実は違法…段差解消の“乗り上げブロック”、市の撤去要請が物議 自己負担の切り下げ工事に不満の声も
「道路に物を置かないで!」――千葉・船橋市の呼びかけが、SNS上で物議を醸している。問題となっているのは、自宅や駐車場などの出入り口に置かれる「乗り上げブロック」だ。道路と敷地の段差を解消するためのもので、街中でもよく見かけるが、市は道路上にブロックなどをみだりに置くことは法律で禁じられていると注意喚起。段差を解消するには、歩道や縁石の切り下げ工事を自費で行う必要があるとしている。なぜ乗り上げブロックが問題になるのか。船橋市の担当者に聞いた。

日常的に見かける乗り上げブロック、法的な問題は
「道路に物を置かないで!」――千葉・船橋市の呼びかけが、SNS上で物議を醸している。問題となっているのは、自宅や駐車場などの出入り口に置かれる「乗り上げブロック」だ。道路と敷地の段差を解消するためのもので、街中でもよく見かけるが、市は道路上にブロックなどをみだりに置くことは法律で禁じられていると注意喚起。段差を解消するには、歩道や縁石の切り下げ工事を自費で行う必要があるとしている。なぜ乗り上げブロックが問題になるのか。船橋市の担当者に聞いた。
「道路に物を置かないで! 乗り上げブロックなどを道路上にみだりに置くことは、法律で禁じられています。道路の安全確保のため、皆様のご協力をお願いします」
6月1日、船橋市の公式Xはこう呼びかけた。投稿に添えられた画像には、道路と敷地の段差を解消するため、乗り上げブロックや金属製の段差プレートが設置されている様子が写っている。
駐車場や自宅の車庫の前に、乗り上げブロックなどが置かれているのは珍しい光景ではない。ホームセンターなどでも普通に販売されており、法的な問題があると認識していない人も少なくないだろう。しかし、ブロックなどを道路上にみだりに置く行為は道路法第43条で禁止されている「道路の構造又は交通に支障を及ぼすおそれのある行為」にあたる。さらに、同法102条では、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金という罰則も定められている。
同市のサイトでは、その理由として「歩行者や自転車などの転倒事故につながる恐れがあるため、大変危険であり、雨水の流れをせき止め、排水処理ができず道路冠水の原因となることもあります」と説明され、さらに「事故等が発生した場合には、乗り上げブロックや鉢植え等を置いた人の責任が問われることがあります」としている。
道路との段差を解消するには、歩道や縁石の切り下げ工事を自己負担で行う必要があり、事前に市の道路管理課へ承認申請をするよう求めている。
これに対して、SNS上では「危ないから路側帯に物を置かないでというのは当たり前のこと」「公共の土地を民地の利用形態に合わせたいなら自費で工事するのは当然」と理解を示す意見が寄せられている一方、「市の道路なのだから市の負担で切り下げ工事をしてほしい」「市民にお願いするなら補助金を出すぐらいしないと納得しないんじゃないの?」「なら段差なくせよ」「車いすや歩行器でも段差を越えるのに苦労することがある。行政が段差をなくす努力をしてくれないと」といった疑問や反発の声も多く、物議を醸している。
市の担当者はENCOUNTの取材に対し、乗り上げブロックが禁じられている理由について「道路法第43条の規定により、道路の構造または交通に支障を及ぼす恐れのある行為は禁止されています」とあらためて説明。具体的な危険性として「歩行者や自転車、車いすの利用者などが、乗り上げブロックにつまずくなどしてけがすることや、つまずいて車道に飛び出し交通事故になることなどが危惧されます」と指摘した。
さらに、乗り上げブロックが排水施設の上に置かれることで集水ますなどをふさぎ、道路の排水機能が低下し、道路の冠水につながる可能性もあるという。
補助金なし、切り下げ工事が自己負担となる理由とは
段差解消のためには自費で歩道や縁石の切り下げ工事をする必要があるが、自己負担は納得できないという声も多い。
これについて、市の担当者は「歩道の切り下げは、特定の個人が自宅の駐車場などを利用するための工事で、私的利益とみなされます」と説明。個人の利便性を高める工事に公費、つまり税金を投入するのは適切でないため、「その利益を受ける方が費用を負担する、受益者負担の原則が適用されます」とした。
切り下げ工事に補助金を出してほしいという意見もあるが、市は検討していないという。道路管理者以外の者が歩道の切り下げ工事を行う場合は、道路法第24条により道路管理者の承認が必要となり、同法第57条では、その承認を受けた者が工事に要する費用を負担しなければならない、とされているためだ。
すでに設置されている乗り上げブロックをどう撤去してもらうかも、簡単な問題ではない。市の担当者は個別の撤去指導について、「その危険性について説明するとともに、何か事故が起きた際には、所有者が責任を問われることもあるということを繰り返しお伝えしているところです」と話す。
ただ、撤去指導に応じない人と撤去した人との間に「不公平性が生まれることもある」とし、「個別の撤去指導の難しさを痛感しているところです」と実情を明かす。そのため、市では自治会や町会などを通じて伝える方法や、広報紙、SNS、ホームページなどで広く市民に知ってもらう形で理解を求めていく方針だ。
今回の投稿が大きな反響を呼んだことは、市も認識しているといい、担当者は「広報紙、SNS、ホームページなどでは以前から掲載していた内容であることと、近隣他市でも同様の掲載をしているため、なぜ今回このように反響を呼んでいるのかは分かりません」としつつ、「注意喚起として広く告知できたことについては幸いです」と受け止めている。
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