シーザー武志の酒豪伝説 ワイン31本! VS千代の富士 VS朝青龍の仰天結末
千代の富士との酒飲み対決 軍配は?
――それだけじゃないと思いますけどね。
「俺ね、彼とは3回勝負してね」
――勝負? 酒の飲み比べですか?
「そう。3回のうち2回は負けたね」
――1回は勝った?
「いや、その1回はゴルフ行ってそこの宿で飲んだんだけどインチキして、ウチの緒形(健一)に交代して飲ませてさ(笑)。なんせとにかく粋だったし酒も強かったね」
――あのー、強かったと言うのは、どのくらいの量を飲み比べたんですか?
「2回目の時なんてホテルのパーティー会場で飲んでたんだけど、ワインの空ボトルが足元に31本くらいあったかな? 若い衆が数えてた(笑)」
――ワインを31本!
「ちょうど知り合いのジャイアンツの選手も同席してたんだけど、みんな席に乾杯に来るけど俺たちの飲み比べに付き合わされるからどんどん途中でいなくなってさ。結局ずっとその席に座って飲み続けてるのは俺と親方だけなの(笑)」
――読売巨人軍の方も逃げ出した?(笑)
「そうだよ。結局ベロベロに酔って弟子の森谷(吉博)や土井(広之)に抱えられて帰ったんだけどね(笑)。あとはあれだね。あれは凄かった。朝青龍!」
――凄そうですね。
「その時は浅草のすっぽん屋で会ったんだけど、『飲むか?』って言ったら、『いいスか?』って言うから、焼酎のストレートを大きめのグラスにいっぱいまで入れて、どうだ?ってポーズを取ったら、スッスっと手刀を切ってすぐにクーッて一気飲み」
――ストレートを一気飲み!
「なんか頭に来たから、『俺にも入れろ』って同じことをやってさ。それを5回くらいやってたら目が回ってきちゃってさ」
――5回もやれません!!
「気持ち悪くなってきちゃったから、またインチキして電話で森谷を呼び出して代打で飲ましてさ。それでもケロッとしてるからまた俺が飲んでたら、『会長、次の会に呼ばれてるので本日は失礼します。有難うございました』ってさっそうと着物を着替えて去って行くんだよ。あれには驚いたね。早々に帰ったよ(笑)」
――例えば、お酒で死ぬなと思った場面もあったりするんですか?
「あるある」
――あるんだ(笑)。
「体を壊してる時でも祝い事とかそういう場面では『飲めません』て言えないしね。そこで勝負を挑まれてもいっちゃってさ、ワインとかガンガン飲んでいざ帰ろうと思っても腰が立たない。そういう時は両脇を若い衆に抱えられて、拉致されるように帰ったり(笑)。そういう単純に体調のこともあるし、過去をさかのぼれば酒で死にかけたことなんて色々あるよ(笑)」
――今でも結構、激しく飲まれているんですか?
「今はね、楽しい酒がいいね。最近は女房に言われてね」
――奥様に何を?
「『酒と女は2合(号)までよ』って(笑)」
――3合(号)はやりすぎだと(笑)。
「実際、熱燗なんてのは2合くらいまでが美味いね。うまい肴をつまみながらゆったりした時間を過ごして気持ちよく酔って寝るのが一番いいよ。日本酒といえば、いつだったか高田とかと飲んでた時に、一升瓶を並べて飲んでたことがあるなあ……。酒の話ばっかりだけどいいの(笑)」
――はい。それは1988年に旗揚げした、新生UWFの頃とかですか?
「もう少し前かな。俺はUWFの頃(84~90年頃)が一番濃く彼らと付き合っていたからね。プロレスラーと深く関わったのは、UWFが始まりだね」
――そうなりますか。
「ええ。プロレスラーとの交流の始まりは佐山(聡=初代タイガーマスク)だよね。でも佐山は飲まないからね。当時、佐山自身はもちろん色々な練習に取り組むんだけど、ビデオを使って選手の練習を管理したり、ちょっと変わったストイックなタイプだったから驚いたよ」
――研究のために録画していたんでしょうね。
「あいつはそういう秘密主義なところがあるからね。でも、あいつとの出会いと、カール・ゴッチさんとの出会いがあったからSBができたんだよね」