ハナレグミ&中村佳穂、卓越した歌声の共演 全てが“音楽”と化した圧巻のツーマンライブ

ハナレグミと中村佳穂によるツーマンライブ「HOW BEAUTIFLOW!!」が5月31日、東京・NHKホールで開催された。卓越した歌声を持つ2人によるパフォーマンスは、この日会場に集まった人々を圧倒した。何気ないMCさえも音楽に変えてしまった2人による圧巻のステージをレポートする。

ツーマンライブを開催したハナレグミ(右)と中村佳穂【写真:marquee】
ツーマンライブを開催したハナレグミ(右)と中村佳穂【写真:marquee】

何もかもを飲み込んでしまうかのような圧倒的な歌声の共演

 ハナレグミと中村佳穂によるツーマンライブ「HOW BEAUTIFLOW!!」が5月31日、東京・NHKホールで開催された。卓越した歌声を持つ2人によるパフォーマンスは、この日会場に集まった人々を圧倒した。何気ないMCさえも音楽に変えてしまった2人による圧巻のステージをレポートする。

 ハナレグミと中村は、2023年に行われた「新しい聴衆・三月 #01」をはじめ、これまでさまざまな形で共演してきたが、今回は2年ぶりとなる共演。ハナレグミが新たに立ち上げたイベントで、「Beautiful」と「Flow」を合わせたオリジナルタイトル「HOW BEAUTIFLOW!!」と名付けられ、通常のツーマンとは異なり、バンドメンバーは変わらずに、ボーカリスト2人が入れ替わるという異色の形で、ライブは展開された。

 永積崇と中村がステージに姿を見せると会場からは大きな拍手が巻き起こる。この日のアレンジすべてを担当したバンドマスター・宮川純(Key)、越智俊介(B)、伊吹文裕(D)、高木大丈夫(Gt)、そしてコーラス植松陽介&稲泉りん(Cho)とともに、ハナレグミの『音タイム』でのセッションからスタートした。永積の優しく伸びやかな声色と中村の力強い歌声が重なり、たちまち会場を包み込んだ。

 まずは、中村のステージ。楽器隊によるBGMをバックに「あのハナレグミと歌える喜び。きっと私と一緒に歌うハナレグミも違うのでしょう。楽しく音楽をしていこうと思います」とあいさつし、スタートした。

『きっとね!』などを歌いながら、合間ではMCを挟んでいく。ハナレグミとの出会いのエピソードなども音に乗せながら、軽快に届けていった。その後も、怒涛(どとう)のステージングを繰り広げる。アカペラを披露していたかと思えば、バンドサウンドが加わり、音が広がりを見せていく。しっとりとした曲調からアップテンポな楽曲まで、変幻自在の歌声で表情を次々と変化させながら、会場の空気を掌握していく。

『LINDY』や『忘れっぽい天使』などを披露し、「This is me、これが私、中村佳穂でした」と締めのあいさつ。ラスト曲『さよならクレール』を歌い終えると、「ずっとアンコールみたい、やばい!」と笑顔で鳴り響く拍手を受け止めた。

 抜群の即興性とグルーヴ感。まさに“生き物のような音楽”を体現したステージだった。

 ここで再び、永積がステージに登場。永積は「NHKホールが崩れ落ちるんじゃないかってくらい、素晴らしい!」と中村の歌声を絶賛。さらに、この日のツーマンが、ハナレグミにとっては、初めての企画ツーマンライブであることも明かした。

 また、互いの楽曲作りの特徴についてもトークを繰り広げていった。中村は未来からのインスピレーションを大切にしているとし、一方の永積は「僕は完全に振り返っているんですよ」と過去から作り出すことが多いとも明かした。対照的な2人が混ざりあって「今」を表現することへの面白さについても口にしながら、永積がギターを奏で、中村の名曲『そのいのち』でのセッションへと移った。

力強い歌声を響かせた中村佳穂【写真:marquee】
力強い歌声を響かせた中村佳穂【写真:marquee】

 その後はハナレグミのステージへと突入。オーガニックなコーラスワークで『11DANDY』から幕を開けると、ファンキーにガラッとリアレンジされた『Peace Tree』では、軽快なラップとグルーヴに、客席も自然と揺れる。ピースサインが会場を彩り、「Everybody scream!」のあおりに合わせ、歓声が響きわたる。

 代表曲『家族の風景』や『ハンキーパンキー』では、優しい歌声を届ける。「聞かせることもできるんだけどちょっと踊らせたい」の合図で、雰囲気は一転。それまでは座りながら聞いていたオーディエンスも一斉に立ち上がり、『独自のLIFE』では、皆が音に身を委ねた。

『か!た!!かたち!!!』では、楽曲途中で再び中村がステージへ登場。バンドメンバーたちとのあうんの呼吸でひたすらに音を楽しむなど、変幻自在のステージングを見せた。ラストでは、永積が「これが音楽のかたちだー!」と力強く思いを届けた。

 そして、中村がステージから降りると、永積は「こういうボーカリストとともにステージを作れたことを光栄に思います。本当に今日はありがとうございます」と感謝しながら、ラスト曲『光と影』へとつなげた。

 アンコールの拍手に導かれるように2人とバンドメンバーが再登場。過去にも2人でセッションしたことのある中村の楽曲『get back』をパフォーマンスした。曲間ではメロディーに合わせながら、永積がMCを披露。音楽に乗せながら紡ぐ言葉は、どこからどこまでが楽曲なのかが分からなくなるほど。あまりにも自然な流れで、中村がハナレグミの『家族の風景』を歌い始めたかと思いきや、気付けば『get back』に戻るという、巧みなマッシュアップで会場を喜ばせ、大団円のうちに幕を下ろした。

 この日ステージ上で繰り広げられた一挙手一投足、全てがまさに音楽だった。何もかもを飲み込んでしまうかのような圧倒的な歌声の共演。会場全体が次第に引き込まれ、魅了されていくさまが象徴的な一夜となった。

優しく伸びやかな声色を披露したハナレグミ【写真:marquee】
優しく伸びやかな声色を披露したハナレグミ【写真:marquee】

〇ハナレグミ&中村佳穂「HOW BEAUTIFLOW!!」セットリスト
<ハナレグミ&中村佳穂>
1.音タイム
<中村佳穂>
2.Opening something
3.きっとね!
4.5 Dollar Pony Rides(Mac miller cover)
5.Hey 日
6.LINDY
7.q
8.忘れっぽい天使
9.さよならクレール
<ハナレグミ&中村佳穂>
10.そのいのち
<ハナレグミ>
11.11DANDY
12.Quiet Light
13.Peace Tree
14.家族の風景
15.ハンキーパンキー
16.独自のLIFE
17.か!た!!かたち!!!
18.光と影
-ENCORE-
<ハナレグミ&中村佳穂>
19.get back

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