オードリー若林、直木賞受賞ならず 選考委員は高評価「いい形の文章がたくさんありました」
「第175回芥川賞・直木賞発表・記者会見」が15日に都内で開かれ、芥川賞は小砂川チト氏(こさがわ・ちと)の『ゾンビ回収婦』に、直木賞は朝倉かすみ氏(あさくら・かすみ)の『けんぐゎい』に決まった。候補入りで注目を集めたお笑いコンビ・オードリーの若林正恭による初小説『青天』は、惜しくも受賞を逃した。

芥川賞は小砂川チト氏『ゾンビ回収婦』
「第175回芥川賞・直木賞発表・記者会見」が15日に都内で開かれ、芥川賞は小砂川チト氏(こさがわ・ちと)の『ゾンビ回収婦』に、直木賞は朝倉かすみ氏(あさくら・かすみ)の『けんぐゎい』に決まった。候補入りで注目を集めたお笑いコンビ・オードリーの若林正恭による初小説『青天』は、惜しくも受賞を逃した。
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直木賞の選考について、選考委員の辻村深月氏は「今回、5作すべてにとても読み応えがあった。5冊すべてに好感触を持ち、どの小説も悪いと切り捨てるようなことは一切ありませんでした。最初の投票で同点になったのが、朝倉さんの『けんぐゎい』と蝉谷めぐ実さんの『見えるか保己一』でした。それ以外の作品についても議論を尽くしたという感覚があります」と激戦を振り返った。
若林の初小説『青天』については、「大変伸びやかな小説で、光る表現が数多くあるという意見が出ました。視覚的な『空』で体言止めになっていたり、いい形の文章がたくさんありました。信頼性を非常に伴うものであった、迫ってくるものがあったというところが高評価でした。ただ、受賞に至らなかった理由としては、やはり初めての小説ということで、この先に若林さんがさらにどんなものを書かれるのかを見てみたいという意見が多くありました」と説明した。
小砂川氏は、1990年岩手県盛岡市生まれ。慶応大文学部卒業、同大学院社会学研究科心理学専攻修了。2022年『家庭用安心坑夫』で、第65回群像新人文学賞を受賞し、デビューした。
若林は、2013年に初めてのエッセイ集『社会人大学人見知り学部 卒業見込』を刊行。初小説『青天』(文藝春秋)は、高校アメフト部の中村昴が引退後、自分の不甲斐なさにもがきながら、再びアメフトと向き合う決意を固める青春物語。発売から2週間で累計発行部数28万部に達するなど、話題を集めていた。
贈呈式は8月下旬に都内で行われる。正賞として時計、副賞として賞金100万円が贈られる。
○第175回芥川龍之介賞候補作品
小砂川チト(こさがわ・ちと)『ゾンビ回収婦』群像五月号
鈴木涼美(すずき・すずみ)『悪い血』文學界六月号
仁科斂(にしな・れん)『丹心』新潮四月号
村司侑(むらし・ゆう)『ソリティアおじさんがいた頃』文學界五月号
八木詠美(やぎ・えみ)『アンチ・グッドモーニング』文藝春季令
選考委員:小川洋子、奥泉光、川上弘美、川上未映子、島田雅彦、平野啓一郎、松浦寿輝、山田詠美、吉田修一
○第175回直木三十五賞候補作品
朝倉かすみ(あさくら・かすみ)『けんぐゎい』光文社
蝉谷めぐ実(せみたに・めぐみ)『見えるか保己一』KADOKAWA
凪良ゆう(なぎら・ゆう)『多類婚姻譚』講談社
原田ひ香(はらだ・ひか)『#台所のあるところ』文藝春秋
若林正恭(わかばやし・まさやす)『青天』文藝春秋
選考委員:浅田次郎、角田光代、京極夏彦、桐野夏生、辻村深月、林真理子、三浦しをん、宮部みゆき、米澤穂信
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