【人気TikToker直撃第4弾】はやり言葉「きゅんです」歌うシンガー 「共感」広げて人気者に

完全に想像の世界で歌詞を書いているというひらめ【写真:石丸敦章】
完全に想像の世界で歌詞を書いているというひらめ【写真:石丸敦章】

「ネットのコメントとかもあまり参考にしないようにして作っている」

 かわいらしい曲が好きだったという彼女。女性目線の歌詞が共感を呼んでいるが、自身の曲がここまでTikTokからヒットしたのは自分でも予期せぬ出来事だったようで、彼女はTikTokとの出会いを「自分を見つけてもらえる機会というか……知ってもらえるチャンスだなって思います」と振り返った。YOASOBIや瑛人をはじめ、ネットを通して世間に「発見」されるチャンスが格段に上がり、1つのトレンドを生み出す時代。ひらめもそんな中で、発見してもらったチャンスを生かそうとしている。

「この曲がLINE MUSICで先行配信された時は、トップ10には入りたかったけど無理だろうなと思ったんです。でも、結果的に入れたのでうれしかったですね。次回作は今やってることを継続したいので、引き続き女の子に共感してもらえる曲を投稿していきたいです。あと、今はポップでキュートな楽曲ばかりなので、バラードっぽい切ない曲も挑戦していきたいですね。バラードは聞くしカバーもするんだけど、苦手なのでついつい明るい曲になっちゃって(笑)」

 年齢も顔も非公開で、まだ謎に包まれている部分も大きい彼女だが、話していると柔らかい雰囲気が伝わってくる。そんな彼女は生配信も積極的に行っている。しかし、ここまで話題となった「ポケットからきゅんです!」はどのように制作されたのか?

「『ポケットからきゅんです!』の歌詞は、“きゅんです“って言葉が周囲ではやってたので、それを使おうと思ったのが始まりでした。最初からこのワードを使おうとは思っていました。15秒でパッと思いついた歌詞とメロディーで作ったのが、この曲です。楽曲は常にそういうふうに思いつきで作ったりするのが好きで、ポンポン出てくるんですよ。この曲を思いついたのも寝る前で、次の日にギターと合わせて投稿しました。それが自身の投稿の中でいちばんバズったので、驚きました」

 TikTok発のアーティストはまずサビを完成させ投稿し、反響を見てそこから楽曲全体を完成させるスタイルが多いように感じるが、彼女も同様のスタイルで制作しているという。

「最初はサビ以外の部分を本当に考えてなくて、バズった後にメロを考えましたね。歌詞は“カップルの日常”をテーマにして、スラスラ書けました。バズった後に書いたけど不思議とプレッシャーはなく、自分が好きな女の子目線の歌詞を書きました。この曲では、恋愛相手に対する想いを書いてます。恋で悩んでる子たちがちょっとでも元気を出して、勇気付けられたらいいなって思って」

 そう話す彼女は、歌詞は毎回テーマを決めて実体験ではなく完全に想像の世界で書いているという。それ故に苦労することもあるそうだ。ただのファンではなく本気で推し(好きで応援する人やモノのこと)に恋愛感情を抱いてしまうTikTokに投稿された“リアコ”(=リアルに恋しているの意)の歌については、こう話す。

「このリアコの曲はサビだけ最初は投稿したんですけど、“推しを好きになった人”をテーマに作ったんです。でも、フルバージョンを作る時にそれ以外の歌詞が思い浮かばなくて苦戦しましたね。自分は経験がないので、本当に大変で。いつも通り想像で曲は作るんですけど、ネットのコメントとかもあまり参考にしないようにして作っているので、合ってるか分からないながらも自分の中で考えて作りました」

次のページへ (3/4) 「ドラマや映画だったり恋愛系の主題歌をやってみたい」
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