駐車場で悪質ドリフト、清掃費用50万円 犯行車両はレンタカー…迅速逮捕の舞台裏

「到底許されない」──。栃木・宇都宮市の観光施設「大谷資料館」で、悪質なドリフト走行による被害が発生し、事態は大きく展開した。駐車場でドリフト走行が行われ、路面にタイヤ痕が付いてしまうという被害内容。直近で起きた事案を巡って、今月20日に男が器物損壊の疑いで逮捕された。一方で、施設では過去にも複数回にわたり、駐車場にタイヤ痕の被害を受けているという。繰り返される迷惑行為に、施設側はどのような思いでいるのか。大谷資料館の大久保恭利館長に、被害の状況や今後の対応を聞いた。

煙を立てながら迷惑走行する問題の車両【写真:大谷資料館提供】
煙を立てながら迷惑走行する問題の車両【写真:大谷資料館提供】

ロケやMV撮影の“聖地” 防犯カメラに映った悪質行為

「到底許されない」──。栃木・宇都宮市の観光施設「大谷資料館」で、悪質なドリフト走行による被害が発生し、事態は大きく展開した。駐車場でドリフト走行が行われ、路面にタイヤ痕が付いてしまうという被害内容。直近で起きた事案を巡って、今月20日に男が器物損壊の疑いで逮捕された。一方で、施設では過去にも複数回にわたり、駐車場にタイヤ痕の被害を受けているという。繰り返される迷惑行為に、施設側はどのような思いでいるのか。大谷資料館の大久保恭利館長に、被害の状況や今後の対応を聞いた。

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「閉館後、またやられました。お見かけしたら、警察の方までご連絡お願いします」

 インスタグラムを通して今月16日に被害報告を投稿したのは、大谷資料館の公式アカウント。駐車場で車がドリフト走行し、路面にタイヤ痕を付けている場面が収められた防犯カメラの映像が添えられた。投稿には「あかんって分からんのかなぁ」「今の時代に、まだ、他人の私有地でやってんのかよ」など、批判の声が相次いだ。

 大谷資料館は、かつて旧帝国ホテルの建材にも使われた「大谷石」の地下採掘場跡を活用した博物館で、栃木を代表する観光名所の一つ。広さ約2万平方メートル、深さ30メートルほどの巨大な地下空間が見どころとなっており、近年は映画やドラマのロケ、アイドルやバンドのミュージックビデオ撮影などにも使われ、作品のファンが訪れる“聖地”としても知られる。

 その観光名所の駐車場で、身勝手な迷惑行為が繰り広げられた。報道によると、逮捕された外国籍の男性は今月15日、大谷資料館の駐車場で車をドリフト走行させ、アスファルトの路面にタイヤ痕を付着させて汚損した疑いが持たれている。資料館のインスタグラムで被害報告をしたのは、この事案だ。

 大久保館長が異変に気付いたのは、16日朝だった。出勤したタイミングで、駐車場にタイヤ痕が残されているのを確認。防犯カメラを確認したところ、前日の閉館後、駐車場で車が煙を立てながら暴走する様子が映っていた。

 今回、逮捕までの動きは早かった。防犯カメラの映像などから、問題の車がレンタカーだったことが判明。17日にレンタカー会社とやりとりがあり、同社側から「警察に情報提供します」と連絡があったという。同日、警察立ち会いの下で現場検証や防犯カメラの確認も行われた。

 資料館は18日付のインスタグラムで、レンタカー会社の責任者と従業員が東京から訪れ、謝罪があったことを報告。同時に「到底許される事ではないので、きっちり対応したいと思います」と、悪質な犯行への憤りをあらわにした。

 施設側は警察に被害届を提出。レンタカーは20日に返却予定だったという。レンタカーにはGPSなどが付いており、追跡が可能だったことも早期の逮捕につながったとみられる。

「今回は明るい時間だったため、防犯カメラに車種やナンバー、容疑者の顔などもはっきり映っておりましたので、逮捕が早かったと思います」

清掃だけで50万円 濃く残るタイヤ痕に苦慮

 実は、駐車場での迷惑走行は数年前から繰り返されてきた。昨年10月にはドリフト走行で今回以上の広範囲にタイヤ痕が残る被害があった。さらに昨年2月などにも同様の行為があり、そのたびに警察に対応してもらうなどしていた。

 今回の被害についてはどうか。原状回復が難しいほどのダメージだという。

「前回より被害範囲は狭いのですが、かなりタイヤ痕が濃く残っている状態です。業者の話ですと、清掃のみで50万円はかかるとのことでした。かなり濃いため、それでもきれいには落ちないそうです」

 問題はドリフト走行だけではない。大久保館長は「この駐車場で若者たちがたまって、ごみやたばこの吸い殻を捨てていくことも多かったです」と明かす。駐車場は来館者が最初に目にする場所でもある。そこが汚されてしまうと、施設の印象に直結する。

 施設側も手をこまねいていたわけではない。警察からは、進入禁止の看板などを掲示すれば、不法侵入や器物損壊として事件化できるとの説明を受けたという。実際に対策として、ポールや看板を設置し、閉館後は駐車場への立ち入りを禁じていた。ただ今回の事件は閉館直後だったため、まだ来館者の車が残っており、駐車場を完全には封鎖していなかったという。

 大久保館長は「観光地ということもあるので、このような行為があると栃木県のイメージも悪くなりますし、近隣の施設や店舗にも迷惑がかかってしまいます」と懸念を示した上で、「今後このような行為はやめていただきたいです」と呼びかけている。

次のページへ (2/2) 【写真】迷惑走行で付けられた広範囲の濃いタイヤ痕
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