“カフェで授乳”が大論争に…「配慮できていなかった」当時者の母親が明かす反省と本音
子連れでのお出かけ、特に赤ちゃんのうちは、万全の準備をしても予想外のことが起きるもの。カフェで赤ちゃんが泣き出して周囲に迷惑がかからないようにと、授乳ケープを着けて授乳した女性が店員から注意を受けたという投稿が、SNS上で大きな話題を呼んでいる。賛同から異論まで是非を巡る議論に、当事者が感じた思いとは。さまざまな反響を受け取った投稿者の女性に話を聞いた。

カフェでの注意を巡って大論争に発展
子連れでのお出かけ、特に赤ちゃんのうちは、万全の準備をしても予想外のことが起きるもの。カフェで赤ちゃんが泣き出して周囲に迷惑がかからないようにと、授乳ケープを着けて授乳した女性が店員から注意を受けたという投稿が、SNS上で大きな話題を呼んでいる。賛同から異論まで是非を巡る議論に、当事者が感じた思いとは。さまざまな反響を受け取った投稿者の女性に話を聞いた。
「カフェでケープ使って授乳してたら『たくさんの人がいますので…』と注意されてしまって反省 確かにそうなのかなぁ…お店とか公共の施設で授乳させてもらうときは可能かどうか確認すべき…? それもなんか仰々しくて気まずいような気もするのだけど 配慮を求めてるようにも取られかねないし…」
投稿者は30代女性のねこじゃらし(@necojyarashii)さん。6月のある日、生後9か月の赤ちゃんを連れての外出中に、チェーン展開しているカジュアルなカフェでひと息ついていると、赤ちゃんがぐずり出しそうになったため、急いでケープを着けて授乳することに。ティータイムで店内は賑わっていたものの、周囲から視線を感じることはなかったという。
しかし、店員さんからそれとなく注意を受けたため、すぐに謝り授乳を中断。申し訳ない気持ちになるとともに「他のママさんはケープを着けて授乳する際に、店に確認するものなのだろうか」と気になり、Xに一連の経緯を投稿した。
投稿は大きく拡散され、7000件以上のリポストが寄せられた。「授乳ケープの目的ってどこでも授乳できるようにするためのものじゃないの?」「ケープが配慮そのものなんだから気にする必要はない」「授乳は赤ちゃんの食事だから自然なこと」といった賛同の声の外、「私の住む国では公共の場所で母親が赤ちゃんに授乳することは法律で保護されています」など海外在住者からのリアクションもあった。
一方で、一部からは「授乳しても良いかお店に先に確認すべきだったのでは」「自分なら隣で授乳されると気になってしまう」「公共の場では粉ミルクにすればいい」といった異論も。中には「授乳期間中の母親は外出しないほうがいい」「母乳育児を辞めたほうがいい」といった心ない声もあったという。
さらに、そこから「そこまでしてカフェに行きたいのか」「トイレで授乳するのはダメなのか」と議論が広がると、「授乳中でもカフェくらい自由に行かせてあげてほしい」「トイレで授乳は不衛生すぎるし、長時間トイレを占有することになってしまう」と反対意見が出るなど、SNS上で“大論争”に発展した。
「優しい選択肢の増える世界になれば」
ねこじゃらしさんは一連の反響について「小さなアカウントですし、私の投稿を見てくださるのは同じ境遇のママさんだけかと思っていましたが、さまざまな立場の方から意見をいただけたことに驚きました」。多くの人が母乳育児や授乳に関心を持ってくれたことに感謝の思いを口にする。
見方が異なる人からの意見についても「授乳している姿を目にすることに嫌悪感や気まずさを感じられる方に対して配慮できていなかったことを反省しています」と謙虚に受け止めている。同時に、どうしても「ちょっと待ってね」が通用しない赤ちゃんと共に日常生活を送ることの難しさも感じたという。
また、法律で授乳の権利が保障されている国、カフェで授乳するママさんにお店からの優しいサービスがある国など、海外での授乳事情を教えてもらったことで、視野を広げるきっかけにもなったと振り返る。
「日本でも同じようにしてほしいと求めているわけではありません。けれど、この機会に授乳育児の実情をたくさんの人に知ってもらい、優しい選択肢の増える世界になればいいなと感じました。もちろん、子連れや授乳NGで大人だけがゆっくり過ごす空間も必要だと思います」
ねこじゃらしさんが今回、店内で授乳してもいいかをと確認しなかったのは、店員さんや店側を煩わせてしまうくらいなら、泣き声で周囲に迷惑をかけないうちに速やかに赤ちゃんに落ち着いてもらおうと考えたため。しかし、個人の判断で授乳することが議論になってしまうのであれば、授乳について法律や条例で定めるか、企業・店舗によって方針を示してもらえたら、誰もが安心して利用できるのではないか――。そんな未来志向の提案についても口にする。
「哺乳瓶拒否の赤ちゃんがミルクでは対応できないことも知ってもらえるとありがたいです」とねこじゃらしさん。完全母乳で育っている赤ちゃんは、哺乳瓶からのミルクを受け付けず、直接母乳しか手段がないという現実もある。単純な賛否で議論を終わらせるのではなく、誰もが少しずつ歩み寄ることで、お互い気持ちよく過ごせる選択肢が増えていくこと、その上で育児の現実を知ってもらうことが、孤立しない子育てにつながっていくのかもしれない。
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