戸締まり』から、3作目の長編映画で主演・ヒロイン作だ。実写でも多くの話題作に出演。文字通り、順調に見えるが、かつては自身の性格がネガティブで、声も嫌いだったという。原がその理由を明かした。

アニメ映画『君と花火と約束と』でヒロイン
俳優の原菜乃華が、今月17日公開のアニメ映画『君と花火と約束と』(鈴木慧監督)でヒロインの葉山煌役を務めている。子役からのキャリアは長く、声優としても『すずめの戸締まり』から、3作目の長編映画で主演・ヒロイン作だ。実写でも多くの話題作に出演。文字通り、順調に見えるが、かつては自身の性格がネガティブで、声も嫌いだったという。原がその理由を明かした。(取材・文=大宮高史)
――原さんは「自分の声が嫌いだった」と公言されていますが、それが変わったきっかけはありますか。
「いきなり主演をいただいた『すずめの戸締まり』の経験は大きかったですね。嫌いだった自分の声を『これでもいいかも』とポジティブに捉えられるきっかけになりました」
――当時のことで、覚えていることはありますか。
「初めての声のお仕事でしたし、大好きな新海誠監督の作品だったので、プレッシャーはめちゃくちゃ大きかったです。とにかく、何から何まで分からないことだらけでした」
――その不安の中で、どのようにお芝居を成立させていったのでしょうか。
「『やっぱり、アニメが好きだ』という気持ちが強くて、現場はすごく楽しかったことを覚えています。2か月ほどかけて、レッスンと並行して録っていきましたが、課題が明確になってそれを一つずつつぶしていく過程には没頭できました。良くなったところは褒めていただけたので、スタッフさんを信じてついていきました。『おのぼりさん』のようでしたね。自分は本職(の声優)ではないので、そこにお邪魔させていただいているという感覚は、今でもあります」
――どのように褒められましたか。
「『(声の)表情がコロコロ変わるね。それが特徴だから』と言っていただけました。初めて声優作品での評価だったのでうれしかったですし、私の武器かなと思います」
原は「声優として創作に携わることには今でも緊張を覚える」と言うが、アニメファンとして多彩な作品を愛してきた。『すずめの戸締まり』以降も話題作に出演し、作品への愛を思い切りぶつけられる機会に恵まれてきた。

『【推しの子】』に感じた不思議な縁
――アニメファンの俳優だからこそ考えることは。
「あります。不思議な縁を感じたのは『【推しの子】』です。大好きな作品でアニメも見ていたのですが、途中から娯楽として楽しめなくなってしまって、見るのを止めました」
――娯楽として楽しむことができなかった理由とは。
「有馬かなというキャラクターに、あまりにも感情移入していました。芸能の世界やその裏側をリアルすぎるくらいに描いていたので、他人事に思えなくなりました。私にとってアニメは現実逃避というか、気分転換のエンタメではあったのですが、彼女の気持ちが痛いほど分かったんです。私にとっては、かなちゃんのことが生々しすぎて見られなくなりました」
――原さんも、子役から芸能活動をされています。そして、『【推しの子】』実写版では、有馬かなを演じました。
「お話が来た時はびっくりして、運命めいたものを感じました。私もこれまでたくさんのオーディションに落ちたり、俳優を続けられるかどうか悩んだこともあります。役者人生の中で一番自分自身とリンクする役だったので、終わった時にふと『昔の葛藤も、この子をやるためにあったのかも』と思えてきました。過去の自分もまるごと肯定してくれたような出会いでした」
――『【推しの子】』ではB小町として、実際にユニット活動もしていました。どのように歌やダンスに取り組みましたか。
「彼女もゼロからアイドルを始めた子だったので、私も作りこまないで彼女になりきる感覚で覚えていきました。『【推しの子】』で私を知ってくださった方も多いので、大切な作品になりました」
――今後、声優として挑戦してみたい役はありますか。
「まだ、アニメが好きなだけの人間だと思っているので、何か『これができます!』と胸を張って言える自信はないのですが、人ではない役をできたらなと思います。自分の地声から大きく外れたキャラクターをやらせていただく経験がないのですが、自分とかけ離れた役をいただけたら挑戦になりそうです」
――俳優としては、どのような姿を目指していきたいですか。
「いつも目の前のお芝居でいっぱいいっぱいで、先々のことは考える余裕なんてない人間です(笑)。でも、それでいいのかなとも思っています。一つひとつの作品やシーンに誠実に向き合うことが責任なので、目の前のことを精いっぱい頑張るだけだと思っています」
□原菜乃華(はら・なのか) 2003年8月26日、東京都生まれ。子役で芸能界入りし、17年に『はらはらなのか。』で長編映画初主演。22年にアニメ映画『すずめの戸締まり』で声優として初主演。以降、NHK大河ドラマ『どうする家康』、Amazon Prime Video『【推しの子】』などに出演。25年は映画『見える子ちゃん』、NHK連続テレビ小説『あんぱん』、日本テレビ系連続ドラマ『ちはやふる-めぐり-』などに出演。今年はテレビ東京系連続ドラマ『るなしい』で主演。
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