異色の理系院生レスラー、コスチューム背中にプログラミング用語“強制的に削除”「エンジニアやってるからには」
“プロレスラー”と“大学院生”の二刀流、ビッグ春華。2024年8月にJTOでデビューし、まもなくデビュー2周年を迎える。その前に、7.10後楽園ホール大会で、念願のベルト奪取のチャンスが巡ってきた。春華へのインタビュー後編は、理系大学院生でありながらプロレスラーとして戦う彼女の、二刀流への思いを聞いた。

“ビッグ”というリングネームの通り豪快な技をしっかり決めて勝ちたい
“プロレスラー”と“大学院生”の二刀流、ビッグ春華。2024年8月にJTOでデビューし、まもなくデビュー2周年を迎える。その前に、7.10後楽園ホール大会で、念願のベルト奪取のチャンスが巡ってきた。春華へのインタビュー後編は、理系大学院生でありながらプロレスラーとして戦う彼女の、二刀流への思いを聞いた。(取材・文=橋場了吾)
2024年8月29日、新宿FACE大会でビッグ春華はデビューした。当時は、今よりもかなりウエイトがあった。
「意識的に体重を落として動きやすくはなったんですけど、また戻したいという気持ちもあるというか……最適な体重を模索していますね。デビュー当時は、食欲がすごくて勝手に増えちゃったんですよ(笑)。デビューする前の半年間で、どんどん食べて、大きくなって。それから、食べる量も減らして、筋トレもウエイトをしっかりやって、今の体重にした感じです」
デビューからもうすぐで2年が経過するが、今のフィニッシャーは“ばばばばぁ”(ラリアットを放ちそのまま抑え込む技)だ。
「もともとラリアットを使っていたんですけど、そのときに勢いで『ばばばばぁ!』と叫んでしまったんですよね。それを代表(TAKAみちのく)が見ていて、そのまま技名にしようと」
ほかには、ニュークリアドロップ(横からぶつかっていくフェイマサー)やサイクロトロンスリーパー(スイング式ドラゴンスリーパーから固める技)などを使用していたが、今はあえて使う技を絞っているという。
「技(の種類)をたくさん使うことは、“弱い”なと思っているんです。“ビッグ”というリングネームを名乗っているので、豪快な技をしっかり決めて勝ちたいという戦い方をしたいので、自分のこだわっている技だけで決めたいな、と。なので今は、ばばばばぁで勝っていきたいですね」
その春華に試練が訪れた。3.6後楽園ホール大会で、JTO GIRLS王者のMIRAIに挑戦した。MIRAIといえば、女子プロレス界屈指のラリアットの使い手でもある。
「初対戦でいきなりシングルのタイトルマッチだったので、めちゃくちゃ緊張しました。異次元な感じ?でしたね。でも、試合が始まったらいつもの通りに戻れたかな……。MIRAIさんは自分より身長は低いですけど、芯が全然ぶれないのでラリアットはすごく強かったですね。そのラリアットで負けたのは、めちゃくちゃ悔しかったです。自分の身長でも(腕が)届いて、そこからバーンって叩きつけられるラリアットは初めてだったので、もっと上を目指したいなという気持ちになりました」

コスチュームに入っている“rm-rf you”へ込めた思いは…
7.10後楽園ホール大会。JTOの旗揚げ7周年記念大会では、春華が所属するユニット、ビッグ・フュージョンの同志であるジャンボ井上と組み、JTO GIRLSタッグ王座に挑戦する。試合形式は王者組の1111(フォーワン/神姫楽ミサ&柳川澄樺)に、春華組のほかみず葉&ラブリカ・ヒナーノ組、Aoi&X組が挑む4WAY形式となった。
「(Aoiは)同じユニットなのに違うタッグ……4WAYなのでどのチームに勝ってもチャンピオンになるということは、みず葉とヒナーノを倒せばいいので。でも1111には、去年の6周年のときにホルスタイン・エンジュと組んで戦って負けているので、その悔しい気持ちをぶつけたいですね。(井上は)『感情はノイズ』というキャッチフレーズでやっているだけあって、すごく冷静で。自分は試合中にワーッとなっちゃう方なんですけど、ジャンボはいつも冷静に戦っているのは尊敬していますね。何が何でもベルトがほしいですよ、これまで2回逃しているので」
ユニット名に入っている“フュージョン”、技名に入っている“ニュークリア”“サイクロトロン”。これらはすべて原子力に関する言葉で、コスチュームの背中に入っている“rm-rf”はプログラミング用語だ。エンジニアの中では恐れられている『確認なしで強制的に削除する』コマンドである。
「自分がエンジニアでプロレスラーをやっているからには、それらを組み合わせた言葉がほしいなと思って、“rm-rf you”と入れています。『あなたを削除する→倒す』という思いを込めました」
そんな春華は、今年4月に大学院に入学したばかりで新しいキャンパスに通っている。
「楽しいですよ、また大学1年生に戻ったみたいな感じです。大学時代から、学校関係の人は本当に(プロレスを)見に来てくれないです(笑)。でも、仕事関係のエンジニア系の人はたくさん来てくれますね。プロレスラーとしての目標ですか? ベルトを獲りたいのはもちろんなんですけど、自主興行をやってみたいです。新宿FACEがなくなってしまうので、後楽園ホールでやるしかないですね!相手は、背が高くて学生プロレスという共通項がある、あの選手と戦えたらいいなと思っています。今、授業が英語なので、英語をもっと得意にして、いつか海外でも戦ってみたいですね」
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