「女は80キロから」体重30キロ増で人気急増、“ぽっちゃり”インフルエンサー・藤田シオンの自己プロデュース術「アンチはありがたい」
ふくよかな体型をポジティブに発信し、表現者としての確かな自信をつかんだ。SNSで支持を集めているインフルエンサー・藤田シオン。麻雀アイドルグループ・アイスアリアリでの活動を経て、現在はバンド・大大嬢のボーカルをはじめ、作詞、DJ、エッセー執筆など多方面で活躍している。かつて43キロだった体重は現在76キロ。世間では「太ること=ネガティブ」と捉えられがちだが、藤田にとってはむしろ転機だった。76キロの今を“人生で最も輝いている”と語る理由とは。独自のキャリア論と、アンチさえも味方につけるマインドセットに迫った。

「どの活動でも藤田シオン」であり続けるためのこだわり
ふくよかな体型をポジティブに発信し、表現者としての確かな自信をつかんだ。SNSで支持を集めているインフルエンサー・藤田シオン。麻雀アイドルグループ・アイスアリアリでの活動を経て、現在はバンド・大大嬢のボーカルをはじめ、作詞、DJ、エッセー執筆など多方面で活躍している。かつて43キロだった体重は現在76キロ。世間では「太ること=ネガティブ」と捉えられがちだが、藤田にとってはむしろ転機だった。76キロの今を“人生で最も輝いている”と語る理由とは。独自のキャリア論と、アンチさえも味方につけるマインドセットに迫った。(取材・文=幸田彩華)
「体だけでなく、器も存在感も大きくなり、以前よりずっとポジティブになれたことは本当に良かったと思っています。こうして多くの方に注目していただけるようになったのは、今のインパクトあるビジュアルやキャラクターがあったからこそだと思っています。なので、自分では奇跡のラッキーガールだと感じていますね」
現在はインフルエンサーという立場から、「太っていても楽しい」「太っていても幸せ」「太っていてもかわいい」というメッセージを発信し続けている。「同じような悩みを抱える方々の心を、少しでも明るくできれば」と語り、日々SNSと向き合っている。
アイドルから始まり、表現者として5年目を迎えた藤田。多ジャンルにわたる活動の中で、最も大切にしているのは「時代に応じて変わる自分」と「変わらない自分」のバランスだという。
「活動者の世界でもその時々ではやるキャラクターやトレンドがあって、コンテンツを循環させ続けるためには、時代の波に乗る柔軟さも必要になります。ですが、100パーセントその波に身を委ねてしまうと、今度はキャラクター本来の素材の味が失われてしまうこともあるので、そのバランス感覚がとても重要。私の活動はアイドルから始まり、デビューから5年目に突入した現在はインフルエンサー、ボーカル、作詞、DJ、文芸など、幅広いジャンルで活動させていただいているのですが、『どの活動をしていても、藤田シオンは藤田シオンだ』と思っていただけるように工夫しています」
一方で、発信力が高まるにつれ、SNSには心ない言葉が届くこともある。「痩せないと女として見られない」といったコメントや、自身へのアンチ投稿に1.2万件もの“いいね”がついた経験もあった。しかし、藤田はそうした反応さえも“エンタメ”として捉えている。
「アイドル時代無名だった自分にとって、毎日無料でプロモーションしていただけるアンチの皆様はありがたい存在です」
ラジオやエッセーが好きだという藤田は、「クセの強いファンや熱心なアンチをどう料理するかにタレントの腕が出る」と分析する。
「どんな方にもアンチは必ずいますし、誹謗(ひぼう)中傷はなくなりませんよね。ならば、ネガティブな意見が拡散されやすい現代のSNS社会の性質を逆手にとって、インターネットの皆様が思わず笑ってしまうような気の利いた切り返しができたら、それはアルゴリズムを味方につけた新しい時代のエンタメになるのではないかと感じて今の芸風にたどり着きました。インターネットはファンの方もアンチの方もそれ以外の方も含めた団体芸なので、どんなことも『祭り』として楽しみたいです」
ぽっちゃりマニアの業界では「女は80キロから!」
また、藤田は「一番モテたのは85キロの時」という実体験を明かしている。これには「ぽっちゃり業界」ならではの驚きの分析があった。
85キロの時に出したグッズは売上も好調で、ファンイベントも即完売。しかし自然に体重が落ちるにつれ、売上も比例して下がっていったことから、“ぽっちゃり業界”について調べ始めたという。
「この業界は大きければ大きいほど良い! と言われているそうで。その時初めて『80キロ~が一番モテて、100キロ以上はカリスマ扱い、逆に60キロや70キロ台はガリガリ』と判定されることを知りました。ぽっちゃりマニアの業界では、『女は80キロから!』という言葉があるんですよ。皆様ぜひ覚えて帰ってください(笑)」
また、周囲の目や世間の「標準」に縛られ、自分を好きになれずに悩んでいる人は多い。そんな読者に対し、藤田は「みんな好きにやれ」と力強いエールを送る。
「人って、気づかないうちに『普通でいなきゃ』『こう見られなきゃ』『ちゃんとしていなきゃ』というプレッシャーに押しつぶされて、どんどん消耗してしまうんです。ですが、それをしたところで、本当に幸せになれるのでしょうか? 泣いてばかりの自分を、突然現れた誰かが救ってくれるなんてことは、現実ではなかなかありません。自分へ厳しい言葉を向けてきた人たちの正しさに従ったところで、その人たちが人生の責任を取ってくれるわけでもないんです。だったら、周囲に合わせるために自分の心を殺してしまうなんて、あまりにもったいないですよね。
人生は一度きりですし、今日より若い日はない。だからこそ、わたくしは言いたいんです。『みんな好きにやれ』と。人生の爆アゲ走馬灯ベスト100作れるのは、あなただけですよ! 自分を大事にしたいと思えるだけでもう大変立派なので、他人ウケの人生より、自分ウケの人生を歩んでいきましょう」
自らの体型を「武器」に変え、逆風さえもエンターテインメントに昇華させる藤田。その生きざまは、美の多様性が問われる現代において、多くの人々に勇気を与えている。
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