「日本サポーターのゴミ拾いの裏側」 W杯観戦の日本人が投稿した“現地レポ”が話題「これなら協力もしやすい」

連日盛り上がりを見せるサッカーFIFAワールドカップ(W杯)で、日本人サポーターのごみ拾いが大きな話題になっている。そんな中、現地観戦の日本人男性による、「日本サポーターのゴミ拾いの裏側」と題した投稿が、SNS上で大きな反響を呼んだ。当事者で米国在住の医師(@researcher_cvs)に詳しい話を聞いた。

日本サポーター席に用意されていたごみ袋【写真:本人提供】
日本サポーター席に用意されていたごみ袋【写真:本人提供】

40代男性のW杯観戦記…日本サポーター席「むっちゃ綺麗」

 連日盛り上がりを見せるサッカーFIFAワールドカップ(W杯)で、日本人サポーターのごみ拾いが大きな話題になっている。そんな中、現地観戦の日本人男性による、「日本サポーターのゴミ拾いの裏側」と題した投稿が、SNS上で大きな反響を呼んだ。当事者で米国在住の医師(@researcher_cvs)に詳しい話を聞いた。

 男性が観戦したのは、日本時間21日にメキシコ・モンテレイで行われた日本対チュニジア戦だった。現地の雰囲気をリアルタイムに投稿する中で、会場で気づいたのが、座席の上にブルーのごみ袋が置かれていることだった。試合観戦後、「日本サポーターのゴミ拾いの裏側」と題して、感じた6つのことを紹介した。

「応援、ゴミ拾い用に青のゴミ袋は最初から多くの座席に置いてあり、試合途中もサポーターのメンバーが配って回っていた」

「日本サポーター席はそもそもゴミがほとんど落ちてなくて、むっちゃ綺麗、いや、まじで綺麗」

「日本ユニフォームを着た海外の方もゴミ拾いしていた(ゴミ拾い仲間として友情が芽生えます)」

 状況を細かく説明するとともに、最後のポイントとして、スタジアムの清掃員にも言及。期間中、日本サポーターの行動が清掃員の仕事を奪っているのではとの指摘があったことを前提に、「掃除の人たちは、売れ残った飲み物の持ち運びですでにかなり疲れていて、ゴミ拾いにはむちゃくちゃ感謝していた」と記した。

 現地観戦ならではの率直な感想は、注目の試合後ということもあり、表示回数300万回超えの大バズり。「こういう現場レポートが一番ありがたい」「すごくリアルで面白い」「あれだけの大人数分を配布するなんてなかなかできることじゃないね」「これなら協力もしやすい」「海外の方も一緒にゴミ拾いをして、掃除の方々が本当に感謝されていたのも素敵」「6番目を見て、感謝されてるのわかった」など多くの声が寄せられた。

スタジアムに向かう途中も熱気に包まれていた【写真:本人提供】
スタジアムに向かう途中も熱気に包まれていた【写真:本人提供】

「ハポン! ハポン!」“陽キャ”メキシコ人の熱烈歓迎に感激

 男性は40代後半で、日本で心臓外科医として勤務した後、2015年に渡米。アメリカでの生活は11年を迎え、今回息子2人の強い希望で、W杯を初観戦したという。

 現地入りしてまず驚いたのが、メキシコ人による熱烈な歓迎だった。

「アメリカもなかなか陽キャな人が多いイメージでしたが、モンテレイの人たちはもっと陽キャ率が高い印象でした。とてもフレンドリーで、一緒に写真を撮ろうと多くの人に声をかけてもらいましたし、すれ違う人に『ハポン! ハポン!』と声援を送られたり、通り過ぎる車が応援のクラクションを鳴らしてくれたりもしました。SNSでも話題になっていましたが、サッカーの観戦も多くのメキシコの方が日本を熱心に応援してくれました。あるメキシコの人になんで日本を応援してくれるの? と聞いたら、日本人の民度の高さを尊敬しているし、日本という国が好きだと」

『キャプテン翼』や『ドラゴンボール』を筆頭に、日本のアニメや漫画の持つ影響力も肌で感じた。そして、気持ちを高ぶらせたまま、スタジアムへ。目に飛び込んできたのが、あのごみ袋だった。

「みんなどこからごみ袋を持参するのか不思議だったのですが、日本代表のサポーターの方が、『Japan Pride』とプリントされた青い色のごみ袋を準備していて、日本サポーターが座るエリアにすでに配布がしてありました。リプで知りましたが、もともとは応援グッズとしての役割がメインだったようです」

 興味を持った男性は、日本が勝利した後も、客席周りをつぶさに観察した。

「深夜0時に試合が終わった影響もあるのか、最後まで残って日本サポーター以外のエリアのごみ拾いをしている人は思ったほどいませんでした。日本サポーター席はとてもきれいで、ほとんど拾うごみがなかったのも印象的でしたね。ごみ拾いは日本人だけじゃなくて外国の方もしていたのは少し驚きました。片言の日本語で話しかけられたので、日本人のこういった文化がとても好きな人たちなのかなと想像しました」

 そして、清掃員の姿も確認。逆に迷惑になっているのでは……との不安もよぎたったが、杞憂(きゆう)に終わったという。

「現地の人の仕事を奪うのでは? という意見がオランダ戦のときに話題になったと思いますが、清掃担当の人たちは、重い飲み物の売れ残りの品をスタジオの上から下まで運ぶ仕事などもあり、清掃をしている私たちに『Gracias!』(ありがとう!)と何度も言ってくれました。『一緒に記念写真撮ろう!』と言ってくる人までいました」

メキシコ・モンテレイの食堂風景【写真:本人提供】
メキシコ・モンテレイの食堂風景【写真:本人提供】

日本のごみ拾い文化が世界に普及?「マイナスになることはない」

 ごみ拾いに熱心だったのは男性よりも彼の息子たちだった。

「私の息子たちも以前からテレビやSNSで日本サポーターのごみ拾いの話は知っていたようです。普段はごみ拾いをしてない息子たちも、今日は頑張りたいとごみ袋いっぱいにごみ拾いをしていたので、アメリカ生活が長い彼らにとってもとてもいい経験になったのではと思います」

 メキシコには3泊4日の日程で、4人家族でそこそこの旅費がかかったそうだが、4年に一度のサッカーの祭典は、スポーツ観戦に留まらない貴重な体験の場になった。

「日本サポーターのごみ拾いはここ数年有名になってきていたので、実際どんな雰囲気か見てみたいという単純な興味がありました。同じような関心を持った人も多いだろうと思い、私の視点から見た現状を(SNS上に)共有してみようと思いました」という男性は、反響の大きさに驚きつつも、日本のごみ拾いが世界に広がることを期待している。

「日本の文化として世界的に美徳化されているこの行為に対して日本では賛否両論あるようですが、動機は別としてごみ拾いをする他の国のサポーターもSNSで増えているのを見かけるので、今後この行為がW杯だけでなく、いろいろな世界的なイベントでも広がっていくといいなと思いました。日本の小学校のトイレ掃除の習慣と同じで、掃除する立場を経験することで、公共のものをきれいに使おうという気持ちが芽生えるので、こういった行為はプラスになってもマイナスになることはないのかな、と感じています」と結んだ。

次のページへ (2/2) 【写真】W杯驚きの現地レポ、実際の写真
1 2
あなたの“気になる”を教えてください