日本語を駆使する外国人タレントはもはや珍しくないが、日本人にも難しい山形弁を駆使する米国人として、90年代に注目を集めたダニエル・カールさん(60)。最近はあのユニークなしゃべりを聞く機会が減っているが、ダニエルさん、どうしているのか。東京は池尻大橋駅そばのカフェ「PRONTO」で会う約束をしたところ、なんと立派なひげを蓄えたダニエルさんが現れた！　ダニエルさん、何があったのか!?　ズバリ聞いた。

　このひげは新型コロナウイルス感染症で外出自粛になったのをきっかけに、久しぶりに生やしてみたんです。実は大学時代もひげを生やしていまして。その時は、ストロベリーブロンド(赤みを帯びた金髪)だったけどね(笑)。ヒゲはマネジャーさんには不評なんだけんど、女房は喜んでいます。白くてサンタクロースみたいでしょ(笑)？　

　体重も増えて、サンタクロースみたいに恰幅が良くなりました。若い時はちょっと運動して食事を控えめにすれば簡単に痩せられたんだけんど、今は痩せにくくなった。身長174センチで91キロ。これでも少し痩せたんですよ。去年秋は98キロあって、完璧にメタボ！　コロナになってから毎日10キロを目標に歩きまして、女房が炭水化物や脂肪、塩を取り過ぎないよう、体にいい食事を作ってくれて、ようやくここまで痩せました。太ったら血圧がちょっと上がったから、気を付けなければならないのでね。アメリカへ行くと周りが太っているから、「細いねぇ！」って言われますけど(笑)。

　アメリカへはこの1月に1週間ぐらい帰りました。アメリカに残してきた両親が2年前に亡くなったので、もうあまり帰らなくなりましたけど。父は87歳、母は80歳でした。何十年も前に離婚したのに、仲良く2週間以内に亡くなったんですよ。もちろん、すごいショックでした！　でも、大きな病気はしなかったし、オラが日本で活躍しているのを喜んでいたから、いい人生を送ったんじゃないかと思いますね。亡くなる前は電話を週1回して、年2、3回会いに帰っていました。

　コロナの影響は大きい。3月から日本どころか、東京都内からほぼ出ていません。放送の仕事はほとんどできなくなりました。ラジオのゲストが2回と、バラエティ番組「YOUは何しに日本へ？」(テレビ東京系)のナレーションを5月から、2週間に1回。あと、この前、久～しぶりのスタジオ収録で、NHKに行ったところ。BSプレミアムの日本三百名山を踏破する「クレートトラバース」ってドキュメンタリー番組で、僕は映像を見ながらコメントしました。換気のためにスタジオの半面を空けて、出演者の間はシールドで仕切って、出演者はギリギリまでマスクして、「4、3、2……」でマスクをパッと取って撮りました。いや、大変。

　ただ、ここ数年は講演の仕事が多いんですよ。「がんばっぺ！　オラの大好きな日本」をテーマに、長年、日本に住んでる外国人の目から見た日本の良いところと、逆に、ここは直さねば、と思うところについて話しています。たとえば、良いところは食文化、便利な交通網、治安の良さ、教育制度……たくさんあります。でも、日本人は謙遜して自慢しない。謙遜は美徳だけんど、外国に向けては自慢して宣伝してもいいんじゃないでしょうか!?

　そんな話を、多い年は年間100本ぐらいやっています。今年はコロナの影響で、2月半ばに北九州市の大学職員向けに日帰りで講演した後は、8月に山口県に呼ばれた以外は全部キャンセルになりました。その山口でも、マスクをしている人を前にフェースシールドをして話さねばならなかったから、マイクをガツン、ガツンと何度もフェースシールドにぶつけちゃって(笑)。今月末からまたちょこちょこ講演が入り始めたけんど、録画してYouTubeで流すとか、やり方を工夫せねばならない。コロナ禍で講演は難しい仕事になりました。