49歳で妊娠の女優・小松みゆきが語る不妊治療の厳しい現状とそれでも妊娠できた理由

小松みゆきさんにとってつわりはだいぶ楽になってきたという【写真:荒川祐史】
小松みゆきさんにとってつわりはだいぶ楽になってきたという【写真:荒川祐史】

諦める寸前に受けた検査が功を奏した!

 実は46歳の時、もう年齢的に厳しいから諦めよう、と主人と話し合いました。その時に、凍結していた受精卵がまだ4つ残っていました。それで、万が一のこともあるので、その4つだけは最後までやろう、と。捨てるのはしのびないですから。

 そう決めたとき、ふと思い出したことがありました。以前の移植のときに、医者に「子宮に何かある」と言われたことを。そこで子宮鏡検査をお願いして受けたところ、ポリープと子宮内膜炎を発見できました。妊娠できたのには、この治療も良かったと思います。何度、胚移植をしても着床も妊娠継続もしないのに、検査などで問題を探さずに、流れ作業的に治療を続ける病院もあります。これも問題ではないかと思います。

 またその間に、受精卵を子宮に移植する前に染色体検査というものができると知りました。結果的には、その検査をしたことが今、私の妊娠が継続している最大の要因です。検査の結果、まったく問題のない卵は4つのうち、1つしかありませんでした。というより、1つあったことが奇跡だったのですが、もし検査を受けていなかったら、育つ可能性のない受精卵を移植して、これまでと同じように費用や時間、肉体的・精神的負担が増えていたと思われます。私としては検査を受けて本当に良かったです。

検査費用こそ保険適用してほしい

 この半年ほど、新型コロナウイルス感染症のせいで病院に通いにくくなりました。また経済的に厳しくなってしまった人もいると思われます。早く保険適用になってほしい。そして、保険適用になるなら、あらゆる検査に保険を適用してほしいと思います。妊娠の可能性の高い若い人ほど、不妊治療の入り口である検査費用がかけられなくて、不妊治療を諦める人が少なくありません。

 顕微授精など体外受精については自由診療にして、これまで以上に多くの人が受けられる助成金で助けていただくのが理想かな、と個人的には思っています。保険適用にするとどの病院も横並びの治療になり、1人ひとりに合った治療が受けられなくなるのではないか、とか、最先端の治療を行える病院がなくなるのではないか、といった声があるからです。そもそも不妊治療の保険適用には反対意見もありますが、高齢者の医療・介護に多くの税金を投入しているのですから、子どもという未来のために税金を使うことにも理解をしてほしいと思いますね。

 職場の理解もぜひ進んでほしいです。不妊治療を始めると女性は毎週のように、人によっては毎日通院しなければならない期間があり、採卵や移植の日は、必ずその日に病院へ行かなければいけません。現在は仕事との両立が本当に難しい世の中です。人工授精や体外受精になれば、男性が一緒に通院しなければならない日もあります。体外受精で生まれる子どもは、15人に1人もいる時代。「自分には関係ない」ではなくて、温かい目で応援していただきたい。そうしなければ、少子化に歯止めはかからないのではないでしょうか。

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