夫婦げんかはフランス語 中村江里子、海外生活で磨かれた「伝える力」と「脳の使い方」
フリーアナウンサーの中村江里子が、5月20日にラジオNIKKEI第1にて放送される山田養蜂場ノンアルツBee提供番組『判断力の源~一流になるための脳(ブレイン)ケア~』(第1・3水曜午後4時30分~4時40分)に出演する。長い海外生活で感じる日本との「脳」への意識の違いや、年齢を重ねても挑戦を続けられる秘訣について聞いた。

アナウンサー職は「脳とすごく関連している」
フリーアナウンサーの中村江里子が、5月20日にラジオNIKKEI第1にて放送される山田養蜂場ノンアルツBee提供番組『判断力の源~一流になるための脳(ブレイン)ケア~』(第1・3水曜午後4時30分~4時40分)に出演する。長い海外生活で感じる日本との「脳」への意識の違いや、年齢を重ねても挑戦を続けられる秘訣について聞いた。
昨年7月から始まった同番組は、40~50代のビジネスパーソンに向けて、ビジネスの最前線で活躍し続けるためのヒントを伝えるために、一流のアスリートや文化人、経営者などをゲストに迎え、自身の判断力の源や、日ごろの「脳(ブレイン)ケア」「肉体の老化防止」について深掘りする。
中村は5月20日放送回に出演。1991年に立教大を卒業後、フジテレビに入社すると、アナウンサーとして報道からバラエティーまで幅広く活躍した。その後、99年にフリーへ転身し、2001年に結婚を機にパリへ移住。女性誌や多数の著書を通じて、海外からライフスタイルを発信し続ける才女が、経験則を基に「脳=ブレインケア」をテーマにトークを展開する。
思考と知能をつかさどる脳は、「使わないと衰えていく」と言われる。日常から脳を意識することは多いという。
「身体や体力の衰えは意外と感じやすいものですが、脳は、物覚えが悪くなったとかはあっても、衰えが分かりにくいものだと感じます。一方で、使わなければ確実に衰えていくものだという認識もあります。今は目的地への行き方を考えなくてもGPSで楽に行けてしまうし、AIで簡単に物を調べられる時代。私の周りの人たちはChatGPTを『チャッピーちゃん』と呼んでいて、ChatGPTで文章を作ったりしていますけど、『絶対に素晴らしいものだろうけど、自分で考えてやっていかないといけない』と思うので、衰えていくにしても、そのスピードを緩やかにするために私なりにあらがっています(笑)」
アナウンサーという職業は、言語能力、冷静さ、瞬時の判断力などが求められる。肌感覚的にも、脳との関係性が高い仕事だと感じるという。
「例えば、生放送は何が起こるか分からないので、その場で起こったことを瞬時に判断して、『どう対応するか』、『どんな言葉を使ってフォローする』と考えないといけない。脳とすごく関連していて、脳の動きが活発でないと対応が遅れたり、いろんな影響があると思います」

日本と海外で「脳の使い方は違う」
2001年にフランス人起業家のシャルル・エドワード・バルト氏と結婚し、フランス・パリに移住。昨秋からはイタリア・ミラノに1年間限定で生活拠点を移している。海外生活は早27年目。日本と海外で「脳の使い方は違うと思います」と話す。
「日本のテストは選択問題やマークシート形式が多いですが、フランスは全て記述なんです。だから、覚えるだけでは対応ができません。何が起こっていたのかとか全部関連付けた上で、筆記は4時間に及んだりするわけで、海外では勉強の仕方も違います」
夫婦げんかはフランス語だという中村。夫のバルト氏から受ける刺激は大きいという。
「日本では『言わなくても分かる』『表情で察する』みたいなことが美徳とされる傾向があります。でも、海外ではそれが当たり前ではなく、自分がどう思うかをちゃんと相手に伝えなければ、何にも伝わりません。私は彼らの文化・習慣を受け入れつつも、相手を納得させるために常に頭の中で言いたいことを組み立てて、理論立てていかないといけない。本当にディベートみたいな感じです(笑)」
現在は長女、長男、次女と3児の母でもある。母親となり、「今まで自分が感じなかった感情を持つようになったという意味では、大きく変わったと思います」と語る。
「家族と一緒にいる時間はどんなに大変でも、脳も身体もうれしいと言っているのが分かります。もともと子どもは好きでしたけど、自分が実際に産んでみて子育てをするとなった時、感じるかわいさはそれまで以上で、母性は高まりました。大人だったら分かることも、小さい子どもはまだ分からないから、なぜダメか、それをどう伝えるかを考える新たな刺激がありました。脳を使う機会も増えたと思います」

70歳、80歳になっても「元気に、パワフルに」
中村は57歳となった翌日の今年3月12日、自身のインスタグラムに「最近は『やっぱり色々出てきたね』と体力などの変化を確実に感じています」と投稿した。40代で第3子を出産後、体力の衰えを感じることが増えたとも明かしており、2017年からは健康のためにキックボクシングを学んでいる。
「体力は相当ある方だと思いますが、疲れが取れにくいと感じることはあります。しっかり寝ても翌日のお昼に急に眠くなったり……。こんなことは今までなかったです。これは身体の信号なのかなと思って、本当に眠いと思った時には5分、10分でも目を閉じたり、お昼寝をするようにしています」
3年後には還暦を迎える中で、「還暦は楽しみ」だとし、「真っ赤なドレスを着ようと思っています」と笑顔を弾けさせる。
「もう57(歳)ですけど、嫌だと思うのではなく、(年を取ることは)どうせやってくるものだし、絶対避けて通れないので楽しむしかないと思っています。男性はどんどん渋くなって『イケおじ』とか言われるのに、女性はどうしても見た目のことを言われがちなので、そこは男性はずるいなと思います(笑)」
中村は今後について、「自分が努力をしない限りひたすら下降線をたどっていくので、それだけは嫌です」と前を向く。
「何もしない自分は嫌なので、せめて下降していくスピードを緩やかにしていきたい。運動も細々とでも『継続は力なり』で続けていきたいですし、『最大限の努力をしてみても損はないかな』という気持ちで脳も使っていきたいと思います。同世代の人はみんな仲間です(笑)。口に出さないだけで、きっと同じ悩みを持っているはず。恥ずかしいことは何にもないので、疲れた時は『疲れた』と言いながらも、できることをやっていけばいいのかなと。私たちはまだまだ70歳、80歳になっても、元気に、パワフルに動けると思います」
年を重ねるほど美しくなる――。その言葉にも思わず納得できるほど、中村は自分らしく生き、輝いている。
□中村江里子(なかむら・えりこ)1969年3月11日、東京都出身。2~6歳までタイのバンコクに住んでいた帰国子女。立教大の経済学部経済学科を卒業後、フジテレビのアナウンサーを経て、フリーとして活動。2001年に結婚し、生活の拠点をパリに移す。現在は海外と日本を行き来しながら、テレビや雑誌、講演会、イベント、著書などの仕事を続ける。実家は創業130年を越す銀座の老舗楽器店「十字屋」(株式会社銀座十字屋)。
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